著者 : Mikura
「必ず君を殺してみせる。だから、俺と結婚して」 不老不死の体をもつ魔女ララニカ。彼女は一人、森の奥で暮らしていた。 そんな生活を続け数百年たったある日のこと、ララニカは森で死にかけの少年を拾う。 少年には帰る場所がないようで、「ノクス」と名付け、しばらく面倒を見ることに。 そうして始まった二人の生活。 ノクスは自分を救ってくれたララニカに恋心を抱くようになるが、不死ゆえに置いていかれる悲しみを知るララニカは気持ちを受け取ろうとはしない。 それでも諦められないノクスは悩んだ末に一つの答えを出す。 それはーー「俺がララニカを殺してみせるから、俺と結婚して」というもので……? 驚きつつも方法はないと説得するララニカ。 しかし、ノクスは殺す方法を求めて森の外へ出ていってしまう。 数年後、ララニカのもとに帰ってきたノクスは血と死の匂いを纏う暗殺者へとなっていてーー?
薬屋を営む娘、シルル=ベディートには、他人の頭上にいろんな色の線が見えている。 それを見ればその人の気持ちも未来も知ることができる。白い髪に赤い目という容姿も相まって町で噂の「占い師」扱いされることも多い。だから、巷で一番の美男子で恋多き男、『花の騎士』と謳われるエクトル=アルデルデが、『蝶々さん』と呼ぶ彼の取り巻きの誰にも、実は恋などしていないこと、それどころか女嫌いであるらしいということを知っている。ところが、偶然彼の頭上に不吉な色を見てしまい、思わず助けたことから興味を持たれてしまい、エクトルがシルルの店にお忍びで通ってくるようになる。華やかな顔の陰で、エクトルが実は大きな秘密を抱えていることを知ってしまったシルルは、ある事情により他人と距離を取って生きてきたにも関わらず興味を覚え始める。そんなある日、エクトルの頭上に“恋”の色を見つけてしまう。しかもそれはーー。 占い師と麗しき騎士の不器用な “初恋”ファンタジー!
人ならざる者が見えること以外は普通の少女ちよは、亡き母から教わった薬作りで生活している。そんな彼女の最近の悩みは、四六時中張り付いている陰陽師の霊の存在だ。ずっと無視をしているのに離れない霊にしびれを切らしたちよは、堪らず声をかけ、すぐに己の行動を後悔した。だが、時すでに遅くー。陰陽師の霊にとり憑かれたあげく、勝手に彼の弟子にされたちよは、妖達の騒動に巻き込まれることになり!?薬師の少女と妖達が紡ぐ優しい日々の物語。