ジャンル : ミステリー・サスペンス
黒い噂のつきまとう組織犯罪対策部の秋山は、指定暴力団・舎人組の内通者を疑われ、怒りのあまり上司を殴り飛ばしてしまう。部署内で孤立するなか、出会い系サイトの詐欺について、二課の郷間彩香から相談を持ちかけられてー(「警部補・秋山の場合」)。四人のはぐれ者が捜査の過程で女性刑事と関わり、警察官としての矜持を見つめ直していく。「警視庁捜査二課・郷間彩香」シリーズ短編集!
元科捜研の職員が相次いで死体で発見された。現場の一つから検出されたDNA型は、強制わいせつ事件の元被告人・北村のもの。しかし、捕捉された北村は殺人を認めず「過去のわいせつ事件もDNA鑑定を偽造された冤罪だ」と主張する。彼が提示した証拠は驚くべき事実を示しており、事件は予想外の方向へ向かう。全てを操っていたのは誰なのか。「筋読み」に長けた刑事・飯綱が科学捜査の闇に挑む!
『吸血鬼ドラキュラ』に代表される西洋怪奇小説の紹介と翻訳、洒脱な語り口のエッセーに至るまで、その多才を以て本邦における怪奇翻訳の礎を築いた巨匠・平井呈一。名訳として知られるラヴクラフト「アウトサイダー」ほか、ポリドリ「吸血鬼」、ベリスフォード「のど斬り農場」等この分野のマスターピースたる13篇に、対談やエッセー・書評を付して贈る、怪奇小説読者必携の一冊。
2018年の日本SF短編の精華を収録。今年度版には円城塔、斉藤直子、坂永雄一、三方行成、柴田勝家、高野史緒、田中啓文、飛浩隆、西崎憲、長谷敏司、藤井太洋、古橋秀之、日高トモキチ、水見稜、宮内悠介、宮部みゆきの短編作品のほか、肋骨凹介、道満晴明による漫画も収録。巻末には第10回創元SF短編賞の受賞作と選評を掲載。編者二人による各作品解説や年間日本SF概況、短編推薦作リストなど解説記事も充実した、2018年の日本SFが一望できる年刊ベスト・アンソロジー。
目覚めると、世界は虚空に浮かぶ小島になっていた!しかも人びとはみな記憶を失い、なぜこうなったのかも、自分自身が何者なのかもわからない。唯一の手がかりである謎の地図を頼りに、フォーラーは世界の縁から飛び出し、見わたすかぎりの青空の中を落下してゆく。この下にもあるはずの別の島々を、そして世界激変の謎を解く鍵を目指して…ヒューゴー賞作家の傑作冒険SF!
フォーラーが落ちていった先にはたしかに別の島々があった。だがそこでの思いがけない人々との出会いで、世界の謎はさらに深まってゆく。一方ピーターの世界は、戦争と生物兵器による疫病で壊滅の淵にあった。それらすべてを解決するピーターの夢の新技術はしかし、途方もない事態を招く…。世界激変、自らの過去、フォーラーたちはすべての答を求め、空中世界を落ちてゆく!
英国が誇る秘密情報部で、ある常識外れの計画が持ち上がった。ソ連の重要なスパイで、フランス共産党系労組の大物であるル・シッフルを打倒せよ。彼は党の資金を使い込み、ギャンブルで会計の穴を埋めようとしていた。それを阻止し破滅させるために送り込まれたのは、冷酷な殺人をも厭わない007のコードを持つ男ーージェームズ・ボンド。巨額の賭け金が動く緊迫の勝負の裏でめぐらされる陰謀。007初登場作を新訳でリニューアル!
徳川11代将軍家斉の時代。時の老中・松平伊豆守信明を叔父にもつ、気ままで人懐っこい青年剣士・月影兵庫。彼は叔父の秘命を受けた旅の途中で事件に遭遇する度に、鋭い洞察と上段霞斬りを始めとした武芸を駆使し、解決していく。大雨で足止めを食らった人々が滞在する旅籠で、殺人が起こる「血染めの旅籠」。盗賊が豪商から盗み出した千両箱の在処を探す「偉いお奉行さま」。行方不明だった町一番の美人が、4年ぶりに帰還。それを機に奇怪な殺人が起こる「帰ってきた小町娘」など、傑作17編。
アルマダ工兵によるプラズマ生物“新オルドバン”のローランドレへの輸送は着々と進んでいた。ところが、その途中で突然、輸送コンテナにとりつけられたグーン・ブロックが離脱し、新オルドバンはどこかに姿を消してしまう。これを銀河系船団のテラナーたちのせいだと考えたアルマダ工兵パルウォンドフは、ローランドレをめぐる最終決戦にのぞむべく、おそるべきパラノーマル精神エネルギー、ウェトネスを投入した…!?
