著者 : 高山恵
結婚なんて私には縁がない……。 愛も夢も、あの日に封印したから。 きっちり結った髪に、灰色のさえないドレスの住み込み家庭教師ーー そんなソフィにも、人生でただひとり、心から愛した人がいた。 8年前、愛するピーターの父に、住んでいた屋敷を出ていくよう迫られ、 ソフィはやむにやまれず彼と別れて、自活する道を選んだ。 彼と別の女性の結婚予告が出されたのを知り、あまりにつらかったから。 以来、名前を変え、結婚もあきらめて、ひっそり暮らしてきたが、 雇い主から、母のいない娘のためにと名ばかりの結婚を提案された。 愛なんて無縁の私が結婚? でも、かわいい教え子のためなら……。 一歩踏み出すべきか迷いつつ迎えたクリスマスイブの前夜、 吹雪のなか屋敷へと向かってくる人影に気づき、ソフィは声を失った。 ピーターことシルボーン伯爵の冷たい瞳が、そこにあったのだ! 物心ついたときに母は亡く、父とも死に別れたソフィの人生は孤独でした。唯一愛したピーターとの恋からも泣く泣く身を引いた彼女に幸あれと願うばかりですが、彼との再会は穏やかではなく……。エリザベス・ビーコンが描く、出色のシンデレラ・リージェンシー!
赤ちゃんを待ちわびる彼女が知ったのは、 見ず知らずの父親の存在ーー 天涯孤独のリーザは、人工授精を受けた病院から驚愕の知らせを受けた。 お腹に宿した小さな命が、大富豪ジャレド・スティールの子だというのだ。 施術当日に会った、魅惑的な男性ジャレドーー結婚に興味がない彼は、 跡継ぎをもうけるため代理出産を依頼したと話していた。 しかし代理母が約束の時間になっても現れず、 たまたま予約時刻を変更していたリーザが人違いされたのだった。 ジャレドは大金を呈示して子供を渡すよう要求してきた。 無理よ、大切な私の赤ちゃんを渡せるわけがないわ。 でも、裁判になれば大富豪の彼に勝てる見込みなどない……。 ああ、いったいどうすればいいの? 赤ちゃんを巡る心温まるストーリーを描いてハーレクイン・イマージュで大人気のテレサ・カーペンター。今作では、珍しくドラマチックでホットな物語を書きました。思いがけない運命に翻弄される心優しきヒロインの一途な恋心に涙を誘われます。
深い悲しみを背負ったふたりが、 うたかたの愛を紡ぐときーー 雇い主ブラムの姿をひと目見た瞬間、臨時秘書のルビーは呼吸を忘れた。 “この世のものとは思えないほど美しい異国の大富豪”-- 5年も隠遁生活を送っているにもかかわらず、その魅力は健在らしい。 初対面の臨時秘書に不信感をあらわにするブラムだったが、 彼はルビーが天涯孤独だと知ると、驚くことに便宜結婚を申し出た。 祖国に戻ることになり、花嫁を連れ帰る必要に迫られているのだと。 大富豪の妻なんて大それた役が、私なんかに務まるのかしら……。 ルビーは悩んだ末、亡父の負債を返済するために依頼を引き受けた。 口裏合わせのロマンスを創作し、ブラムの優しさに触れるにつれて、 つのる想いに苦しむことになるとは思わずに。 相思相愛の妻としてブラムの国を訪れたルビーは、彼が弟のために自ら国を追われ、その背景に愛する女性の存在があったことを知って苦悩します。期限つきのはかない恋の結末は……? RITA賞受賞作家L・フィールディングが繊細に紡ぐ、美しき千一夜物語。
13歳で両親と死別したテスは、ベルギーの修道院で育った。とうとう遺産が底を突いた今、故郷イギリスの修道院に身を寄せてなんとか働き口を探すしかなかったが、思わぬ事態に阻まれる。洗練された身なりの男性にぶつかられて足を怪我したうえに、子爵アレックスと名乗る彼に強引に引き留められ、船を逃したのだ。ああ、切符を買い直すお金もないというのに…。テスが窮状を訴えると、子爵が目的地まで送り届けると請け合い、彼女はほっと安堵するが、そのときまだ知る由もなかったー頼みの綱の修道院に受け入れてもらえず、高慢な子爵の屋敷で家政婦をすることになるとは!
