ジャンル : ミステリー・サスペンス
修行の旅を続ける毛利玄達だが、剣豪たちの遺した名所旧跡を訪れる度に、なんの腐れ縁か柳生十兵衛と出くわすことに。剣豪にまつわる謎解きも鮮やか、傑作時代ミステリ第二弾。
2014年の日本SF短編から、星野之宣、諸星大二郎、長谷敏司、三崎亜記、円城塔、堀晃、宮内悠介、酉島伝法、草上仁、オキシタケヒコ、矢部嵩、理山貞二、田丸雅智、高島雄哉、下永聖高、遠藤慎一、伴名練の傑作17編を収録。巻末には第6回創元SF短編賞受賞作と選評を掲載。編者による各作品解説や年間日本SF概況、短編推薦作リストなど解説記事も充実した、2014年の日本SFがすべてわかる年刊ベストアンソロジー。
戦が終わり、兄妹を失い虚しさに囚われるマナウィダンを、ダヴェドの若き大公は自らの領地に招く。傷心の英雄を待つ皮肉な運命。神話ファンタジーの金字塔シリーズ第3弾。
テレビのドキュメンタリー制作者のキャサリン。彼女は順風満帆の生活を送っていた。手がけた番組が賞を獲得、夫は優しく、出来がいいとはいえない息子も就職して独立している。だが、引っ越し先で手にした見覚えのない本を開いた瞬間、彼女の人生は暗転した。主人公は自分自身だ。しかもその本は、20年間隠してきた秘密を暴こうとしている! 刊行前に世界25か国で出版決定。今年最大の新人による、一気読み必至の驚異のデビュー作。解説=三橋暁
2002年、シエラレオネで5人の女性が殺害された。元少年兵3人が起訴されるが、記者コニーはイギリス人のマッケンジーを疑っていた。2年後、バグダッドで彼に遭遇したコニーは拉致監禁されてしまう。解放時、彼女はほぼ無傷なうえ曖昧な証言ばかりで監禁中の出来事を警察に話さない。何を隠しているのか? 圧巻の心理描写と謎解きの妙味を堪能できる、英国ミステリの女王による渾身のサスペンス。解説=松浦正人
元刑事の私立探偵バーニーに持ち込まれた女子高生失踪事件。彼は相棒の大型犬チェットと調査を開始した。警察犬訓練所を優秀な成績で卒業…はできなかったが、それでも優秀なチェットは、全力でバーニーをサポートする。チェットが犬の心、犬の視点で語り、全世界の犬好きの心を鷲掴みにした傑作『ぼくの名はチェット』の改題文庫化。本書を読まずして、犬好きと言うなかれ!
レイキャヴィクの湿地にあるアパートで、老人の死体が発見された。侵入の形跡はなし。何者かが突発的に殺害し逃走したらしい。ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人。だが、残されたメッセージが事件の様相を変えた。明らかになる被害者の過去。肺腑をえぐる真相。ガラスの鍵賞2年連続受賞の快挙を成し遂げ、CWAゴールドダガーを受賞した、北欧ミステリの巨人の話題作。
江戸川乱歩の造語である〈奇妙な味〉は、ミステリにもSFにも怪奇小説にも分類不能の、異様な読後感を残す小説を指す。本書には、翻訳アンソロジーの名手が精選した作品──異色作家の埋もれた名作、スタインベックら大家によるユーモア譚、SF界の鬼才の本邦初訳作など18篇を収めた。ひねりの利いたアイデアストーリーから一風変わった幻想譚まで、多彩な味をご賞味あれ。編者あとがき=中村融 ジョン・アンソニー・ウェスト「肥満翼賛クラブ」 イーヴリン・ウォー「ディケンズを愛した男」 シャーリイ・ジャクスン「お告げ」 ジャック・ヴァンス「アルフレッドの方舟」 ハーヴィー・ジェイコブズ「おもちゃ」 ミルドレッド・クリンガーマン「赤い心臓と青い薔薇」 ロナルド・ダンカン「姉の夫」 ケイト・ウィルヘルム「遭遇」 カート・クラーク「ナックルズ」 テリー・カー「試金石」 チャド・オリヴァー「お隣の男の子」 フレドリック・ブラウン「古屋敷」 ジョン・スタインベック「M街七番地の出来事」 ロジャー・ゼラズニイ「ボルジアの手」 フリッツ・ライバー「アダムズ氏の邪悪の園」 ハリー・ハリスン「大瀑布」 ブリット・シュヴァイツァー「旅の途中で」 ネルスン・ボンド「街角の書店」
チャリティイベントの席上、主催の女性が毒入りワインを飲んで死んだ。犯人の標的は被害者当人か、それとも会場を提供したジョシーか。彼女が前の店を辞める原因となった事件で服役していた元上司の出所との関連は? 恋人の警察署長タイが不在のため、ジョシーは単身事件に立ち向かう。満座の中で、いかに犯行はなされたのか。 女性鑑定士が主人公のアンティーク×謎解きシリーズ。訳者あとがき=高橋まり子
ニューヨークで無気力な留学生活を送る恭平と篤郎のもとを、意外な人物が訪ねてきた。メッツで活躍している日本人ピッチャー、進藤だ。高校時代の野球部の後輩である恭平に、チーム内の窃盗事件を解決するために、クラブハウスボーイとして潜入しろという。大量のユニホームや練習着の洗濯や、食事の準備など選手たちの世話に追われる二人だが、プロの世界を垣間見、メジャーリーガーの思いに触れるうちに──。文庫版書き下ろしを一編加えた青春+お仕事ミステリの決定版。元メジャーリーガー・吉井理人氏が、アメリカ時代をリアルに描いた解説付き。 (単行本版タイトル『ボールパークの魔法』を文庫化・改題)
かつてない好景気に沸き続ける、昭和六十年代の札幌・ススキノ。高騰した土地を狙って、手段を選ばない地上げ集団と、それに嘲弄される住人たち。史上最高の日経平均株価が更新された陰で、人生の歯車が狂い始めた証券会社の支店長と企業舎弟の男の運命。キャバレー〈ニュータイガー〉の敏腕黒服・黒頭悠介が出逢う、五つの夜の物語。達意の筆致と抜群のディテールでバブル期のススキノを描きあげる、『夜明け遠き街よ』の続編登場。著者あとがき=高城高