著者 : 高田崇史
日本最古の神社の一つ、奈良・大神神社近くの河原で高校生が殺害された。彼が「蛇が…」と言い残して事切れたと聞き、友人の田村暁は戦慄する。その数日前、二人は大神神社の御神体とされる三輪山で、ある禁忌を犯していたのだ。一方、京都にいた辻曲姉妹も不吉な兆候を察知。怨霊を鎮めるべく、奈良へー。
宮崎・高千穂の夜神楽で、男性の首なし死体が発見された。宇佐神宮では、御霊水の三つの井戸に、女性の首と両手が。折も折、萬願寺響子の従弟・漣が「卑弥呼の調査に行く」と言い残して行方不明に。続発する怪事件を解決するには、日本史の根幹を覆す発想と「あの男」が必要だったー。天岩戸神話に隠された逆転。卑弥呼と邪馬台国の真実。
「縁結び」の神様にして、男を呪う「丑の刻参り」でも有名な、京都・貴船神社。次女・摩季を蘇らすため、清らかな霊水を求めて貴船に向かった辻曲姉妹たちは、ここで、般若のような顔をした犯人による連続殺人事件に遭遇する。事件の真相は?そして、貴船に祀られた姫の悲しみを晴らすことはできるのか?
棚旗奈々は妹・沙織の新居を訪れるべく、桑原崇と金沢へ来ていた。白山神社の総本宮白山比〓(め)神社を参拝した二人は、殺人事件に巻き込まれる。手取川で見つかった首なし死体、現場付近で昏倒していた男、現場から走り去った女。すべてがひとつに繋がるとき、白山の謎も明らかに!大学一年生の奈々が浅草を訪れ、崇の博覧強記ぶりを目の当たりにする「江戸の弥生闇」も収録。書き下ろし最新作!
「館」の謎は終わらないーー。館に魅せられた作家たちが書き下ろす、色とりどりのミステリの未来! 奇怪な館、発生する殺人、生まれいづる謎、変幻自在のロジックーー! 読めば鳥肌間違いなし。謎は、ここにある。新本格30周年記念アンソロジー第三弾。 収録作品: はやみねかおる『思い出の館のショウシツ』 恩田 陸『麦の海に浮かぶ檻』 高田崇史『QED〜ortus〜 -鬼神の社ー』 綾崎 隼『時の館のエトワール』 白井智之『首無館の殺人』 井上真偽『囚人館の惨劇』 はやみねかおる 『思い出の館のショウシツ』 恩田 陸 『麦の海に浮かぶ檻』 高田崇史 『QED 〜ortus〜 ──鬼神の社──』 綾崎 隼 『時の館のエトワール』 白井智之 『首無館の殺人』 井上真偽 『囚人館の惨劇』
アカデミズムの異端児、潮田誠教授の主宰する天橋立へのバスツアーで起こった全員死亡事故の因縁を解き明かす。事故のおよそ二年前、大学関係者が立て続けに、野犬らしきものに喉元を食い破られて命を落とす。彼らは二人とも同じ研究室に所属していた。助手の永田遼子は教授が密かに研究しているらしい神功皇后について独自に調べるうち、歴史を揺るがしかねない記述をある古典籍にみつける。
横浜・レンガ倉庫近くで、OLの涙川紗也は、自分のストーカーだった男の刺殺体を発見。その頃、東海地方は、いつ止むとも知れぬ豪雨に襲われていた。巫女の血を引く辻曲兄妹は、このまったく無関係に思える事象の背後に、古代史上の人物、日本武尊と弟橘媛を巻き込んだ、巨大な陰謀の存在を察知する!
松島、天橋立、宮島。日本三景と呼ばれる名勝が次々と倒壊炎上し、篭神社で神職が惨殺される。高村皇らの最大の仕掛けの始まりだった。神々を鎮めるため、辻曲兄妹と関わりのある女性たちが全国の神社に散る。摩季が亡くなり六日目、「死反術」を執り行う期限も迫る。八年前、天橋立で辻曲夫妻を巻き込んだ大事故の真相とは?これまで日本の怨霊を揺り起こしてきた高村皇の真意が明かされる。
由比ヶ浜で、意識不明の重体で発見された女子高生・辻曲摩季の姿が病院から消失。直後の地震で、鶴岡八幡宮の鳥居が倒壊し、さらに、源氏ゆかりの地・修善寺でも異変が発生。尋常ならざる者の影を感じた摩季の兄姉と友人の陽一は、鎌倉の殺戮史を調べはじめる。果たして、事件と怨霊の関係は? 新シリーズ開幕!