幼すぎた結婚と別れが、 こんなにも苦しいなんて……。 「グレッグが戻ってきたの」母の言葉に、スーザンは耳を疑った。 19歳で結婚したものの1年もせずに別れた元夫が、 彼女の父と仕事をするために、この地へ帰ってきたのだ。 もともと厳格な両親と折り合いが悪かったスーザンは、 規範にとらわれないグレッグの奔放さに憧れて妻となったが、 最愛の兄を亡くして別人のように変わってしまった彼になじめず、 彼女から離婚を切りだしたのだ。それは、幼すぎた過ちだった。 6年経っても、彼の名を聞いただけでこんなにも心が乱れるというのに、 今さら笑顔で再会するなんてできない。 だが、動揺を隠せないスーザンに追い打ちをかけるように、 グレッグと“親しい”という女性が現れ……。 Y・ウィタルの稀少な未邦訳旧作をお贈りします。かつて別れた夫への思いが残っていた自分に驚き、心が千々に乱れるヒロイン。未練な気持ちを懸命にかき消そうとしても、心は嘘をつけなくて……。切ない展開のあと、物語終盤に驚きの結末が待ち受けています!
経営者フリンをヘザーは一途に愛したが、彼はあっさりと捨てた。離婚したてのフリンにとって、恋は慰みにすぎなかったのだろう。身も心も引き裂かれて、ヘザーは会社を辞め、家も転居した。その8カ月後、あり得ない、招かれざる客が訪れる。大きな仕事を終えたフリンが、執拗に彼女を捜しだしたのだ。同じ過ちは犯さない。わかっているのに彼に目が吸い寄せられる。しかも、フリンの口から予想だにしなかった言葉がこぼれた。「ヘザー、結婚してくれ。きみだってまだぼくを求めている」だがすぐに、彼が息子の母親役を求めているだけだと気づき…。
華麗な舞踏会でただひとり 踊れず座る、壁の花……。 おてんば娘のジェシカは少女の頃からジャックを兄のように慕っていた。 夏の嵐のなか不運にも落馬して左足に大怪我をした彼女は、 将来の希望を失ったーー足の悪い娘なんて誰からも望まれない、と。 舞踏会でろくに踊れず壁の花となっていたジェシカに声をかけたのは、 両親を早くに亡くし若くして公爵となったジャックだった。 跡継ぎを望む祖母に結婚をするよううるさく言われ、 とうとう開くことになったハウスパーティへ彼女を招待したいという。 一瞬ジェシカの胸はときめいたが、すぐに自分は場違いだと考え直して 泣く泣く辞退すると、ジャックは見下したように尊大に言い放った。 「そばにいてほしい。君と正反対の女性を公爵夫人にしたくなるように」 英国摂政期をこよなく愛する英国人ロマンス小説家、エリザベス・ビーコンの日本デビュー作をお贈りします。長年想いを寄せてきたジャックから投げつけられた辛辣な言葉に、ジェシカはショックを隠せず手を震わせ……。傲慢な公爵の“花嫁探し”の展開やいかに?
フェリシティは良家に生まれながらも、一生結婚せずに世のために身を尽くすつもりでいた。華やかな母や姉と違い“見劣りする娘”と囁かれる彼女は、母たちのように愛に溺れ、愛に裏切られる人生を望んでいなかった。ところが母が再婚し、義父にいじめられる日々が始まると、彼女は家を出たい一心でやむなくお見合いをしたいと願い出る。持ち上がった縁談の相手は、スタントン伯爵リチャードーー社交界随一の花婿候補で、フェリシティが心密かに慕っていた男性。跡継ぎをもうけるための便宜結婚を望む伯爵に、彼女の心は揺れた。私はきっと彼を愛して
ベラは、ハードキャッスル社の悪事を白日のもとにさらすため偽名を使ってそこで働き、ひそかに証拠集めをしている。ある日オフィスに、黒髪のモデル並みの容姿の男性が現れた。ドミニク・ディ・バリー社長の婚外子で、後継者と噂される人物だ。彼に命じられ会社を案内したあと、ベラは警戒しつつも食事を共にした。別れ際、ドミニクは黒い瞳を輝かせ…ベラの唇を奪った。気をつけて。正体を知られたら一巻の終わりよ。ところがその夜、よりにもよって証拠書類のコピー中に彼が再び現れた。どうしよう?慌てるベラにドミニクは言った。「何をしているんだ?」まるでベラを弄ぶかのように、黒い瞳を光らせて。