ジャンル : ミステリー・サスペンス
祖母からコーンウォールのコテージを相続したカサンドラは現地へと向かう。1975年に祖母はなぜそのコテージを買ったのか?今はホテルとなった豪壮な屋敷の敷地のはずれ、茨の迷路の先にコテージはあった。そこでカサンドラは、ひっそりと忘れられていた庭園を見出す。封印されていた花園は何を告げるのか?祖母は誰だったのか?デュ・モーリアの後継といわれる著者の傑作。
ショッピングサイト“ほしがり堂”を経営する深町ユリオ。節操なく色々なモノをほしがり、方々から集めたガラクタ(お宝)をほしい人に売っている。そんな彼はお宝をゲットしに行くと、なぜか必ず事件に巻き込まれてしまう!身元不明のゾンビの死体の謎、ゴミ屋敷に隠された秘密など、ほしがり探偵が苦労人の妹と共に、お宝をめぐる数々の事件に挑む。ポップな連作ミステリ。
少女の名はメラニー。大好きなジャスティノー先生と教室で会えるのを心待ちにして、独房で過ごしている。移動は車椅子。兵士に手足と首を厳重に固定されてー。人間の精神を失い、捕食本能だけで行動する“餓えた奴ら”によって滅亡の淵にある世界。メラニーのような奇跡の子供たちに希望を求め、研究が進められていたーその日までは。一気読み必至のエンターテインメント!
軍事基地から脱出し、70マイル以上離れた街ビーコンにある臨時政府を目指すことになった五人ー奇跡の少女メラニー、彼女を愛してやまない教師、科学者、軍曹と兵士。かれらが目にすることになるのは、荒廃したイギリスと、無数の“餓えた奴ら”だった。危機また危機の極限の旅路、そして待ち受ける衝撃のラスト。ページをめくる手が止まらない、圧巻のエンターテインメント!
ロス市警スコット・ジェイムズ巡査と相棒の雌のシェパード、マギーは、逃亡中の殺人犯を捜索していた。マギーが発見した家の中には、容疑者らしい男が倒れており、さらに大量の爆発物が。同じ頃、同じ住宅街で私立探偵のエルヴィス・コールは失踪した会社の同僚を探す女性の依頼を受けて調査をしていた。スコット&マギーとコール&パイク、固い絆で結ばれたふた組の相棒の物語。
死刑執行前夜に密室で殺された囚人、満月の夜を選んで脱獄を決行した囚人、自ら埋めた死体を掘り返して解体する囚人ー世界各国から集められた死刑囚を収容する特殊な監獄で次々に起きる不可思議な犯罪。外界から隔絶された監獄内の事件を、老囚シュルツと助手の青年アランが解き明かす。終末監獄を舞台に奇想と逆説が横溢する渾身の連作長編。第16回本格ミステリ大賞受賞作。
義賊、黒のジョーは、伝説の宝石を盗もうとして、ギルデアに捕らえられてしまう。激しい拷問を受け、地下牢に幽閉された彼を救ったのは、同じ牢に囚われている謎めいた老人だった。ギルデアと連合国の戦が激化するなか、世界中で次々と未曾有の嵐が起こる。ギルデアに対抗すべくアトーリスが開発した兵器の影響だった。王子ランドリアは母国の暴走を止めようと奔走するが…。
3人の若い女性の失踪事件を調べるシドニー州都警察の刑事フランクとエデン。手がかりは全員がある農場に滞在していたことだった。エデンはおとり捜査官として、80人ほどの犯罪者やならず者が働くその閉ざされたコミュニティに潜り込み、フランクは監視チームの指揮を執ることに。悪人を狩るためなら手段を選ばない美貌の女刑事による、危険と隣り合わせの潜入捜査の行方はー。
「あなた、父親になるのよー」それを伝えたくて、わたしは単身ニューヨークからパリへ飛んだ。取材に行ったフリージャーナリストの夫の連絡が途絶えて十日あまり。夫からの手紙には、謎めいた写真が保存されたディスクが。ただの舞台美術家だったわたしは、異邦の地で一人、底知れぬ闇と対峙することにー。世界十六ヵ国で翻訳された、北欧ミステリの新女王のデビュー作!
