著者 : 高山恵
万事休す! ナイフを突きつけられ、 公爵は言った。「彼女は僕の妻だ」 セアラの父が破産の末に亡くなり、家は没落した。 その後は貴婦人の付き添い人としてどうにか生計を立てていたが、 夫人が亡くなり、解雇されてしまう。 侍女と二人、糊口をしのぐため、セアラは職を求めて船に乗り込んだ。 そこで出会ったのは、息をのむほどハンサムな男性、スミス氏。 彼に初めて心ときめかせたのも束の間、旅は早々に暗転するーー。 船長と水夫たちが乗客を襲い、海へ突き落とすという凶行に及んだのだ! 船長のピストルがセアラに狙いを定めたとき、 スミス氏の力強い声が響いた。「私はシバートン公爵。彼女は私の妻だ」 自分たち夫婦の身代金を払うと申し出て、セアラたちは命をつなぐ。 その夜から公爵と二人、身代金が届くまでの間、同じ船室に監禁されて! Amazonレビューで著者の最高傑作と評される話題作! 『花嫁は絶体絶命』などスリリングな名作で知られる実力派ルイーズ・アレンが描くドキドキの作品です。思わぬ窮地の中、公爵に抱き寄せられ、「公爵夫人のふりを」と囁かれた瞬間、不思議と心が落ち着いてーー?
尼僧院の扉を突き破った男は、 娘の閉ざされた心の扉さえも……。 1年前に見習いの尼僧になった領主の跡取り娘アメは、 乱暴で支配的な父から逃れるため、神に生涯を捧げるつもりだ。 ずっと父に怯えてきたので、父の選ぶ人とは絶対に結婚したくなかった。 ところがある夜、アメの婚約者と名乗る男ヨルンドが尼僧院に現れ、 院長が追い返すも、頑丈な扉を破って荒々しく突入してきた! とてつもなく大きくたくましい彼はバイキングの族長で、 縁談はこの国の王女の意向であり、アメの父も認めていると言う。 アメは恐怖のあまりパニックに陥って逃げ出そうとしたが、 ヨルンドの無慈悲な脅しに、この運命から逃れられないことを悟る。 「結婚しないなら、この尼僧院はがれきの山と化すぞ」 世界のロマンスファンから大好評の本作。父から逃れたのに、また新たな傲慢男性に支配されるのは耐えられない! 夫となるヨルンドの雷のように激しい顔の裏に、優しさや高潔さ、繊細さ、包容力、思いやりの精神が隠されていることを、アメはまだ知らない……。
小さな娘に、愛を注ぎたい。 たとえ母だと名乗れなくても。 孤児のグレースは9歳で女学校に入り、家庭教師になる訓練を受けてきた。 16歳のとき、ハンサムな青年と恋に落ちて妊娠したが、 相手は恐れをなして軍隊に逃げたすえに戦死した。 ひっそり出産したグレースはやむにやまれず娘を養子に出したものの、 自身の愛されぬ少女時代に娘を重ね、そのことを悔いない日はなかった。 娘が幸せでいるか、いつか絶対にこの目で確かめようと心に誓った。 今、養親を亡くした娘が、人々から恐れられる侯爵に引き取られたと知り、 心配でたまらないグレースはレイブンウェル侯爵邸を訪れた。 そして、運よく住み込みの家庭教師として雇われることにーー 2歳の侯爵家令嬢クララの生みの母であることは、極秘のままで。 切ないけれど、もしもクララの母であることを知られたら即解雇は免れないと恐れるグレース。一方のレイブンウェル侯爵もまた、人里離れた地で隠遁生活を送っているのには、深く切ない理由がありました。感涙必至のクリスマス・リージェンシー・ロマンス!
