小説むすび | 著者 : 高山恵

著者 : 高山恵

侯爵家の家庭教師は秘密の母侯爵家の家庭教師は秘密の母

小さな娘に、愛を注ぎたい。 たとえ母だと名乗れなくても。 孤児のグレースは9歳で女学校に入り、家庭教師になる訓練を受けてきた。 16歳のとき、ハンサムな青年と恋に落ちて妊娠したが、 相手は恐れをなして軍隊に逃げたすえに戦死した。 ひっそり出産したグレースはやむにやまれず娘を養子に出したものの、 自身の愛されぬ少女時代に娘を重ね、そのことを悔いない日はなかった。 娘が幸せでいるか、いつか絶対にこの目で確かめようと心に誓った。 今、養親を亡くした娘が、人々から恐れられる侯爵に引き取られたと知り、 心配でたまらないグレースはレイブンウェル侯爵邸を訪れた。 そして、運よく住み込みの家庭教師として雇われることにーー 2歳の侯爵家令嬢クララの生みの母であることは、極秘のままで。 切ないけれど、もしもクララの母であることを知られたら即解雇は免れないと恐れるグレース。一方のレイブンウェル侯爵もまた、人里離れた地で隠遁生活を送っているのには、深く切ない理由がありました。感涙必至のクリスマス・リージェンシー・ロマンス!

恋馬車に拾われたシンデレラ恋馬車に拾われたシンデレラ

8歳で父親を亡くしてから、ジェーンと母は長く貧困に苦しんだが、いまは優しい伯爵夫人のメイドとして、穏やかな日々を送っている。ある日、ケンダル氏という見目麗しい殿方が屋敷を訪れた。客人にお茶を出しながら、ジェーンはつい、彼を盗み見てしまった。いかにも裕福な身なり。深みのある声。なんて魅力的なのかしら。彼は、ヨークシャーのたいへんな資産家である大叔父から、ある女性を捜し、連れてきてほしいと依頼を受けたと言う。伯爵夫人がそれは誰かときくと、ケンダル氏は困惑ぎみにこたえた。「ご存じでしょうか…ジェーン・ベイリーという名のご婦人を」わ、私?驚きのあまり、ジェーンはお盆をひっくり返してしまいー。RITA賞受賞作家の話題作『伯爵と日陰のシンデレラ』の関連作。ジェーンはケンダル氏とともに、5日かけてヨークシャーへ向かうことに。身分違いの恋を募るせつない旅の終わりに、大叔父が明かした意外な秘密とは…?

公爵と氷の微熱公爵と氷の微熱

「今夜から、高級娼婦に教わるのです。男性を魅了する方法を」厳格な母のものとは思えない言葉に、エレナーは耳を疑った。衝撃さめやらぬエレナーだったが、破産寸前の伯爵家を守るためには“氷の女王”のあだ名を払拭し、今季中に結婚するしかないと言われ、やむにやまれず仮面とかつらで変装をして所定の館におもむいた。出迎えたのは麗しい“女性講師”と、すばらしくハンサムな紳士だった。チャールズと名乗る彼は、エレナーの相手役を依頼されたのだという。レッスンが始まり、教えをひたむきに実践するエレナー。だが、そのときの彼女には知るよしもなかった。チャールズが公爵であることを。そして、亡き父の宿敵であることを。互いの魅力に抗いながら続けたレッスンの成果で壁の花を卒業し、チャールズへの想いを押し隠して紳士たちと踊るエレナー。しかしある夜会で知人に秘密を暴露され、母娘は社交界を追放されて…。叶わぬ愛を夢見た乙女の、熱く儚いドラマチック・リージェンシー。

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