ジャンル : ミステリー・サスペンス
貴族に生まれながら、生来の身体的ハンデのため士官学校への道を閉ざされた17歳のマイルズ。一度は絶望の淵に立たされた彼だったが、とある事情で旧式の貨物船を入手、身分を偽り、戦乱渦巻くタウ・ヴェルデ星系へと乗り出した。だがさすがの彼も予期していなかった、ぬきさしならぬ状況下で実戦を指揮することになろうとは。卓越したストーリーテリングの大型作家、堂々登場。
オオブタクサなる寄っ怪な有害植物が現われたと聞き、シャンディ教授は英国を訪れた。ところがところが、ブリーフィングと称する退屈な講演の毒気にあてられたか、調査に乗りだしたとたん、いきなり中世ウェールズにタイムスリップしてしまう。起こるはグリフィン失踪、王家の後継争い、挙句のはてには殺人事件!シャンディたちの奮闘ぶりやいかに?とびっきり異色の第5弾。
昔馴染みのランスが現われたのは7月の末。彼は偶然知ったある土地成金を標的に、巧妙な詐欺の手口を案出したらしい。質素で堅実な暮らしを心がける42歳の元詐欺師には縁のない話のはずだった。だが今の私にも夢はある。自分の店を持ちたいという夢が。それを叶えてくれるかもしれないこの話に、心は動いた…!抑制のきいた筆致で描く絶碑妙のコンゲーム。名手初期の秀作。
イギリス情報部を退職したホランドは、目下、クラシック音楽のエージェントとして活躍している。ある日、何者かが彼を毒殺しようと図った。その後、彼は行く先々で命を狙われる。誰が?いったい何の目的で?謎を解く鍵は、六年前、任務を帯びて赴いたプラスにあるらしい。絢爛たる歌劇場やコンサート・ホールを背景に、凄愴なエスピオナージュを描く傑作シリーズ第二弾。
ロサンゼルス空港のギフトショップに勤める普通の女の子と、何の因果か石油王の三男坊として生まれてしまった不運な青年。あまりにかけ離れた世界に住むこの二人が、ある日空港で発覚した殺人未遂事件をきっかけに、悪党どもと壮絶な争奪戦を演じる羽目になる。めざすブツはただひとつー豚の貯金箱。女流サスペンスの名手がユーモアたっぷりに描く、とっておきの冒険物語。
アシモフ自身がでくわした奇怪な人間消失事件を元にした「待てど暮らせど」や、カーに挑戦せんと意気込んで書かれたシリーズ初登場の密室もの「秘伝」など、ご存じブラック・ウィドワーズの面々の侃侃諤諤、喧喧囂囂、甲論乙駁の推理合戦と、名給士ヘンリーの快刀乱麻を断つ解決ぶりが鮮やかな好評連作ミステリ、第5弾登場。
晩秋のグランド郡で同じハイスクールの生徒が3人、相次いで自殺を遂げた。『ニューヨーク・スター』の記者ジョン・ウェルズは単身取材に赴くが、一人娘をやはり自殺という形で喪っている彼には、苦いインタヴューの連続となる。だがそんなウェルズの前に、事件はやがて、意外な真実を明らかにしていった…。敏腕記者の苦汁に満ちた闘いを描く、話題のハードボイルド第一弾。
世界最大のサッカー大会、ワールドカップ。開催国のアメリカは大方の予想を覆して決勝にまで駒を進めていた。だがそんな折りも折り、プロ・ティームのオーナーが競技場内で殺されるという事件が発生する。死体の頭部にはスパイクの跡。スポーツ記者マークは恋人を嫌疑から救うため、真犯人究明に乗りだすが…。あのペレがサッカーへの情熱を謳いあげた、異色のスポーツミステリ。
