ジャンル : ミステリー・サスペンス
カスとポルは15歳。科学の天才にして商売上手、ルナ・シティでは有名な“悪たれ双子”だ。今回の宇宙旅行でも、何やら大儲けを企んでいるようだ。父親のストーン氏は不安だった。双子だけではない。祖母も母親も姉も末の弟も、いずれ劣らぬ要注意人物なのだ。ただではすみそうにない…かくして、ストーン一家を乗せた“ローリングストーン”号は、波瀾含みの宇宙へ旅立った!
失踪した息子夫婦の捜索を依頼され、わたしは十一月のニュージャージー州を訪れた。土地の名士である父親の話によれば、持ち家を捨て値で処分したのち、二人は一切の連絡を絶っているらしい。残された一枚のメモ用紙には“フリーク”という単語がいくつも書き連ねられていたのだが…。片腕の私立探偵フォーチューンが展開する必死の調査行。正統派ハードボイルドの秀作登場。
「眠そうですね、ケリングさん?」ビターソーンがこちらを見て微笑んだ。マダムの御殿と呼ばれる風変われな美術館、そこで開かれる演奏会へとやってきたのだが、暖かい4月の午後、自然に心も緩んでしまう。けれど微笑み返したその瞬間、眼の前を何か黒いものがよぎった。孔雀と警備員が同時に悲鳴を上げる。今のは…人間?セーラはまたもや事件の渦中にあった。シリーズ第3弾。
仕事がら超常現象の類は信じないハリーだったが、今回興行先のペンシルヴァニアの田舎町でおかしな男に出会った。最近幽霊に悩まされているので調べてみてはくれないか、というのだ。だれかの悪戯かと思いきや、男は翌日、本当にビルから身を投げてしまった。幽霊に怯えて自殺?冗談じゃない!奇術師ハリーの活躍を描く軽快なシリーズ第1弾。
ジョン・ロークは生き別れになった妻子を探して、第3次世界大戦後の荒廃した世界を旅するうち、奇妙な町に行きついた。そこではまるで戦争などなかったかのように、平和そのものの暮らしが営まれていたのだ。店ではごく普通に商品が売られ、ガソリンスタンドではちゃんとタンクを満タンにしてくれる。しかし、どこかが、ほんの少しおかしかった。
ロー・スクール卒業後、わたしウィラはサンフランシスコにある左派の法律事務所に就職した。むろんまずは離婚訴訟に酔っ払い運転の弁護から。だが平凡な日々はすぐ終わりを告げた。眼前で事務所のボスを毒殺されたわたしは、過去に根をもつこの事件の解決へむけ悪戦苦闘することを余儀なくされたのだ。60年代への鎮魂歌を奏でる注目の第二弾。
強制移民たちが送り込まれた惑星ハーヴモーク。人々は4地球年も続く猛暑の夏を避け、季節ごと両極間を移動しながら生き続けてきた。だがこの年かつてない非常事態が発生する。地球人技師クロジックの指揮のもと、彼らは巨大地上車によるコンボイを組み、生存を賭けた惑星縦断の踏破行に出る。が、行く手を阻むのは苛酷な自然ばかりではなかった。
初夏。傷ついた心をたずさえて、わたしはサンタマルゲリータへ帰ってきた。だが待ちうけていたのは、暗黒街の男からの呼び出し状。覚えのないこととてあとまわしにすると、敵は実力行使で召喚に及んだ。いままたここで、何かが動きはじめているのか…?イタリアの街に、山野に、地中海に展開する熾烈なアクション、『傷だらけの挽歌』の続編登場。
思いたってメキシコ旅行に出かけたエイミーとウィルマ。ありふれた旅路となるはずだったが、滞在なかばウィルマがホテルのバルコニーから墜ちて死んでしまう。居合わせたエイミーも、そのときの記憶を欠いたまま失踪。一体そこで何があったというのか?調査の依頼をうけた私立探偵ドッドは失踪人の身辺を探るが…。鬼才が放つ緊迫のサスペンス。
変幻の地。そこは、この世のものならぬ力に支配された場所。その中央に聳える〈超時間城〉こそは、史上最強の魔術師ジェレラクの根拠地である。この城に隠された強大な古の力を手にいれんと、足を踏み入れた者は数知れないが、一人として目的を遂げて帰還した者はなかった…。伝説の騎士ディルヴィシュと、宿敵ジェレラクとの対決の時が迫る。
わたしの名はウィラ。スタンフォードを卒後、ロー・スクールに通う33歳。両親健在。ただし、いまだにヒッピーだけど。まあ、落ちこめばマリファナぐらいやる身としては、文句も言っていられない。こんなわたしがエディターを務める法律評論ーその編集長が、ある日突然殺されてしまった。一体なぜ?自然体のヒロイン、ウィラ・ジャンソン登場。
「ジェイク、あたし脅迫されてるの」そう言って、ラジオのスター歌手ネルは姿を消した。彼女の元恋人を訪ねてみると、出くわしたのは何と相手の射殺体。おまけに、追い討ちをかけるように当の死体が失踪し、ジェイクの困惑は頂点へ…。1930年代のラジオ界を舞台にお馴染みマローン、ジェイク、ヘレンが活躍するユーモア・ミステリ、待望の文庫化。
目的も知らされず、未開の惑星デルマク・Oに送り込まれた14人の男女。使命を告げるはずだった通信はメッセージの受信中に途切れ、やがて一人また一人とメンバーが殺されはじめた…。謎めいた建造物が聳え、物質をコピーする生物が俳徊する、この星に閉じ込められたまま、彼らは狂気に蝕まれてゆくのか。ディックがつむぐ、逃げ道なしの悪夢世界。
訓練中の米空母を鳥の大群が襲った。乗組員は全滅、最新鋭の見えざる戦闘爆撃機が行方不明に。シリーズの棹尾を飾るにふさわしくレモとチウンが凄絶な戦いをくりひろげる。
突然、背中に銃が突きつけられた。今のわたしには、こういうことをされる謂れはない。幸いプロともいえない男だったから、諜報部仕込みの技で叩き伏せ、ポケットを探った。出てきたのは曰くありげな手紙が一通。意味は判じかねたが、銃を持った男を送りこむ輩をこのままににしておけない!陽光きらめくイタリアに展開する哀感のハードボイルド。
ジョン・ロークが命を救った地震学者だという女は、驚くべき情報をもたらした。核戦争の影響で新たな断層が生まれ、フロリダ半島が海に沈もうとしているというのだ。このままでは何百万人ものアメリカ人はもとより、進駐してきたソ連やキューバの将兵も海のもくずと消えてしまう。ロークは第二合衆国政府とソ連軍を一時休戦させようとするが…。
秋風だつバラクラヴァ。早朝から床みがきをしていたローマックス夫人は、猫のエドモンドがくわえてきたものを見て仰天した。アングレー教授ーのかつら!こんなこと教授に知れたら大変だわ。けれどもその心配は無用のものだった。すでにこの時、当人は博物館の裏で冷たくなっていたのだから…。シャンディ教授の名推理が光るシリーズ第四弾。
ここに一人の女がいる。若く美しい娘。身なりも高価そうだ。この娘が気の狂った殺人犯で、目下追われているなどと信じられるだろうか。しかも大戦中、レジスタンスの同志をゲシュタポに売った裏切り者だと?男は、ふとしたことで彼女の車に同乗した。そして、強く彼女に惹かれていくのに気づいた。孤独な男と女の、終わりなき旅がいま始った。