誰も私を花嫁にしたがらない……。 そんな売れ残りの娘を見つけたのはーー 牧師の娘イライザは高貴な生まれではなく、持参金もわずかばかり。 社交界デビュー2年目となる今年こそ、結婚を決めるか、 それがだめなら一生独身か、二つに一つーー最後のチャンスだ。 だがいまだに、地味で縁故もない彼女に関心を示す若者は現れない。 ある日、舞踏会で中老の子爵が転びそうになったところを助け、 子爵と仲よくなったイライザは、互いに好きな読書の話に花を咲かせる。 それを苦々しく見ていたのは、子爵の息子のストラサム男爵ジャイルズ。 あの若くて貧しい娘は、裕福な子爵の後妻の座を狙っているのでは? そこでジャイルズは監視するために自らイライザに近づくが、 一緒にダンスを踊り、連弾をし、会話を交わすうち、彼女に魅了され……。 牧師の家に生まれたヒロインのドレスは経済的事情から古くて地味なものばかり。それでも、語学堪能で音楽や絵画、乗馬なども得意な彼女は、ジャイルズの目にはどんな貴族令嬢よりも輝いて見えるのでした。目立たぬ花こそ美しいーーそんなヒロインの恋物語です。
愛が深まるほど、言えなくなるーー 本当の私は、貧しい孤児だということを。 ロージーは早くに両親を亡くして貧するしかない身だったところを、 資産家の娘で親友のアラベラに救われ、居候させてもらっていた。 今、アラベラが意に反して結婚させられそうになっていると知り、 恩返しをしようと、ロージーは身代わりになることを決意する。 “アラベラ”に扮した彼女が花婿候補の公爵アレグザンダーに会い、 奇行を演じて嫌われることで、縁談を台なしにする計画だ。 だが、強欲で鼻持ちならないはずの公爵は実際、ハンサムで高潔だった。 心ならずも惹かれ、彼につい唇を許してしまったロージーはしかし、 自分が本当はアラベラではないことを言い出せなかった。 しかも、元婚約者に騙された経験のある公爵は、嘘が何より嫌いで……。 本作で日本デビューを飾るエヴァ・シェパードは、ヴィクトリア朝時代の英国に造詣が深いヒストリカル作家。ロンドンのリッツやハロッズやサヴォイなどの華やかな雰囲気と、古い公爵領の美しさが堪能できる、ロマンティックさ満点のシンデレラストーリーです!
おまえは言葉を話せないはずでは……。 偽りの代償を払わせるーー愛の床で。 うら若き娘エンヤは、訳あって老女に身をやつして暮らしている。 数年前、唯一の肉親だった兄によって奴隷商人に売り飛ばされ、 たまたま市場を通りかかった北欧の戦士ウルフリックの目にとまった。 エンヤは買われずにすむよう、口がきけないふりをしたが、 ウルフリックはかまわず彼女を手に入れて家へ連れ帰った。 その後、彼なりの方法でかわいがられはしたけれど、 彼女は隙をついて主人を短剣で切りつけ、逃げ出したのだった。 だが、ある町を訪れたとき、エンヤは突然現れた男を見て絶句する。 目の前に立ちはだかった大男は、ウルフリック! 彼女のつけた傷痕が今なお残る顔で、主人がこちらを睨みつけていた……。 HQロマンスで大活躍中のケイトリン・クルーズが放つ、情熱的なヒストリカル第2弾! 『さらわれた亜麻色の花嫁』(PHS-276)の関連作です。勇猛果敢なウルフリックと気高い魂を持つエンヤーー二人で一つの完全体となる、究極の愛が描かれる渾身作!
