ジャンル : ミステリー・サスペンス
揚州虐殺のなかを生きた遊女を描いた表題作、満州で巨大熊を捕獲しようとした探検隊が出会った悪夢「烏蘇里羆(ウスリーひぐま)」など全7篇を収録
六年前、武内譲は無差別に二つの家族を惨殺し、凶行の動機を明らかにしないまま拘置所で自殺した。遺族となった栗山香那と進藤小雪は、深い傷を負いながら離れた場で生活していた。二人は事件当時の武内と同じ二十歳になったとき再会する。「事件をあらためて調べよう」と小雪に誘われ応じた香那。真相を追うごとに世代を越えて女性への嫌悪で繋がる男の存在に気づく香那たち。武内が殺人を犯す背景は何だったのか、それに触れたとき二人はー。女性憎悪の闇を追う長篇サスペンス。
「おまえの愛しいその子を奪ってやる」脱獄した女妖がそう告げて姿を消して以来、弥助は養い親である千弥の過保護ぶりに息が詰まりそうだった。命が狙われているのだ、弥助だって怖い。だが、怯えて暮らすのはいやだ。普通の暮らし、妖怪の子預かり屋もやりたい。結界が張られた長屋から出ないことを条件に、千弥もしぶしぶ弥助の願いを聞き入れたが…。大人気シリーズ第八弾。
人気作家が描き出す、五者五様の「父」の姿ー船乗りの父、詐欺師の父、大学教授の父、そして…。「親の心子知らず」というが、子どもの目には見えない父親の本当の姿。その謎が明らかになったとき、あなたはきっと涙なしではいられない。すべての親子に贈る、魅力的な謎と愛すべき父に出会えるとっておきの短編集!
ポイズンヴィルは鉱山会社社長の大物が労働争議対策として集めたギャングたちによって、支配され汚濁に満ちた市(まち)になっていた。その浄化を望む男に呼ばれたコンティネンタル探偵社の私が市に着いた途端に、その男は殺されてしまう。その男の父親である鉱山会社社長がそのまま、市の浄化を私に依頼した! 銃弾飛び交う、血で血を洗う抗争を巧みに利用しながら私は市の毒に挑んだ。ハードボイルドの巨匠ハメットの長編デビュー作を名手の翻訳で。
「継母が父を殺した」再婚してわずか二年。父の死後、遺産とビジネスを継ぎ活躍する継母の姿に、女子高生の瑠璃はそう確信した。彼女は自らの死で罪を告発するため山奥で首を吊ろうと決意するが、訪れた自殺の名所で“幽霊”の裕章と出会った。彼は継母の罪の証拠を見つけようと提案する。期限以内に見つからなければその時死ねばいいと。今日から六日後ーーそれが瑠璃の自殺予定日となった。すべての予想を裏切る、一気読み必至の傑作ミステリ!
ある時は珍獣アカマダラタガマモドキの捜索隊員、ある時は松茸狩りの案内人、ある時は新薬実験モニター、そしてある時は戦隊ショーの怪人役ーーいっぷう変わったアルバイトに明け暮れる名探偵、猫丸先輩が遭遇した五つの事件。猫コンテスト会場での指輪盗難事件と愉快なドタバタ騒ぎを描いた「猫の日の事件」、意外な真相が爽やかな余韻を呼ぶ「たたかえ、よりきり仮面」ほか三編を収録。謎解きの面白さが横溢した著者の真骨頂。
1971年、ソビエト連邦の首都モスクワ。超常諜報戦術開発局に所属するボリス・ドラゴサニはある施設で、機関の長ボロウィッツの命令により、裏切り者の死体に特殊な“能力”を用いようとしていた。一方、英国の炭鉱町に生まれた夢見がちな少年ハリー・キーオウは、ある日を境に突如として数学の才を発揮するようになる。二人にはある共通点があったーーそれは死者、あるいは死体の記憶や能力を自らのものとして活用するという、類い稀且つ恐るべき異能だった! 冷戦下のソ連と英国の間で巻き起こる霊的諜報戦を描いた、〈タイタス・クロウ・サーガ〉の著者を代表する一大伝奇ホラー!
死体そのものから情報や記憶を奪取する死骸検術(ネクロマンシー)を扱うソ連の特殊工作員ドラゴサニは、更なる力を手にするため祖国ルーマニアへ赴き、異形の存在から吸血鬼族(ヴァムフィアリ)の秘密を探り出そうと目論む。そしてイギリスでは、死者の魂と交流することでその能力を身に宿す死霊見師(ネクロスコープ)として覚醒したキーオウが、若くして死んだ母の霊からその死の真相を聞き出し、己の能力を用いて復讐を遂げる決意を固めていた。それぞれの野心と悲願は、やがて英国やソ連の超常能力を用いた情報戦の局面を大きく左右するまでに膨らんでゆく。巨匠ラムレイ渾身の傑作。
第22回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞受賞!!伝説のイベントが書籍化!あなたが探偵になって3つの事件を解決する本。参加型ゲームブックです。
雑誌の編集者経由の依頼で未解決事件を調べはじめたフリーライターの俺・柚木草平。2年前に女子高校生が殺害された事件だ。ボランティアにも参加する真面目な女子生徒に何があったのだろう?しかも調査を始めたとたん、関係者の一人が変死してしまった。依頼人も美女、所轄の女性刑事も美女で、地道に関係者の証言を集めようとする俺を悩ませる。“永遠の38歳”の青春と推理。
綾乃たちが懸命に準備をした生徒会主催の夏至祭は大成功に終わった。ところが夏休みを前に、気になる噂が。群馬県にある五郎丸湖で、ネッシーに似た生物が目撃されているというのだ。二年前に綾乃を襲った首長竜、あれは確かにアロウが倒したはずだ。そんな折、綾乃たちは五郎丸温泉の別荘に招待される…。妖怪と人間が共に学ぶ魔女学校を舞台にした、人気の学園ファンタジイ。