ジャンル : ミステリー・サスペンス
レイキャヴィクの湿地にあるアパートで、老人の死体が発見された。侵入の形跡はなし。何者かが突発的に殺害し逃走したらしい。ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人。だが、残されたメッセージが事件の様相を変えた。明らかになる被害者の過去。肺腑をえぐる真相。ガラスの鍵賞2年連続受賞の快挙を成し遂げ、CWAゴールドダガーを受賞した、北欧ミステリの巨人の話題作。
江戸川乱歩の造語である〈奇妙な味〉は、ミステリにもSFにも怪奇小説にも分類不能の、異様な読後感を残す小説を指す。本書には、翻訳アンソロジーの名手が精選した作品──異色作家の埋もれた名作、スタインベックら大家によるユーモア譚、SF界の鬼才の本邦初訳作など18篇を収めた。ひねりの利いたアイデアストーリーから一風変わった幻想譚まで、多彩な味をご賞味あれ。編者あとがき=中村融 ジョン・アンソニー・ウェスト「肥満翼賛クラブ」 イーヴリン・ウォー「ディケンズを愛した男」 シャーリイ・ジャクスン「お告げ」 ジャック・ヴァンス「アルフレッドの方舟」 ハーヴィー・ジェイコブズ「おもちゃ」 ミルドレッド・クリンガーマン「赤い心臓と青い薔薇」 ロナルド・ダンカン「姉の夫」 ケイト・ウィルヘルム「遭遇」 カート・クラーク「ナックルズ」 テリー・カー「試金石」 チャド・オリヴァー「お隣の男の子」 フレドリック・ブラウン「古屋敷」 ジョン・スタインベック「M街七番地の出来事」 ロジャー・ゼラズニイ「ボルジアの手」 フリッツ・ライバー「アダムズ氏の邪悪の園」 ハリー・ハリスン「大瀑布」 ブリット・シュヴァイツァー「旅の途中で」 ネルスン・ボンド「街角の書店」
チャリティイベントの席上、主催の女性が毒入りワインを飲んで死んだ。犯人の標的は被害者当人か、それとも会場を提供したジョシーか。彼女が前の店を辞める原因となった事件で服役していた元上司の出所との関連は? 恋人の警察署長タイが不在のため、ジョシーは単身事件に立ち向かう。満座の中で、いかに犯行はなされたのか。 女性鑑定士が主人公のアンティーク×謎解きシリーズ。訳者あとがき=高橋まり子
ニューヨークで無気力な留学生活を送る恭平と篤郎のもとを、意外な人物が訪ねてきた。メッツで活躍している日本人ピッチャー、進藤だ。高校時代の野球部の後輩である恭平に、チーム内の窃盗事件を解決するために、クラブハウスボーイとして潜入しろという。大量のユニホームや練習着の洗濯や、食事の準備など選手たちの世話に追われる二人だが、プロの世界を垣間見、メジャーリーガーの思いに触れるうちに──。文庫版書き下ろしを一編加えた青春+お仕事ミステリの決定版。元メジャーリーガー・吉井理人氏が、アメリカ時代をリアルに描いた解説付き。 (単行本版タイトル『ボールパークの魔法』を文庫化・改題)
かつてない好景気に沸き続ける、昭和六十年代の札幌・ススキノ。高騰した土地を狙って、手段を選ばない地上げ集団と、それに嘲弄される住人たち。史上最高の日経平均株価が更新された陰で、人生の歯車が狂い始めた証券会社の支店長と企業舎弟の男の運命。キャバレー〈ニュータイガー〉の敏腕黒服・黒頭悠介が出逢う、五つの夜の物語。達意の筆致と抜群のディテールでバブル期のススキノを描きあげる、『夜明け遠き街よ』の続編登場。著者あとがき=高城高
とびきり善人だが、刑事としての才能はほぼ皆無なウィザースプーン警部補。事件のたび困りはてる主人を放っておけない“名探偵”の家政婦ジェフリーズ夫人をはじめ、彼を慕う屋敷の使用人一同は、秘かに探偵団を結成する。今回警部補が担当するのは、毒キノコによるらしき殺人事件。探偵団は先回りして解決し、主人の手柄にできるのか? 痛快ヴィクトリア朝ミステリ新シリーズ。訳者あとがき=田辺千幸
ジャズは高校三年生。町ではちょっとした有名人だ。ある日、指を切りとられた女性の死体が発見され、ジャズは連続殺人だと保安官に訴える。なぜジャズには確信があったのかー彼が連続殺人犯の息子で、父から殺人鬼としての英才教育を受けてきたからだ。親友を大切にし恋人を愛するジャズは、内なる怪物に苦悩しつつも、自ら犯人を捕えようとする。全米で評判の青春ミステリ。