クリスマスに私の愛する子爵が帰ってきた! でも頼まれたのは、彼のための花嫁選び。 アンナ・リーゼははっきり言って、幸せではなかった。 初めは母、続いて父も亡くし、継母と継妹にうとまれながらの日々。 話し相手になってくれるのは、仲良しのがちょうだけ。 そこへ、20年近く離れ離れだった幼なじみ、ピーターが帰ってきた。 片想いの相手は、ハンサムで魅力的なクリバートン子爵へと成長していた。 アンナ・リーゼはうれしかったけれど、自分の服を見て涙をこらえた。 こんなみすぼらしい格好とあかぎれの手で、ピーターには会えない。 子爵はクリスマスに舞踏会を開き、そこで花嫁選びをするのだという。 継母と継妹は興奮するが、アンナ・リーゼは愛する人の選択が悲しかった。 私はピーターにとって永遠に幼なじみ。彼の花嫁にはなれないのね……。 また一人、才能あふれる作家が日本デビューを飾りました! ヒロインは20年ぶりに再会した子爵ヒーローと旧交を温め、彼に深く恋するようになります。問題は、子爵が彼女に恋をしていないこと。友情がいつ真実の愛へ変わるのか、その瞬間をお見逃しなく!
夢の中でキスをした。 手の届かない、雲の上の人と。 ロンドンで社交界デビューを果たした直後に父が破産し、 グレーフォード子爵の館で家政婦として働きはじめたエマ。 若すぎる彼女は従僕やメイドに見下され、忍耐の日々が続いた。 そんなある日、見目麗しい新子爵ジェームズが帰還するーー 運悪く、悪臭を放つ漬物液で玄関ホールが水浸しになっているところへ。 その後も失敗続きだったが解雇は免れ、エマは胸を撫でおろした。 ところが翌日の真夜中、ジェームズが傷を負って帰宅する。 とっさに私室で手当てするうち、思いがけず親密な空気が漂って……。 そのときのエマは知るよしもなかった。 自分が身のほど知らずの恋に落ちてしまうことを。 「君は僕にとってもったいない人だ」領民が待ち望んだ五月祭の夜、人気のない倉庫でジェームズは囁き、エマに口づけます。つかのまの甘美な喜びを自分に許すエマでしたが、子爵が家政婦ふぜいを愛人にして笑い物になることを恐れ、泣く泣く辞職を申し出て……。
土埃だらけの服の下には、 隠しきれない玉の肌と、美しい曲線。 海軍で輝かしい戦果を残した後に負傷して帰郷した、 第10代ライブンホール伯爵マックスは、世を儚んでいた。 ある日、領地を馬で駆けていると、奇妙なものが目に入った。 男物のズボンに包まれた尻がもぞもぞ動き、しきりに何かを掘っている。 何やつ、盗賊か? 鋭い声で呼び咎めると、男ははっと顔を上げた。 眼鏡越しに見開いた大きな丸い目、麻のシャツの開いた胸元ーー女か? 「伯爵さま、どうか怒らないで。古代遺物を発掘したいだけなんです」 エフィは近くに住む天涯孤独の若い女性で、歴史が好きなのだと言う。 失せろと命じたが、彼女は夜中にこっそり領地に入ってきているようだ。 女性が夜に一人では危険だ! マックスはつい手を差し伸べてしまいーー。 新作家ヴァージニア・ヒースの登場です。傷ついた心身を持て余し隠遁する伯爵ヒーローと男装のヒロイン。女性として見られたことがないエフィにとって、恋愛や結婚は夢物語でした。でも伯爵は、彼女のズボン姿を好ましくさえ思っているようで……?
