ジャンル : ミステリー・サスペンス
ファルコンズワードを離れ、少年を装って続けていた旅の日々にも、終止符が打たれるときがやってきた。ロミリーは、ソードウーマンの誓いをたて〈剣の姉妹〉のメンバーとなる。そしてカロリン王の女鷹匠として迎えられるが、ハスター家の争いは、超能力兵器をもちいた全面戦争へと向かつつあった。少女の成長を綴ったブラッドリー入魂の大作。
アメリカSF雑誌界に一時代を築いた人気雑誌〈ギャラクシー〉。本書はその創刊30周年を記念して刊行された、ファン注目の短編集の下巻である。編者はかつて2代目編集長を務めた作家フレデリック・ポール。P・K・ディック、I・アシモフ、L・ニーヴン、J・ディプトリー、R・A・ラファティら一流作家の作品を収録し、それぞの著者による〈ギャラクシー〉誌にまつわる覚書を添えた。
エリックたち一行は、貿易船エクスカリバーを拝借し、連邦領タウ・セチへの違法ジャンプを計画する。だが、彼らが実際にジャンプした先は、あろうことか連邦統治領警戒網の外側ー深宇宙に燃えさかるノヴァの真正面であった。この劫火を前に、エクスカリバーには重大な欠損が生じる。さらに、漂流する彼らの眼前に、大宇宙船団が現れたのだ。
ミス・マープルの甥っ子、レスター警部は、季節外れの休暇をとって、南フランスにある山間の田舎町にやってきた。ところが到着早々、買いたてのフェラーリが、盗まれたうえ運転席に死体をのせて崖下で大破しているのが発見される。状況に不審を抱いたレスターは、同じホテルに泊りあわせた伯母を髣髴させるイギリス婦人とひそかに捜査を開始するが、追うほどに事件の根は深く、悲痛なものであることが明らかになっていった!ゴンクール賞作家がグロテスクにしてアラベスクな怪事件の顛末を軽妙かつ重厚に綴るちょっとブラックな傑作ミステリ。
墓碑は断崖の突端に立っていた。銘板には、なぜか自分の名前が刻まれている。没年月日は四年もまえー。不思議な夢だった。そのあまりに生々しい感触に不安をおぼえたデイジーは、偶然知りあった私立探偵ピニャータの助けを借りて、この“失われた一日”を再現してみることにしたが…。アメリカ女流随一の鬼才が、繊細かつ精緻な心理描写を駆使して描きあげた傑作長編の登場。
時に1670年5月、チャールズ2世が英国に帰還して10日後のこと、郷紳ロデリック・キンズミアは遺産請求の件でロンドンに上った。ヨーク・ハウスでバッキンガム公にお目見得のつもりが、一人の竜騎兵の隊長にからまれ、これがもとで殺人事件、はては国家的陰謀に巻き込まれてしまう。見そめた美人女優との逢瀬もままならぬうち、英国国王からフランスに密書を運ぶ役目を仰せつかった彼を待ち受けるものは何か?そして殺人者の正体は?カー,十八番の歴史物。
たがいに反目し合っていた二人の青年、エドウィン・ドルードとネヴィル・ランドレスは、嵐のクリスマス・イヴにエドウィンの叔父ジャスパーの家で仲直りの食事をしていた。その翌朝、甥の姿が見えない、とジャスパーが騒ぎだす。捜索の結果、河の堰でエドウィンの懐中時計が見つかった。彼の身に何が起こったのか?最後まで一緒だったネヴィルに嫌疑がかけられるが、決め手となる証拠はない…。さて、事件の真相は?19世紀の文豪ディケンズが、本格的な推理小説に挑み、志半ばで絶筆となった未完の書。
クリスタル湖キャンプ。20年前、この湖でひとりの少年が溺れてから忌わしい事件が相次ぎ、ある時期からここは閉鎖された。〈血のキャンプ〉そう町の連中は呼んでいる。ところが今年から再会されるという。そして、指導員のバイト高校生たちがやってきた。何も知らずに…。そう、今日は13日の金曜日。不朽の元祖スプラッタ映画完全小説化。
