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基地の島に連なる憎しみと暴力。それはいつか奴らに向かうだろう。その姿を目にできれば全てが変わるという幻の虹の鳥を求め、夜の森へ疾走する二人。鋭い鳥の声が今、オキナワの闇を引き裂く。 2017/05/22 発売
米軍に占領された沖縄の小さな島で、事件は起こった。少年は独り復讐に立ち上がるー悲しみ・憎悪・羞恥・罪悪感…戦争で刻まれた記憶が、60年の時を超えて交錯する。魂を揺さぶる連作長篇。 2017/05/22 発売
「パロディーと戯れるわたしには、モラルも批評精神も皆無だ」(エーコ)。老女たちの性的魅力を綴った手記『ノニータ』、新大陸発見の実況中継、『フィネガンズ・ウェイク』続篇の書評…古今東西の文学作品、映画、取扱い説明書など、変幻自在のパロディー集。「知の巨人」による最高の遊戯的エッセイ。大幅増補「完全版」! 2019/06/06 発売
時を超えて重なり合うどの旅のどこにも、永遠の漂泊者「狩人グラフス」が影を落とす。カフカと同じ旅をした語り手の“私”は、死と暴力の予感におののいて、ヴェローナから逃げ帰る…。さまざまなものや人が響き合い、時間と場所を越えて行き来する。 2020/06/17 発売
忘れ去られた廃墟を甦らせる…しかしそれは、未来の廃墟でもある。“私”という旅人は、荒涼とした風景に思索をめぐらし、破片を拾い上げ、過去の事跡から連想の糸をたぐる。消え去ったさまざまな時間と空間を、いまここに呼び戻している。 2020/07/17 発売
パリでお針子見習いとして働くカミーユ・ドンシューは、ある日、新進画家から「モデルになってほしい」と請われる。彼の名はオスカル=クロード・モネ。やがて二人は愛し合い、運命の荒波に呑まれてゆくーフランス激動の時代に、「印象派」を主導した画家・モネを愛し、支えた、一人の女性の物語。 2020/08/21 発売
1940年初夏、ドイツ軍による首都陥落を目前に、南へと脱出するパリの人々。占領下、征服者たちとの緊迫した日々を送る田舎町の住人たち。それぞれの極限状態で露わとなる市井の人々の性を、透徹した筆で描く傑作長篇。全米100万部、世界350万部のベストセラー。 2020/10/29 発売
荒海での船火事の大惨事後、難破船のマストに立つ若者の姿ー年の頃は18歳、金色と青の刺繍の衣装で、白い腕に剣を高く揚げ振りかざす姿には、驚嘆すべき美しさがあふれていた。純朴な漁師たちは彼にロープを投げ、岸辺に引き寄せようとするが、若者は、近づいてきたガレー船の海賊たちに襲われて、未知の国へと連れ去られてしまう…古代ギリシャの理想郷に躍動する恋と冒険の青春群像。エリザベス女王の廷臣にして文人のシドニーが著した英国ルネサンス期牧歌文学の最高峰。『ニュー・アーケイディア』初の完訳、待望の復刊。 2021/02/26 発売
ロケット開発、IT、天文学、再生医療…。各分野の天才たちが集い、立ち上げた系外惑星移住計画。宇宙船ウラシマに乗り込み、AI「乙姫」とともに1万光年の旅へ。科学の力で数多の苦難を乗り越え、目的の星で彼らが見た景色とはー。 2021/07/30 発売
「これまでと同じ生き方はしたくない」ひょんなことから脚本家として富と名声を得たフリーターを待ち受ける、失墜、逮捕、裏切り…。彼はもういちど立ち上がることができるのか?(『いたずらな運命』)。気が付いたら山の中で一人ぼっち!しかも最後の記憶から20日も経っていたー。アラサー女子が不可解な連続置き去り事件に挑む!衝撃の展開に息もつけない新感覚ミステリ(『置き去り』)。目まぐるしい展開、心揺さぶるラスト。瑞々しい文章が光る新世代の短編小説2篇。 2021/08/03 発売
古代史の謎、皇統の分水嶺となった継体天皇(大王)とは何者だったのか。なぜ継体天皇は皇統を継げたのか、なぜ朝鮮半島との交流に積極的だったのか。大胆な仮説を掲げ、今に連なる天皇系の始祖となった継体天皇の実像に迫る歴史巨編。 2021/12/17 発売
「ひとは自分がどこへ行くのかなんてことを知ってるものでしょうか?」飛躍につぐ飛躍、逸脱につぐ逸脱。主人は聞けるか、ジャックの恋の話ー旅する二人と出会う人びと、首を突っ込む語り手らによる快活、怒濤の会話活劇! 2022/05/02 発売
引きこもりの日々から突然、たった一人の家族である母を亡くした坂本曜。社会生活に無知な彼がとったその後の行動、そして流転の日々-人々のつながりと家族の再生を描いた連作短篇集。 2022/09/07 発売
第二次世界大戦で負けた日本には平穏が訪れた。ぼくは妹を守れなかった後悔と敵国アメリカへの復讐心に苦しんでいた。そんなある日、アメリカ人一家に住居を提供するためにぼくの家族は突然立ち退きを命じられる。ぼくの家に住むアメリカ人の少女へと、復讐の矛先を向けるぼく。しかし、復讐を遂げたぼくを待ち受けていたのは、少女からの手紙と一つの画鋲だった。画鋲に込められた少女の想いとは? 2023/03/01 発売
病に冒されながらもピアノを弾き続けた妻がこの世を去った。シューマンの楽譜の間に短くもあたたかい手紙を残してー。無慈悲な現実の中、明るく生きた家族の物語。第25回日本自費出版文化賞入選、話題作が文庫化。 2023/03/23 発売
「わたしは目が覚めた。そしてそれが夢だったことを知った、すべてが、というわけではないが」『ラナーク』『哀れなるものたち』で知られるスコットランドの伝説的鬼才の短篇集、待望の復刊!ファンタジーとリアリズム、笑いと哀しみ、アイロニーとウィットが混淆する饒舌な物語。作家の手になるイラストも満載。 2024/05/02 発売
英連邦作家賞受賞作品 「ブッカー賞」を受賞した『奥のほそ道』が日本でも大好評を得た、タスマニア出身の鬼才による、「英連邦作家賞」受賞作品。 時代は十九世紀、本書の主人公「ウィリアム・ビューロウ・グールド」はイギリスの救貧院で育ち、アメリカに渡ってから画家オーデュポンから絵を学ぶ。しかし偽造などの罪で、英植民地タスマニアのサラ島に流刑となる。 科学者として認められたい島の外科医ランプリエールは、グールドの画才に目をつけ、生物調査として、彼に魚類画を描かせる。ある日、外科医は無残な死を遂げる。 グールドは殺害の罪に問われ、海水が満ちてくる残虐な獄につながられる。絞首刑の日を待つグールド……その衝撃的な最期とは? 歴史、伝記、メタフィクション、マジックリアリズム、ポストコロニアルなどの趣向を凝らした、変幻自在の万華鏡。奇怪な夢想と驚きに満ちた世界が展開される。 「大傑作」(『タイムズ』)、「『白鯨』の魚版」(『ニューヨーク・タイムズ』)など、世界で絶賛の嵐を巻き起こした、作家の代表作。 色刷り魚類画十二点収録。 2024/06/20 発売