ジャンル : ミステリー・サスペンス
名作揃いのブラウン神父シリーズでも特に傑作が集まっている第三集が、読みやすくなって、新しいカバーでリニューアル! これを読まずしてはブラウン神父は語れないほどの傑作「犬のお告げ」、チェスタトンならではの大胆で奇想天外な密室トリックの名作「ムーン・クレサントの奇跡」、色濃いオカルティズムで後世に多大な影響を及ぼした「金の十字架の呪い」、トリッキーさではシリーズ随一の「翼ある剣」など、珠玉の八編を収録。
1913年オーストラリアの港にたったひとり取り残されていた少女。名前もわからない少女をある夫婦がネルと名付けて育て上げる。そして2005年、祖母ネルを看取った孫娘カサンドラは、祖母が英国、コーンウォールにコテージを遺してくれたという思いも寄らぬ事実を知らされる。なぜそのコテージはカサンドラに遺されたのか? ネルとはいったい誰だったのか? 茨の迷路の先に封印された花園のあるコテージに隠された秘密とは?デュモーリアの後継とも言われる著者のミステリアスで魅力溢れる傑作ミステリ。文庫化!
祖母から英国コーンウォールの崖の上にあるコテージを相続した孫娘カサンドラは、祖母ネルの書き残したノートと謎めいた古いお伽噺集を手に英国に渡る。ネルはなぜ遠い地にコテージを買ったのか? ネルはいったい誰だったのか? 今はホテルとなった豪壮なブラックハースト荘、その敷地のはずれ、茨の迷路の先にあるコテージの手入れを進めるうちに、カサンドラは封印された庭園を見出す。そしてブラックハースト荘の秘密とは……? 解説=川出正樹
ショッピングサイト“ほしがり堂”を経営する深町ユリオ。節操なく色々なモノをほしがり、方々から集めたガラクタ(お宝)をほしい人に売っている。そんな彼はお宝をゲットしに行くと、なぜか必ず事件に巻き込まれてしまう!身元不明のゾンビの死体の謎、ゴミ屋敷に隠された秘密など、ほしがり探偵が苦労人の妹と共に、お宝をめぐる数々の事件に挑む。ポップな連作ミステリ。
人間としての精神を失い、捕食本能に支配された〈餓えた奴ら〉。崩壊しつつある世界で発見された、持たないはずのものをもつ少女メラニー。この奇跡の少女は世界の救世主なのか? 研究基地を襲う大災厄。そして始まる極限の逃避行ーー。戦慄の結末で世界を驚愕させ、カズオ・イシグロmeetsウォーキング・デッドと評された、一気読み必至のエンターテインメント! 七月公開映画『ディストピア パンドラの少女』原作が遂に文庫化。
〈餓えた奴ら〉は身動きせずに立ちつづける。だが獲物の臭いや音、動きを感知するやいなや、時速60マイルで目標に突進するーーただ食べるために。軍事基地から70マイル以上離れた街ビーコンの政府を目指す五人ーー奇跡の少女メラニー、彼女を愛してやまない教師、科学者、軍曹と兵士。かれらが目にするのは、荒廃したイギリスと無数の〈餓えた奴ら〉……。危機また危機の旅路、そして衝撃のラスト。圧巻のエンターテイメント。
ロス市警スコット・ジェイムズ巡査と相棒の雌のシェパード、マギーは、逃亡中の殺人犯を捜索していた。マギーが発見した家の中には、容疑者らしい男が倒れており、さらに大量の爆発物が。同じ頃、同じ住宅街で私立探偵のエルヴィス・コールは失踪した会社の同僚を探す女性の依頼を受けて調査をしていた。スコット&マギーとコール&パイク、固い絆で結ばれたふた組の相棒の物語。
死刑執行前夜、密室状態にあった別々の独房で、二人の囚人はなぜ斬殺されたのかーー。世界各国から集められた死刑囚を収容する特殊な監獄に収監された青年アランは、そこでシュルツ老人と出合う。明晰な頭脳を持つシュルツの助手となって、アランは監獄内で起きる不可思議な事件の数々に係わっていく。終末監獄を舞台に奇想と逆説が横溢する、渾身の本格ミステリ連作集。第16回本格ミステリ大賞受賞作。
義賊、黒のジョーは、伝説の宝石〈エステラの瞳〉を盗もうとして、ギルデアの灰色の騎士に捕らえられてしまう。激しい拷問を受け、地下牢に放り込まれた彼を救ったのは、同じ牢に囚われている不思議な老人だった……。ギルデアと連合国の戦いが激化すなか、世界中で次々と未曾有の嵐が起こる。ギルデアに対抗すべくアトーリスが開発した兵器の影響だった。王子ランドリアは母国の暴走を止めようと奔走するが……。シリーズ第三弾。
オーストラリア推理作家協会賞受賞作 3人の若い女性の失踪事件を調べるシドニー州都警察の刑事フランクとエデン。手がかりは全員がある農場に滞在していたことだった。エデンはおとり捜査官として、80人ほどの犯罪者やならず者が働くその閉ざされたコミュニティに潜り込み、フランクは監視チームの指揮を執ることに。悪人を狩るためなら手段を選ばない美貌の女刑事による、危険と隣り合わせの潜入捜査の行方は──。訳者あとがき=冨田ひろみ