なぜ目覚めたのか、わたしには分からない。蒸し暑い夜だった。やがて目の前の衣装箪笥の扉が開き、中身のない夜会服が滑り出てきた。それは宙を漂い、窓を抜けて外へー。哀しくも恐ろしい表題作をはじめ、〈ゴーメンガースト三部作〉外伝とも言うべき「闇の中の少年」など、想像力の極北をきわめたピークがおくる怪奇と幻想のアラベスク全5編。
コブウェブ・ステーションでは太陽系最大の機密研究が進行していた。敵意を持つ知的生命体を発見するや、急襲し破壊するにたる力を有した人工生命体の開発である。…が、その17体の人工生命体が、研究ステーションを壊滅させ、いずこかへ逃走した!やがて追跡チームが編成される。獲物の暗号名は、“ニムロデ”。新時代の本格派が放つ大型SF。
金色の虹を描いて、白い月光の中を跳ぶ「黄金豹」。宝石を喰い、札束をかすめ、幻のごとく消えてしまう魔豹に、人々は慄然とする。園田家に収蔵された、豹の美術品の数々。「八方にらみの豹」と名付けられた一枚の日本画より抜け出した魔豹は、黒メノウと青ダイヤを嵌めこんだ金の豹を狙って、闇の中をしのびよって来る。
競馬界に復讐を誓う元調教士。彼は富くじ競馬週間をむかえ大いに湧き立つセンチュリ・オークス競馬場の金庫室に唸っている200万ドルを強奪しようと、強盗のプロ4人とヘリの操縦士を仲間に引き入れ,鉄壁な警備体制を誇る新装なった競馬場を襲撃する綿密な現金強奪計画を立てた、だが…!?鬼才D・R・クーンツの筆が冴えるサスペンス巨編!
カル港第一の奴隷商人サモスに会うためヴォスク川をくだるうち、タール・キャボットは見知らぬ部族の戦士たちに取り巻かれ、捕らえられてしまった。戦士たちを率いる美しい娘がタールに迫る、生き恥をさらして奴隷になるか、それとも誇りある死を選ぶかと。迷ったあげくに、タールは奴隷になる道を選んでしまった。誇りを忘れたタールの運命は?
女性ミステリ作家としてすでに確固とした地位を築いたジェシカのもとへ、その知らせはある日、青天の霹靂のようにもたらされた。往年の大歌手であるいとこが、不慮の自動車事故で死亡したというものだ。仰天したジェシカは、とるものもとりあえず、現地ロンドンへと飛んだが…。凋落したミュージック・ホールを舞台に展開する「ミュージック・ホールのジェシカ」、落ち目のテレビドラマをめぐって、俳優、脚本家、ディレクターが虚々実々の駆け引きを繰りひげる殺人劇「ジェシカ、台本を書く」の二篇をおさめた、おなじみのシリーズ第四弾!
あとをつけまわす仮面の男。身に覚えのない脅迫電話。血まみれのベツドから消え失せた娘。そして、不気味なヴードゥー人形は血を滴らせて。憂さ晴らしに、ジャズの街ニューオリンズのカーニヴァル見物にきた中年カメラマン。その仮装パレードの狂騒のさなか、男は除々に追いつめられていく。だが、本当の恐怖はまだ始まってすらいなかった。
季節はずれの奇妙な嵐がヘラーズを揺るがし、雷鳴が不気味に轟く夜、ひとりの赤ん坊が産声をあげた。名はドリリス、アルダラン卿ミカイルのひとり娘である。ドリリスは父の愛を一身に集め、美しく成長する。が、彼女は雷を自由に操る、おそるべきラランの持ち主だったのだ。読者の要望に応え、ついに書き上げた、〈混沌の時代〉のエピソード。
〈塔〉の〈監督者〉レナータの厳しい指導のもと、ドリリスは次第に〈ちから〉をコントロールする術を身につけていった。だが、アルダラン城の平和な日々にも、やがて暗雲がきざしはじめる。やがて、マトリクス技術と超能力のかぎりをつくした、凄絶な戦いの火蓋が切って落とされた。ブラッドリー入魂の力作巨編、いま悲劇のクライマックスへ。
美しい秘書との結婚を夢みる商事会社社長は、逆上した妻を誤って殺してしまった。友人の商業美術家と自分の妹との結婚に反対する売れない絵かきは、泥酔している。その夜、神宮外苑の十字路で二つの運命が交錯した!売れない絵かきと瓜ふたつの私立探偵・南が、運命の糸をあやつり始める!