手遅れ確定のダメ人間、ネジの抜け落ちた規格外の頭脳を太い鉄筋でつなぎとめている男。白城一馬の変わり者の先輩・藍須救武を評する言葉は数あれど、端的に言うならば、「伝説の不良品」だ。普段はしようもないお馬鹿な言動で一馬を振りまわす藍須だが、自らの高校やバイト先でひとたび謎を前にすると謎解きの天才に?!ミステリーズ!新人賞受賞作家による全五篇の連作短篇集。
その異様な読後感から“奇妙な味”と呼ばれる、ジャンルを越境した不可思議な小説形式。本書には当代随一のアンソロジストが選んだ本邦初訳作5篇を含む12篇を収めた。死んだ母親からの晩餐の誘いに応じた兄妹の葛藤を描くファンタスティックな逸品「終わりの始まり」。美しい二頭の犬につきまとわれる孤独な主婦の不安と恐怖を綴った「銀の猟犬」など、多彩な味をご賞味あれ。
価値のないもの専門の怪盗ニックに、まさかのライバル登場!?“白の女王”ことサンドラ・パリスは、“不可能を朝食前に”をモットーに、早朝にだけ仕事をする美女だ。二人はときに競い、ときに協力しながら盗みに挑む。サンドラ初登場短編「白の女王のメニューを盗め」を巻頭に、「ハロウィーンのかぼちゃを盗め」「枯れた鉢植えを盗め」など、本邦初訳の6編を含む全15編を収録。
『日比谷公園の鶴の噴水が歌を唄うということですが一体それは真実でしょうか』-昭和九年の大晦日、銀座のバーで交わされた奇妙な噂話が端緒となって、帝都・東京を震撼せしめる一大事件の幕が開く。絢爛と狂騒に彩られた帝都の三十時間を闊達自在な筆致で活写した、小説の魔術師・久生十蘭の長篇探偵小説。初出誌“新青年”の連載を書籍化、新たに校訂を施して贈る決定版。
俳優を夢見てNYにきたエミリー。念願かなって舞台で脚光を浴びたその晩、忽然と姿を消してしまった。だが、姉のソフィーにはわかっていた。妖精たちが、かつてソフィーに踊りを教えた対価に妹をさらったのだ。とはいえ、警察には信じてもらえまい。親切な刑事の追及をかわしつつ、ソフィーは妹を捜し始める。『ニューヨークの魔法使い』の著者が贈る、現代のフェアリーテイル。
無数の凶兆が世界に顕現し、地獄の扉が開いた。切り裂きジャックやカリギュラら希代の殺人者たちが脱走を始めた時、ただ一人アドルフ・ヒトラーは…表題作「ヒトラーの描いた薔薇」をはじめ、地下に広がる神話的迷宮世界を描いた傑作「クロウトウン」ほか、初期作品から本邦初訳のローカス賞受賞作「睡眠時の夢の効用」まで、アメリカSF界のレジェンドが華麗な技巧を駆使して放つ全13篇を収録した日本オリジナル短篇集。
「高名の依頼人」や「サセックスの吸血鬼」-おなじみベイカー街221Bを訪れる依頼人が持ち込む難事件の数々。『緋色の研究』で颯爽と登場し、たちまち名探偵の代名詞となったシャーロック・ホームズは、4長編56短編で全世界のファンを魅了し、いま鮮やかに退場する。「読者諸君、今度こそほんとうにシャーロック・ホームズともお別れだ!」深町版ホームズ全集、ここに完結。
若い女性の他殺死体が、ライプツィヒの池で見つかった。身元を確認した母ミカエラは、犯人と、殺された姉と一緒に家出した妹娘の行方を捜そうとする。事件を担当する上級警部ヴァルターは、ミカエラの行動に手を焼きつつ調べを進める。一方ウィーンの弁護士エヴェリーンは、女性殺害の嫌疑をかけられた医師の弁護依頼を受けていた。『夏を殺す少女』続編。独で爆発的な人気の話題作。レオ・ペルッツ賞受賞、スコウツ賞犯罪小説部門ヘルツォーゲンタール手錠賞第1位。
新婦とは一番の親友だと思っていたのに。大学の同じグループの女子で、どうして私だけ結婚式に招かれないの…(「届かない招待状」)。環境が変わると友人関係も変化する。「あの子は私の友達?」心の裡にふと芽生えた嫉妬や違和感が積み重なり、友情は不信感へと変わった。「女の友情」に潜む秘密が明かされたとき、驚くべき真相と人間の素顔が浮かぶ、傑作ミステリ短篇集全五篇。
香港で母さんと出会った父さんは母さんをアメリカに連れ帰った。泣き虫だったぼくに母さんが包装紙で作ってくれた折り紙の虎や水牛は、みな命を吹きこまれて生き生きと動きだした。魔法のような母さんの折り紙だけがずっとぼくの友達だった…。ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞という史上初の3冠に輝いた表題作など、第一短篇集である単行本版『紙の動物園』から7篇を収録した胸を打ち心を揺さぶる短篇集。