殺人現場にぽつんと遺されたぬいぐるみ、いったい何を語る?美形の警部・音無美紀の密かな楽しみは、ぬいぐるみを愛でること。愛するぬいぐるみから優れた洞察力で、手がかりを発見する。そして、男勝りの言動の一方で音無にぞっこんの則竹女史、ミステリおたくの江角や若手の桂島など、個性派刑事が脇を固める、“ぬいぐるみ警部”シリーズ連作集第一弾。ファン待望の文庫化。
恩師の葬儀からの帰り道、男たちは酒を酌み交わしながら、かつて図書館の屋上から墜落した友人の死の真相を推理するー幾重もの推理が読者を彼岸へと誘うアンチ・ミステリ「ノヴァーリスの引用」。罠と悪意にからめとられ、極限状態に追い詰められていく少年たちの心理を緻密に描きだした傑作と名高い「滝」。著者のミステリ世界が凝縮された初期の代表作を一冊にまとめて贈る。
ホヤ・ド・アレナ国は、有力貴族の反乱、異種族インビエルノの脅威と、内憂外患を抱えていた。インビエルノの狙いは、女王エリサが彼らの都に赴くこと。そのための人質として愛する近衛師団司令官のヘクトールが連れ去られてしまった。信頼する仲間とともに後を追ったエリサは、愛する人を取りもどすことができるのか?若き女王の運命を描く、異世界ファンタジー三部作完結!
クレア・デウィットはただの女探偵ではない。独特の探偵術を駆使し、巧みに銃を扱い、困難な調査でも決して諦めない。2007年、ハリケーンの傷痕が残るニューオーリンズで、クレアは失踪した地方検事補の捜索を依頼される。洪水で死んだと思われる一方で、嵐のあとに姿を見た者もおり経緯がわからない。真実によって誰かが傷つくこともある。しかし探偵にできるのは、謎を解決し先に進むことだけだ。傷ついた街と人々に寄り添う女探偵の活躍を描く、マカヴィティ賞最優秀長篇賞受賞作。訳者あとがき=高山祥子
後輩アイドルが自殺した。あんなに可愛らしくて、みんなから愛されていたのに……。しかし、沙霧の死を悼む暇もなく、蓮美は激動の渦に巻き込まれる。沙霧のブログに、蓮美のいじめが原因で死ぬとかかれていたのだ。身に覚えのない蓮美は、己の無実を証明するために沙霧の死の真相を追う。「サクリファイス」シリーズの著者が、女たちの葛藤や嫉妬を鮮やかに描き出す!
目を覚ますと見覚えのない土地の草叢で、蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた。仰向けの胸には灰色の猫が座っていて、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と声を出すものだから、驚きが頭を突き抜けた。「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きた。戦争が終わったんだ」猫は摩訶不思議な物語を語り始めるーこれは猫と戦争、そして世界の秘密についてのおはなし。
風ヶ丘高校の旧体育館で、放課後、放送部の少年が刺殺された。外は激しい雨で、密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部部長の犯行だと警察は決めてかかる。卓球部員・柚乃は、部長を救うために、学内一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。アニメオタクの駄目人間に──。“平成のエラリー・クイーン”が、論理に磨きをかけて読者に挑戦! 第22回鮎川哲也賞受賞作、大幅改稿で登場。解説=辻真先
すさまじい魔法嵐を逃れたアーゾウの民は、新たな街ホワイトグリフォンを造ったが、街の統率者に祭り上げられた鷲獅子スカンドゥラノンは、数え切れない雑事にうんざりしていた。そんなある日、ハイリィ帝国の船がホワイトグリフォンの港に入ってきた。彼らの街がハイリィ帝国の領土の聖域権を犯しているというのだ。ヴァルデマール伝説の時代を描く“魔法戦争”三部作第二弾。
ホワイトグリフォンの民を代表し、外交使節の一員としてハイリィ帝国を訪れたスカンドゥラノンは、知性をもつ動物の存在に慣れていないハイリィの人々を驚愕させる。そんななか、宮廷で残忍な殺人事件が起きる。しかも一見すると鷲獅子の仕業らしい。なんとか疑いをはらしたものの、スカンドゥラノンは、監視をうけることになってしまった。犯人の狙いは何か?同盟の行方は?