「あなた、父親になるのよ──」それを伝えたくて、わたしは単身ニューヨークからパリへ飛んだ。取材に行ったフリージャーナリストの夫の連絡が途絶えて十日あまり。夫からの手紙には、謎めいた写真が保存されたディスクが。ただの舞台美術家だったわたしは、異邦の地で一人、底知れぬ闇と対峙することに──。世界十六ヵ国で翻訳された、北欧ミステリの新女王のデビュー作! 訳者あとがき=久山葉子
「お馬鹿ファンタジスタ」「ネジの抜け落ちた規格外の頭脳を太い鉄筋でつなぎとめている男」……。白城一馬の変り者の先輩、藍須救武を評する言葉は数あれど、端的に言うならば、まさにこの言葉がふさわしい。すなわち「伝説の不良品」。普段はポンコツな藍須だが、自らの高校で、バイト先のタコ焼き屋で、事件を前にすると名探偵となる?! ミステリーズ!新人賞作家が贈る史上最高?のお馬鹿コンビによる新シリーズ開幕。 「不良品探偵、颯爽登場篇」 「夏休み怪奇特集、みんなでお寺の味噌擂り坊主篇」 「アルバイト番外地・死闘タコやきんちゃん篇」 「マグロの頭で警察署の見学篇」 「アリスとアイス。そして十月の三月ウサギ篇」
その異様な読後感から〈奇妙な味〉と呼ばれる、ジャンルを越境した不可思議な小説形式。本書には当代随一のアンソロジストが選んだ本邦初訳作5篇を含む12篇を収めた。死んだ母親からの晩餐の誘いに応じた兄妹の葛藤を描くファンタスティックな逸品「終わりの始まり」。美しい二頭の犬につきまとわれる孤独な主婦の不安と恐怖を綴った「銀の猟犬」など、多彩な味をご賞味あれ。 クリストファー・ファウラー「麻酔」 ハーヴィー・ジェイコブズ「バラと手袋」 キット・リード「お待ち」 フィリス・アイゼンシュタイン「終わりの始まり」 エドワード・ブライアント「ハイウェイ漂泊」 ケイト・ウィルヘルム「銀の猟犬」 シオドア・スタージョン「心臓」 フィリップ・ホセ・ファーマー「アケロンの大騒動」 ロバート・エイクマン「剣」 G・K・チェスタトン「怒りの歩道──悪夢」 ヒラリー・ベイリー「イズリントンの犬」 カール・エドワード・ワグナー「夜の夢見の川」
「価値のないもの、誰も盗もうとはしないもの」を専門に独占状態で商売してきた怪盗ニックに、まさかのライバルが登場。〈不可能を朝食前に〉をモットーに、早朝にだけ仕事する美貌の女怪盗サンドラ・パリスと、ニックは仕事先で何度も出会い、ときには競い、ときには協力しあう奇妙な間柄になる……。文庫版全集第四弾は本邦初訳6編、単著初収録5編を含む全15編を収録。この本はお値打ちすぎるため、ニックには決して盗めない!?
日比谷公園の鶴の噴水が歌を唄うということですが一体それは真実でしょうかーー昭和九年の大晦日、バーの片隅で交わされる噂話を端緒に、帝都・東京を震撼せしめる一大事件の幕が開く。安南国皇帝の失踪と愛人の墜死に巻き込まれた新聞記者・古市加十と捜査に臨む眞名古明警視、二人を待つ運命や如何に。「小説の魔術師」久生十蘭の代表長編にして、探偵小説史に燦然と屹立する金字塔的作品。新改訂版で、創元推理文庫に遂に登場。
女優を夢見てNYにきたエミリー。念願かなって舞台で脚光を浴びたその晩、忽然と姿を消してしまった。だが、姉のソフィーにはわかっていた。妹は妖精にさらわれたのだ。なぜならソフィーはかつて妖精界を訪れたことがあったから。妹を救い出さなくては。とはいえ、警察は信じてはもらえまい。妹の友人の刑事の追求をかわしつつ、ソフィーは妹を探し始める。『ニューヨークの魔法使い』の著者が贈る、現代のフェアリーテイル開幕。
「高名の依頼人」や「サセックスの吸血鬼」--おなじみベイカー街221Bを訪れる依頼人が持ち込む難事件の数々。『緋色の研究』で颯爽と登場し、たちまち名探偵の代名詞となったシャーロック・ホームズは、4長編56短編で全世界のファンを魅了し、いま鮮やかに退場する。「読者諸君、今度こそほんとうにシャーロック・ホームズともお別れだ!」深町版ホームズ全集、ここに完結。訳者あとがき=深町眞理子/解題=戸川安宣/解説=有栖川有栖
全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性の遺体が、ライプツィヒの貯水池で見つかった。娘の遺体を確認した母ミカエラは、犯人を捜し出し、姉と共に家出したままの妹娘を探し出そうとする。事件を担当する上級警部ヴァルターは、暴走するミカエラに手を焼きつつ調べを進める。一方ウィーンの弁護士エヴァリーンは、女性殺害の嫌疑をかけられた医師の弁護依頼を受けていた。『夏を殺す少女』続編。ドイツで爆発的な人気を博した話題作。