あの夜の記憶を失ったあなたに、 娘がいるなんて、言えないーー。 18歳のとき、エレノアは兄の親友の子爵、ニコラスに夢中だった。 だが彼女が純潔を捧げた次の日、ニコラスは忽然と姿を消し、 以来6年間、彼を見た者はない。兄たちの必死の捜索も無駄に終わった。 悲嘆に暮れるエレノアにとってただひとつの喜びは、娘の存在ーー ニコラスに生き写しの娘の瞳に、彼女は希望を託し続けた。 そんなある夜、彼女が兄と暮らす屋敷に、突然ニコラスが帰還する。 傷を負い、変わり果てた姿の彼は、エレノアを覚えてすらいなかった。 ハンサムでたまらなく魅力的な放蕩子爵はどこへ行ってしまったの? 元のあなたに戻って……娘のために。エレノアはおずおずと切り出した。 「私に、あなたの記憶を取り戻すお手伝いをさせてください」 実力派作家の日本デビュー作です! 子爵は莫大な財産を狙われ、恐ろしい事件に巻き込まれていました。記憶を取り戻すため、かつて共に訪れたロンドンのカフェや美術館を巡る二人。6年前、初めてキスをした書店の暗がりで、奇跡が起きます。
拒まれた乙女の初恋は、 あの夜に置き去りにされたまま。 社交界デビューの夜、バイオレットの夢は砕け散った。 幼なじみのセスと最初のダンスを約束していたのに、 彼女のドレス姿を見たとたん、彼は何も言わずに背を向け、 そのまま別れの言葉もなく戦地へ行ってしまったのだ。 わたしが美しくないから、きっとセスは幻滅したんだわ……。 それからの月日は絶望のうちに過ぎ、6年が経った。 夫を見つけられないなら出て行けと父に叱られたバイオレットの前に、 戦地から帰還したセスが現れる。罪深いほどすてきな男性になって。 兄亡き後ダルトン伯爵の称号を継いだ彼は、近く妻を迎えるという。 そして、彼はバイオレットにきいたのだ。「なぜ君はまだ独身なんだ?」 『公爵と氷の微熱』で華々しいデビューを飾った期待の作家、マデリン・マーティン。今回はその関連作です。壁の花、行き遅れ、と揶揄されるバイオレット。伯爵となったセスにとって、妻選びなどよりどりみどり。「壁の花」や「行き遅れ」と揶揄されるバイオレットに、チャンスがあるはずもなく……。
ただのメイドにすぎない私が、 高貴な方と、二人きりで馬車の旅なんて! 8歳で父親を亡くしてから、ジェーンと母は長く貧困に苦しんだが、 いまは優しい伯爵夫人のメイドとして、穏やかな日々を送っている。 ある日、ケンダル氏という見目麗しい殿方が屋敷を訪れた。 客人にお茶を出しながら、ジェーンはつい、彼を盗み見てしまった。 いかにも裕福な身なり。深みのある声。なんて魅力的なのかしら。 彼は、ヨークシャーのたいへんな資産家である大叔父から、 ある女性を捜し、連れてきてほしいと依頼を受けたと言う。 伯爵夫人がそれは誰かときくと、ケンダル氏は困惑ぎみにこたえた。 「ご存じでしょうか……ジェーン・ベイリーという名のご婦人を」 わ、私? 驚きのあまり、ジェーンはお盆をひっくり返してしまいーー。 RITA賞受賞作家C・ティンリーの話題作『伯爵と日陰のシンデレラ』の関連作をお贈りします。ジェーンはケンダル氏とともに、5日かけてヨークシャーへ向かうことに。身分違いの恋が募るせつない旅の終わりに、大叔父が明かした意外な秘密とは……?
