ジャンル : ミステリー・サスペンス
イホ・トロトとブルーク・トーセンが乗るハルト船は、マークスの宇宙駅であるルックアウト・ステーションを出たあと、ふたたび異質な未知の力に操られていた。どこかでエネルギー渦に落下したのち、巨大な壁の前にたどりつき、そこからさらに、トンネルに似たべつの場所へと誘導されていったのだ。ついに“デポ”に到着したのだろうか?そう考えたかれらの前に、奇妙な鳥生物の群れがあらわれ、船内へと侵入してきた!
ジョナサン・ラデック、帝国近衛隊隊長。皇帝の勅命により任命された最優秀の帝国軍人だ。階級は中佐だが、皇帝以外の何者にも従う義務はない。彼は皇帝の座乗する帝国海軍第4艦隊旗艦“インペリアル・スター”で、最近、不穏な気配を感じていた。艦隊を指揮するハーコフ提督が裏で動いているらしい。そんな折、ラデックは首都惑星エデン・プライムにソフィア皇女を送り届ける任務を命じられるが…熱血戦争SF登場!
ソフィア皇女とエデン・プライムへと向かった旅から五年後…。わし座ゼータ星系にある宇宙ステーションーテラ・ノヴァを入手したラデックは、元帝国軍の兵士仲間と立ち上げた運輸会社ヴァンガード社の最高経営責任者として、多忙な日々を送っていた。辺境星域であるとはいえあまりに頻発する悪質な企業乗っ取りや海賊行為を憂慮したラデックは、暗躍するシンジケート殲滅のため調査を開始するが、やがてその背後に…!?
行方不明者を捜すことになった自称・サイキック探偵の芙二子と、妹の三紅。いなくなった女性の自宅で三紅は、心酔する霊能者に似たクールな男性と出会う。偶然、三紅が神凪というその男の体に触れた瞬間、聴力を失ったはずの右耳から、不思議な声が聞こえてくる。一方で、神凪も見えないはずのモノがー。『強欲な羊』で読者の度肝を抜いた新鋭が、恐怖症をテーマに贈る連作集。
異人キウープは、ローダンの支援をうけて、惑星ロクヴォルトでヴィールス・インペリウムを再建する実験をつづけていた。ロクヴォルトにはサルガ・エーケシュひきいる科学調査団も駐在していたのだが、独立独歩のキウープはだれにも手伝わせようとしないので、ただ見守っているしかなかった。だが、サルガを突然訪ねてきたキウープが、惑星の周回軌道に行く必要があり、その支援のため宇宙船四隻が必要だと要求してきた!
設計技師にして発明家のわが友人ロドリックはある夜、自分は神を殺すことができると語った…。マッド・サイエンティストのあるまじき発明を描いた表題作、死んだ友人の蘇生を奇妙な異星人に託した男たちが目の当たりにした悪夢「ブレイン・レース」、不死の異星人とその秘密を追い求める男との長きにわたる追跡劇「邪悪の種子」など、英国SF界の奇才ベイリーの作品群から、単行本初収録の名品全10篇を収録した傑作選。
「ミステリーズ!新人賞」から、これまで数多くの才能が登場してきた。歴史ミステリの旗手と期待される高井忍。中華ミステリという異色の分野で活躍する秋梨惟喬。コミカルな読み味とトリックの切れが冴える滝田務雄。非凡な発想と構成で読み巧者も唸らせる沢村浩輔。大藪春彦賞受賞をはじめ、破格の評価を受ける梓崎優。新鋭五人の輝かしい出発点となった作品を一冊にして贈る。
昼とは別の姿を見せる真夜中の東京“大都市T”。ある晩の殺人事件をきっかけに、数々の怪事件を解決すべく暗躍する“深夜の市長”の存在を知った僕。果たして彼の正体は?傑作都市ミステリ「深夜の市長」、人間の興奮を測定した“興奮曲線”をめぐる悲劇を描く「キド効果」など11編を収録。日本SFの先駆者の真髄を示す、唯一無二の奇想で彩られた珠玉のミステリ短編集を贈る。
紐結びの魔道師リクエンシス。紐をさまざまに結ぶことで、幸福をからめとるかと思えば、巧みに罠をしかけもする。あるときは腹に一物ある貴石占術師を煙に巻き、あるときは炎と大地の化け物退治に加勢し、またあるときはわがままな相棒の命を救わんとし、果ては写本の国パドゥキア目指し砂漠を横断する。コンスル帝国衰退の時代、紐結びの魔道師の活躍を描く好評シリーズ最新作。
犬そっくりの生き物を育てる三人姉妹の人生をユーモラスに描き、第1回創元SF短編賞佳作となった表題作、郊外のぼろアパートで暮らす人々の可笑しな日常「シキ零レイ零 ミドリ荘」、15人姉妹の家が建つ孤島をある日見舞った異常事態「母のいる島」、ねぶたの街・青森を舞台に時を超えて紡がれる幻想譚「巨きなものの還る場所」など、全5編を収録。第36回日本SF大賞候補作。
ペリー・ローダンの乗る“ダン・ピコット”は、ポルレイターのシュプールを探すため水素惑星EMシェンや火山惑星ヴァルカンでの冒険を終えたあとも球状星団M-3内にとどまっていた。そんなとき、幹部乗員たちが次々と体調の異変を訴えはじめる。アラスカ・シェーデレーアは目眩をおぼえ、グッキーは胃痙攣に苦しみ、ジェン・サリクは集中力の低下を感じていた。その原因は細胞活性装置の不具合によるものらしかった!
