著者 : 高橋昌久
稀代の作家高橋昌久氏による「マテーシス古典翻訳シリーズ」第11弾は、アンドレ・ジッドの「大地の糧」です。本作はジッドがまだ三十にならぬ、まだ若さを有していた頃の作品で、若者の作品と言えるだろう。技法や思想として円熟は見られないが、中庸を知らぬ獅子が粗々しさを省みずただ猪突に猛進していく様は読み手に大きな印象を残すだろう。少なくとも代表作であり技法的には円熟したであろうが何処かなよなよした『狭き門』よりも遥かに好感が持てる作品である。 凡例/訳者序文/第一書(1、2、3)/第二書/第三書/第四書(1、2、3、4)/第五書(1、2、3)/第六書/第七書/第八書/エピロゴス
作家・哲学者の高橋昌久氏による「マテーシス古典翻訳シリーズ」第15弾は、『カルメン』で知られるフランス人作家プロスペル・メリメによる、ナポレオンの故郷としても知られるコルシカ島を舞台とした作品『コロンバ』です。今回も氏本人が原典より翻訳したものを収録しています。 凡例/訳者序文/一/二/三/四/五/六/七/八/九/十/十一/十二/十三/十四/十五/十六/十七/十八/十九/二十/二十一
作家・哲学者の高橋昌久氏による「マテーシス古典翻訳シリーズ」第17弾は、ルートヴィヒ・ティーク著『ブロンドのエックベルト』、『人生の余剰』です。『人生の余剰』は本邦初翻訳です。 凡例/訳者序文/ブロンドのエックベルト/人生の余剰/エピロゴス
「幸福とは何か」。単純なようでいてたやすく答えの見つからない人類史上の難題。本作はイギリスの作家サミュエル・ジョンソンがこの難題に挑むいく人かの人々を見事に描き切った佳作である。翻訳を手掛けた高橋昌久氏もこのテーマについて深く考えたひとりであり、その洞察をもって『マテーシス』などの創作に昇華させた作家としての側面もある。どこか著者に似通ったところがあるように思う。「マテーシス古典翻訳シリーズ」第六弾。
「マテーシス翻訳シリーズ」の記念すべき第10弾はフォン・ホフマンスタール著『アンドレアス』です。この作品には得体の知れないエネルギーがあるということである。中盤の独りで山頂に登った時を筆頭に、鬼気迫るような、混沌としたものがあり、それが読み手を虜にする。それはツヴァイクの述べたドイツ語の美しさからくるものだろうか?言語だけに留まらないものと私は考えている。だがそれ以上の深い考察は読み手に委ねたい。(訳者まえがきより) 隠れた名作をお楽しみください。