結婚の翌朝に、彼は別れを告げたーー 私の身に宿った命に気づきもせずに。 ペニーは旅先でとてつもなくセクシーな富豪コルトと、熱い恋におちた。 めくるめく1週間。最終日、二人は運命に導かれるように結婚したが、 翌朝、別人のような冷たい顔で彼は言った。「僕は結婚に向いてない」 そして一方的に離婚を告げると、コルトは去っていったのだった。 人生で初めての恋の代償は大きかったーーペニーは、妊娠していた。 1年半後、女手一つで双子を育てていた彼女は、体調を崩して入院した。 すると、ペニーが子育てと治療費の工面に困っていると知ったコルトが、 入院先に突然、相も変わらぬまばゆいほど魅力的な姿を現した! 彼に妊娠を知らせなかったのは、親権を要求されたら勝ち目がないから。 命よりも大切な子供たちを、絶対に奪われるわけにはいかない……。 〈授かり子を密かに〉と題して、シークレットベビー物語をお贈りします。双子と関わったあとでコルトがまた姿を消したら、今度は子供たちが傷つくーーペニーの“親心”はコルトへの不信にあふれる一方、“恋心”は彼への切ない未練をぬぐいきれずにいて……。
崖っぷちの令嬢が通いはじめた、 “秘密のレッスン”のお相手役は……。 「今夜から、高級娼婦に教わるのです。男性を魅了する方法を」 厳格な母のものとは思えない言葉に、エレナーは耳を疑った。 衝撃さめやらぬエレナーだったが、破産寸前の伯爵家を守るためには “氷の女王”のあだ名を払拭し、今季中に結婚するしかないと言われ、 やむにやまれず仮面とかつらで変装をして所定の館におもむいた。 出迎えたのは麗しい“女性講師”と、すばらしくハンサムな紳士だった。 チャールズと名乗る彼は、エレナーの相手役を依頼されたのだという。 レッスンが始まり、教えをひたむきに実践するエレナー。 だが、そのときの彼女には知るよしもなかった。 チャールズが公爵であることを。そして、亡き父の宿敵であることを。 互いの魅力に抗いながら続けたレッスンの成果で壁の花を卒業し、チャールズへの想いを押し隠して紳士たちと踊るエレナー。しかしある夜会で知人に秘密を暴露され、母娘は社交界を追放されて……。叶わぬ愛を夢見た乙女の、熱く儚いドラマチック・リージェンシー。
愛なき公爵に恋した花嫁。 英国一、愚かな娘。 交際も求愛もなしに公爵との結婚が決まったアビーは、 彼の愛人の噂を気に病むあまり式に出ることができなかった。 公爵を祭壇に置き去りにした娘として英国中に非難され、 結婚は破談になり、人目を避けて暮らすこと3カ月。 アビーは馬車で移動中に嵐に遭い、近くの屋敷に助けを求めた。 だがその屋敷はハウスパーティの最中で、公爵とその愛人、 そして口さがない社交界の面々が滞在していた。 私をあれほど傷つけた人たちと、再び会わなければならないなんて……。 青ざめながら晩餐に下りていくと、公爵の愛人が艶然とほほえんだ。 「あなたがアビーね? 彼が言ったとおり、美しいわ」 アビーを人目につかない部屋に呼び入れ、「彼女はただの幼なじみだ」と説明する公爵。その言葉を信じられないまま、アビーは彼の強烈な魅力にとらわれていきますが……。愛を夢見た乙女の揺れる想いを繊細に描く、せつなくも美しいリージェンシー・ロマンス。
英国一、結婚嫌いの放蕩侯爵。 英国一、侯爵夫人に程遠い娘。 両親を相次いで亡くし、17歳で路頭に迷ったポリーは うち捨てられた城に住み着き、男物の古着を身につけて、 畑仕事や家畜の世話をしながら幼い弟たちを懸命に育てていた。 だがある日突然、見るからに高貴で美しい男性が目の前に現れる。 この人が、英国有数の富と権力を持つというマンテーニュ侯爵? 悪名高い放蕩者が、ついに自分の城を顧みる気になったというの? ふたたび住む場所を失う恐怖にさいなまれながらも、 ポリーは勇気をかき集めて古城の当主に向き合った。 「まずはそのすばらしい脚を大事にしまって、ドレス姿に戻ることだ」 侯爵の熱い瞳に見据えられ、甘い衝撃がポリーの全身を貫いた。 なぜか城に住み続けることを許されたポリーたち姉弟と、寄せ集めの使用人たち。奇妙な同居生活が続くうち、侯爵に強く惹かれていくポリーでしたが、彼の心は固く閉ざされていて……。『家政婦と不機嫌な子爵』関連作、甘く切ないシンデレラ・リージェンシー!