大手町の将門塚に転がる生首、宇治川に浮かぶ首なし死体。貴船神社の釘づけ死体を発端に、京都と東京で続発する怪事件。京都府警が捜査を進める一方で、事件に関わりを持った萬願寺響子は、博覧強記の大学生・漣と将門怨霊伝説の真偽を追って、成田山新勝寺、神田明神へ。歴史の矛盾点から見えてきた、意外きわまりない構図とは?将門怨霊伝説の真実と、奇怪な事件の真相を解き明かす論理と驚きの長編歴史ミステリー!
京都・月読神社で女性の絞殺死体が発見される。翌朝、近隣の松尾大社では女性の兄の死体が鳥居に吊される。事件を取材する小松崎良平は、桑原崇と棚旗奈々が一泊旅行で京都にいると知り、強引に合流する。記紀最大の謎とされる月読命の真の姿とは?渡来人技術集団・秦氏の悲劇とは?崇の推理が冴えわたる待望のQED新作。
シャーロキアンの展覧会に招かれた崇と奈々は、またもや事件に巻き込まれる。参加者の一人、槿遼子が会場である館の二階から墜落。遼子の手にはスミレの花が握りしめられていた。崇は事件の鍵を「紫」と指摘。ホームズと紫式部、物語と現実が綯い交ぜとなって奇想の結末へ。「QEDパーフェクトガイドブック」収録。
都内各地で同時多発的に発生した放火殺人。被害者は全員十六歳で、碑文谷女子大付属高校の一年生だった。辻曲彩音は江戸五色不動が狙われていると気づき、現場へと急ぐ。その彩音を警視庁捜査一課の刑事らが密かに追う。妹・摩季を救える期限まであと二日を切った辻曲兄妹は、再び高村皇との対決を覚悟するが!?振袖火事とも呼ばれる明暦の大火を経た復興都市「江戸」の鎮魂の歴史が明かされる。
薬剤師の早乙女瑠璃は、神風特攻隊の生き残りで祖父の修吉から、『太平記』を渡される。だが、楠木正成に関する部分を読むよう告げた修吉は、何者かに毒を射たれ、瀕死の重体に。事件の背後には秘密結社“南木の会”が。瑠璃は、祖父の命を救うため、元同級生で作家の京一郎とともに、正成の死に纏わる謎を追う!
京都・伏見稲荷大社の境内、千本鳥居に吊るされた四体の遺体が発見された。伏見稲荷の氏子で狐憑きの家筋である樒祈美子は稲荷山の気の乱れを感じ山を巡拝するが、相次ぐ落雷で鳥居が次々と倒れていく。高村皇らの策動を読み取った辻曲彩音たちも稲荷山を目指すが、現れた白狐に行く手を阻まれてしまうー。「お稲荷さん」と親しまれ、日本中で信仰される稲荷神に秘められた、恐るべき真の姿とは!?
広島市内の大学に通う観音崎栞は、実家のある宮島に戻っていた。台風のような烈風や地震など自然災害がつづくなか、神社で相次いで栞の知人が殺害される。「神の島」で起きている異変を知った辻曲彩音らは、怨霊を目覚めさせようと企む者たちの仕業だと感じ、宮島に急行する。突風吹き荒び、大鳥居が揺らぐ嚴島神社に封印された巨大な怨霊は解き放たれるのか?怨霊鎮魂の高田ミステリ、クライマックスへ!
丹後半島で二年前、生薬学者が姿を消した。地域には三百歳の魔女が棲むといわれる洋館があり、首なし死体も発見されている。編集者・西田真規は、薬学の鬼才にして唯我独尊博覧強記の毒草師・御名形史紋、その助手の神凪百合と共に謎を追う。浦島太郎の「玉手箱」とギリシャ神話「パンドラの箱」がリンクする時、真相に繋がる一筋の道が現れる。知的スリルに満ちた歴史民俗ミステリ。
高校生になった天童純は、鎌倉・長谷寺で、死んだはずの水葉に似た少女に遭遇。追いかけるも気を失ってしまう。一方、時を遡って鎌倉時代、刀鍛冶を志す十五歳の王仁丸は、仲間を刑場から救い出しにきた鬼の少女と、その手に携えられた大太刀「鉄丸」を見て、何かとんでもないことが起きる予感に襲われる。