クレストらが独断で使用した海底基地の転送機は直後に爆発する。行き先不明のクレストらを探すローダンたちは、ロソシェルの知識によりヴェガ星系のザルディクにもう1台新たな転送機を発見し、それを使用して未知の土地にたどり着いた。その地のフェロン人たちはなぜかいまだに戦争状態にあり、粗野なフェロン人兵士マル=トンらに拿捕されてしまったローダンらは、見知らぬフェロン人同士の戦争に巻き込まれていく…。
横浜の洋菓子メーカー〔ミナト堂〕の父子を誘拐した〔大日本誘拐団〕の実行犯逮捕から間もなく、神奈川県警特別捜査官の巻島史彦は、主犯格と見られる淡野を追っていた。一方、捜査の手をかいくぐって逃げ延びた淡野は鎌倉に潜伏し、警察を出し抜く新たな犯罪計画を立てていたーー。大人気警察小説シリーズ、待望の第3弾。
死体を埋めれば誰にもバレないー野に放たれた殺人者の罪を明らかにし、寂しき行方不明者の捜査をして30年。愛憎も哀しみも嫌らしさも、この鬼刑事の執念が掘り起こす。社会派ミステリーの旗手が挑む初の本格警察小説。
銃を持って押し入ってきた男は、なぜ人質に「憎み合う三人の男たち」の物語を話すのか? 意外な真相が光る「二人の男、一挺の銃」をはじめ、腕利きの殺し屋に次々と降りかかる予測不可能な出来事を描く「残酷」、常連が殺されたコーヒーショップで、ツケをチャラにするため犯人捜しをはじめた詩人が謎解きを繰り広げる、黒い蘭中編賞受賞作「赤い封筒」など9編。『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』で人気を博した、短編の名手のとっておき!
1944年6月6日、ノルマンディーが僕らの初陣だった。コックでも銃は持つが、主な武器はナイフとフライパンだーー料理人だった祖母の影響でコック兵となったティム。冷静沈着なリーダーのエド、陽気で気の置けないディエゴ、口の悪い衛生兵スパークなど、個性豊かな仲間たちとともに、過酷な戦場の片隅に小さな「謎」をみつけることを心の慰めとしていたが……『ベルリンは晴れているか』で話題の気鋭による初長編が待望の文庫化。直木賞・本屋大賞候補作。 *第2位『このミステリーがすごい!2016年版』国内編ベスト10 *第2位「ミステリが読みたい!2016年版」国内篇 *第3位〈週刊文春〉2015年ミステリーベスト10/国内部門 *第154回直木賞候補
北国カーランディア。建国以来、魔法の才をもつカーランド人と、征服民アアランド人がなんとか平和に暮らしてきた。だが、現王のカーランド人虐殺により、平和は消え去った。怒りに燃える大魔法使いが、平和の象徴であった鐘をで打ち砕いたのだ。そして闇の歌い手と魔物をも解き放ってしまった。闇を封じることができるのは、古の魔が歌のみ。著者が二十年間温めてきたテーマを圧倒的なスケールと筆致で送る、本格ファンタジーの金字塔。
〈マル暴〉シリーズ最新刊! 弱腰刑事の相棒は、まさかの警察トップ!? 「俺のこと、なめないでよね」が口ぐせの、史上“最弱”の刑事・甘糟が大ピンチ!? 北綾瀬署管内で起きた半グレ殺人事件の捜査線上に浮かんだ意外な人物。 捜査本部でただひとりその正体を知る甘糟は、現場にふらりと現れる男に翻弄されることにーー。 笑って泣ける痛快〈マル暴〉シリーズ待望の第2弾。 映画化『任侠学園』の阿岐本組の面々も登場! 解説/関口苑生