ジャンル : ミステリー・サスペンス
ドイツ・ライン河畔に聳える奇城〝髑髏城〟。城の持ち主であった稀代の魔術師マリーガーが、走行中の列車内から身を投げてから十七年が経った。そして今、城を継いだ男が火だるまになって胸壁から転落、凄絶な最期を迎える。魔術師の遺産を共同相続していた富豪から依頼を受けて、予審判事アンリ・バンコランは死の影が漂う城へと捜査に赴く。そこで彼は、ベルリン警察の主任捜査官にして好敵手フォン・アルンハイム男爵と邂逅を果たすーー。古城を舞台に火花を散らす仏独二大名探偵の推理、新訳決定版。解説=青崎有吾
父の衝撃の発表から一週間あまり。とうとうあの人が載った列車が、バックショー仮駅に到着した。みんなで列車を出迎えている折、フレーヴィアは見知らぬ男から父への謎めいた伝言を頼まれる。しかしその直後、男は誰かに押され、列車に轢かれて死んでしまった……。徐々に明らかになる謎めいた言葉の意味、ド・ルース家の秘密。大人気のフレーヴィア・シリーズ、大団円の第六弾。解説=穂井田直美
敵対していた小国の族長がモアン王国を訪れたそのとき、族長とモアン国王を何者かの矢が襲った。どちらも命に別状はなかったが、襲撃がモアン側の陰謀だという相手の主張に、両国は一色触発の危機に陥る。国王は自国の潔白の証明を、妹であり、法廷弁護士、裁判官の資格をもつ修道女フィデルマに託した。だが襲撃者は既に殺され、フィデルマはわずかな証拠をたよりに襲撃に使われた矢の出所と思われる村に向かう。好評シリーズ第七弾。
イムラックの大修道院で大切に保管していた聖遺物が紛失。保管担当の修道士が失踪した。そんなとき、国王と族長襲撃事件の調査にフィデルマが修道院にやってきた。救いの神とばかりに院長は調査を依頼する。聖遺物はモアン王国の宝。襲撃者のひとりが元修道士であったこともあり、ふたつの事件の結びつきを感じたフィデルマは院長の依頼を引き受ける。王国の平和と威信がかかった難事件を、フィデルマは解決することができるのか? 解説=若林踏
扇ヶ谷姫之、朝比奈亜沙日、そしてロシアからの留学生アナスタシア・ベズグラヤは日本史好きの高校2年生。普段からあれやこれやと歴史談義を続ける仲良し3人組。それが嵩じて、歴史雑誌『ジパング・ナビ!』の公募企画に投稿、入選を狙うーー。日本史上の新説・珍説で、有名歴史小説家のサイン本など豪華商品をゲットするのだ! 本能寺の変を裏で操っていたという黒幕の存在、ヤマトタケルと剣の謎、春日局をめぐる大奥の真実など、女子高生“歴女”3人組の新解釈。第2回ミステリーズ!新人賞受賞作家が軽やかな筆致で贈る、連作ミステリ。
あたしが“めまい”に襲われたのは高校のカフェテリア。それがすべての始まりだった。そもそも、タイムトラベラーとして準備をしていたのは、いとこのシャーロットだったのだ。ところが実際に過去に飛んだのは、何の準備もしていないあたし。相棒のギデオンは気絶しそうなほどステキだけど、自信過剰で嫌なやつードイツで大人気のタイムトラベル・ファンタジー三部作、第一弾!
ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、アーサー・C・クラーク賞、英国SF協会賞、英国幻想文学大賞、キッチーズ賞の7冠獲得 二千年にわたり宇宙戦艦のAIだったブレクは、自らの人格を四千人の人体に転写した生体兵器〈属躰〉を操り、諸惑星の侵略に携わってきた。だが最後の任務中、陰謀により艦も大切な人も失う。ただ一人の属躰となって生き延びたブレクは復讐を誓い、極寒の辺境惑星に降り立つ……『ニューロマンサー』を超えるヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞などデビュー長編7冠、本格宇宙SFのニュー・スタンダード登場!
娘の小学校受験が終わったら離婚する。そう約束した仮面夫婦の二人。彼等に悲報が届いたのは、面接試験の予行演習の直前だった。娘がプールで溺れたー。病院に駆けつけた二人を待っていたのは残酷な現実。そして医師からは、思いもよらない選択を迫られる。過酷な運命に苦悩する母親。その愛と狂気は成就するのかー。
ものまね師事件が解決して二カ月、ジャズのもとをニューヨーク市警の刑事が訪れた。21世紀最悪の連続殺人犯である父ビリーに施された殺人者としての英才教育を生かして、ニューヨークで起きている連続殺人の捜査を手伝って欲しいというのだ。渋々同行するジャズ。だが事件を調べるうちに、ものまね師事件との繋がりに気づく。そして被害者の遺体に書かれた〈ゲームへようこそ、ジャズパー〉のメッセージ。大好評のシリーズ第二弾! 解説=穂井田直美
色覚障害者のサイト〈ランボー・クラブ〉。仲間を探す中学生の菊巳が偶然見つけたそのサイトに掲げられた、ランボーの詩。なぜか解読できた原語の詩を読んだ時、彼にあるはずのない、鮮やかな血の色を見た記憶が蘇った。 そして後日、何者かによってその詩が書き換えられ、詩になぞらえた死体が発見された! 色覚障害の少年をめぐる事件の驚くべき真相とは? 鮎川哲也賞受賞作家が贈る、傑作本格ミステリ! 解説=大矢博子 (単行本版タイトル『ランボー・クラブ』改題・文庫化)
坂崎莉実は、父親と二人暮らしの17歳。5月のある朝、父親は「彼女を莉実の名前で病院へ入院させてほしい」という書き置きと見知らぬ少女を残し、姿を消してしまったー。やむなくリミットと呼ぶことになった少女は、莉実が遭遇する奇妙な出来事の謎を、話を聞くだけで見事に解いてしまう。莉実とリミット、二人の少女が送る、謎に満ちたひと月。心温まる、愛らしい連作ミステリ。