ローアンは、金融界の大物イサンドロと政略結婚で結ばれた。イサンドロにとっては便宜的な結婚でも、ローアンは彼を愛していた。やがてローアンは妊娠し、かわいい男の子を出産したが、わずか数時間後、彼女はメモだけ残し、ひとり病院をあとにした。実は、ローアンは病に冒されていた。もう長くないと悟った彼女は、大切な跡継ぎの体に害が及ばぬよう、いっさいの治療を拒否し、母親を失うつらさを息子に味わわせないよう、身を引いたのだった。なにより、夫への愛を、最期の瞬間まで隠し通せる自信がなかった。2年後、ローアンは奇跡的な回復を遂げた。息子に会いたいーだがその願いが叶う前に、怒りに燃えた夫との再会が待っていた。
クリスマスの奇跡は、 愛と苦しみの記憶を呼び覚まして……。 道に迷い、たどり着いたスコットランドの小さな村のパブ。 店で働く女性を見て大富豪トーマスは目を疑った。「ロージー?」 半年前、車ごと川に落ち、行方不明になった妻ロザリンドだ。 思わず抱き締めたとたん、トーマスは突き飛ばされた。 過去の記憶をなくし、ロンドンの屋敷に住んでいることも、 5歳の娘がいることも、まったく覚えていなかったのだ。 トーマスが家族や経営する会社について詳しく話すと、 彼女は不安そうな様子ながらも、一度家に戻ってみると言った。 実は彼女が失踪したとき、すでに結婚生活は暗礁に乗り上げ、 離婚寸前だったとは知るよしもなくーー 聖なる季節に、まるでサンタクロースの魔法にかかったかのような、奇跡の愛の物語をお届けします。愛らしい5歳の少女に会い、すぐに懐かしい感情に満たされるヒロインですが、ゴージャスな夫との夫婦関係にはなぜか違和感を覚えて……。
子爵は乙女に近づいたーー 非情な企みを胸に秘めて。 両親亡きあと堕落した弟の世話に明け暮れてきたデボラは、 ある日ヴィクターと名乗る謎めいた紳士に声をかけられた。 「一曲踊っていただけませんか? 僕の傷が怖くなければ」 頬の傷さえ魅惑的な彼にダンスを申し込まれ、 おずおずと応じたデボラはなじみのない高揚感を味わった。 一曲だけーーただ、それだけ。私に恋などできるはずはないのだから。 ああ、でも、彼に触れられるだけでこんなに胸が高鳴るなんて……。 心と体に残る傷をつかのま忘れて人並みの幸せを夢見た瞬間、 デボラは残酷な運命に絡め取られた。 彼が子爵だとはつゆ知らず、無垢な瞳をきらめかせたまま。 知らぬ間に罠に落ちたデボラと、純真な彼女に惹かれながらも欺き続けざるを得ないヴィクター。偽りと真実のはざまでなす術もなく、熱く惹かれ合うふたりの運命は……。リージェンシーの名手と名高いサラ・マロリーの、繊細かつドラマチックなラブストーリーです。
高貴な身分のあの人に、 身のほど知らずの恋をした。 「僕の弟が戦死したばかりなのに、次の獲物を探しているのか?」 牧師の養女リリーは世界一会いたくない人物と最悪の再会を果たした。 亡き幼なじみが崇拝していた兄である麗しの将校ーー 公爵位を継ぐために帰還したジャイルズ・モンタギュー卿だ。 彼はリリーを金目当てで弟をたぶらかした悪女と決めつけ、 顔を合わせるたびに捨て子だったことを持ち出して嘲るのだ。 深く傷つきながらもなぜか彼を憎みきれずにいたある日、 またもやジャイルズ卿と言い合いになり、偶然体が触れ合った。 その瞬間、胸のうずきを覚えたリリーは彼への想いに気がついた。 貴族の彼と結ばれるなど、万にひとつの望みもないのに。 エリザベス女王やアメリカロマンス作家協会からも賞賛される大スター作家、C・モーティマーのピュアでホットなリージェンシー。“身分卑しき悪女”の無自覚な色香に翻弄される傲慢ヒーロー、不遇なヒロインの出自の真相……。読みごたえたっぷりの力作です!