未来人がタイム・マシンのテスト用に過去へと送った、いらなくなったおもちゃ箱。それを偶然手にした兄妹の身に起こったこととは…ルイス・パジェットの幻の名作である表題作をはじめ、SF界の大御所ポールの初期の代表作「虚影の街」、異星からの恐るべき侵略を描くブラナーの「思考の谺」など、SF界きっての目利き伊藤典夫が惚れこみ翻訳した傑作の中から、SF評論の第一人者高橋良平が厳選した7中短篇を収録。
総帥ジョン・スノウも列席していた結婚の宴の真っ最中、北の果ての黒の城に“巨人殺しのトアマンド”が野人たちと共に“壁”の向こうから襲撃を開始する。一方ミーリーンには、女王デナーリスと結婚したヒズダール王の招きにて、多くのユンカイ人が和平条約の調印と闘技場見物のため集結していた。その騒ぎのさなか、デナーリスは手のつけられぬ竜たちの様子に危機の到来を予感する…傑作異世界戦史第五部、堂々完結。
アオヤマが理想のコーヒーを探し求めるきっかけとなった女性・眞子。11年ぶりに偶然の再会を果たした初恋の彼女は、なにか悩みを抱えているようだった。後ろめたさを覚えながらも、アオヤマは眞子とともに珈琲店“タレーラン”を訪れ、女性バリスタ・切間美星に引き合わせるが…。眞子に隠された秘密を解く鍵はー源氏物語。王朝物語ゆかりの地を舞台に、美星の推理が冴えわたる!
悲劇の名優・澤村田之助復帰に沸く明治3年、凄惨な連続殺人が歌舞伎界を震撼させる。どうやら河鍋狂斎の描いた幽霊画に、殺人事件の鍵が隠されているらしい。戯作者見習いのお峯はその謎解きに奔走するがー。滅び行く江戸情緒と田之助の姿をお峯の目を通して活写した、第6回鮎川哲也賞受賞作『狂乱廿四孝』。さらに、お峯たちのその後を描いた、未完の『双蝶闇草子』を付す。
ニーナはある早朝、ウクライナ語でわめきながらやってきた老婆にいきなり注射を打たれ、携帯電話を奪われそうになった。そのまま意識を失うが、携帯に録音されていたウクライナ語を手がかりに元FBIのアーロとともに事情を探ると、老婆は亡き母の親友の科学者で、ニーナが打たれた薬剤を巡って政界をも巻き込んだ争奪戦が起きていることを知る。そして、3日以内に解毒剤を打たなければ、自分の命が尽きることも…。解毒剤を探すニーナとアーロに刻一刻と時間は迫りー大好評官能サスペンス第9弾!
廃業した病院にやってくる、十二人の子どもたち。建物に入り、金庫を開けると、中には1から12までの数字が並べられている。この場へ集う十二人は、一人ずつこの数字を手にする決まりだった。初対面同士の子どもたちの目的は、みんなで安楽死をすること。病院の一室で、すぐにそれは実行されるはずだった。しかし、十二人が集まった部屋のベッドにはすでに一人の少年が横たわっていた。彼は一体何者なのか、誰かが彼を殺したのではないか。このまま計画を実行してもいいのか。この集いの原則「全員一致」にのっとり、十二人の子どもたちは多数決を取ろうとする。俊英・冲方丁がデビュー20年目にしてはじめて書く、現代長編ミステリー!性格も価値観も環境も違う十二人がぶつけ合う、それぞれの死にたい理由。彼らが出す結論はー。
必ず解決して、警部のご退職に間に合わせますーとは言ったものの、白石巡査部長は真相解明の糸口を掴めず焦っていた。犠牲者は力士ばかり、現場の共通項から同一犯と思われるが、アリバイと動機を考え合わせても有力な容疑者は浮かんでこない。迫る松谷警部定年の日。現場百遍の教えに従って調べ直す白石が見出した手掛かりとは…。フーダニットの極限に挑むシリーズ第四作。
名探偵帆村荘六、再び帰還!科学知識を駆使した奇想天外なミステリを描いた、日本SFの先駆者と称される海野十三。鬼才が生み出した名探偵が活躍する推理譚から、傑作集第二弾を精選して贈る。密室を自由に出入りし残虐な殺人を繰り返す、稀代の怪人との対決を描く代表作「蝿男」。在原業平の句にちなんだ奇妙な館に潜む恐るべき秘密を暴く「千早館の迷路」など、五編を収録。