因習の村に伝わる奇妙な子守唄、その歌詞どおりの連続殺人劇が、通称八馬鹿村と呼ばれる山間の寒村に繰り広げられる。キチガイじゃが、とつぶやく老人、獄門寺や病院坂…横溝正史の作品を彷彿とさせる世界を舞台に、トリックの冴えをみせる「本歌取り」推理長編。ミステリ・ファンの絶賛を浴びた岩崎正吾の処女作であり、ここに「探偵の四季」4部作の幕が切って落とされる。
宇宙人たちによって、中世西欧社会そのままの惑星トランへ送りこまれたアメリカ人傭兵たち。現代兵器で地方王国ドラントスを平定した隊長リックは、今やこの国を統べる大貴族だった。だが惑星全土の政情は不安、緊張状態が増す中、狂僧フラドスが率いる大軍団がトラントスに迫る。死をも恐れず、ドラントスに関わるすべてを抹殺せんとする軍団を相手にリックたちの攻防はなるか。
ヴィースの戦いに勝利をおさめたドラントス・ローマ連合軍。だがこのとき、北方の『五つの王国』でも不穏な動きが起こっていた。名将ストリモン王子率いるタ=メルテモス軍が、ついにドラントス北部の国境を越えたのだ。そして戦いのさなか、リックの妻にしてチェルム領の女領主ティララが、敵の手におちた。アメリカ・ミリタリーSFの第一人者が放つ、人気シリーズ第3弾。
カスとポルは15歳、科学の天才にして商売上手、ルナ・シティでは有名な〈悪たれ双子〉だ。今回の宇宙旅行でも、何やら大儲けを企んでいるようだ。父親のストーン氏は不安だった。双子だけではない。祖母も母親も姉も末の弟も、いずれ劣らぬ要注意人物なのだ。ただではすみそうにない……かくして、ストーン一家を乗せた〈ローリングストーン〉号は、波瀾含みの宇宙へ旅立った! ハインラインの傑作宇宙冒険SF。
失踪した息子夫婦の捜索を依頼され、わたしは十一月のニュージャージー州を訪れた。土地の名士である父親の話によれば、持ち家を捨て値で処分したのち、二人は一切の連絡を絶っているらしい。残された一枚のメモ用紙には“フリーク”という単語がいくつも書き連ねられていたのだが…。片腕の私立探偵フォーチューンが展開する必死の調査行。正統派ハードボイルドの秀作登場。
「眠そうですね、ケリングさん?」ビターソーンがこちらを見て微笑んだ。マダムの御殿と呼ばれる風変われな美術館、そこで開かれる演奏会へとやってきたのだが、暖かい4月の午後、自然に心も緩んでしまう。けれど微笑み返したその瞬間、眼の前を何か黒いものがよぎった。孔雀と警備員が同時に悲鳴を上げる。今のは…人間?セーラはまたもや事件の渦中にあった。シリーズ第3弾。
仕事がら超常現象の類は信じないハリーだったが、今回興行先のペンシルヴァニアの田舎町でおかしな男に出会った。最近幽霊に悩まされているので調べてみてはくれないか、というのだ。だれかの悪戯かと思いきや、男は翌日、本当にビルから身を投げてしまった。幽霊に怯えて自殺?冗談じゃない!奇術師ハリーの活躍を描く軽快なシリーズ第1弾。
ジョン・ロークは生き別れになった妻子を探して、第3次世界大戦後の荒廃した世界を旅するうち、奇妙な町に行きついた。そこではまるで戦争などなかったかのように、平和そのものの暮らしが営まれていたのだ。店ではごく普通に商品が売られ、ガソリンスタンドではちゃんとタンクを満タンにしてくれる。しかし、どこかが、ほんの少しおかしかった。
ロー・スクール卒業後、わたしウィラはサンフランシスコにある左派の法律事務所に就職した。むろんまずは離婚訴訟に酔っ払い運転の弁護から。だが平凡な日々はすぐ終わりを告げた。眼前で事務所のボスを毒殺されたわたしは、過去に根をもつこの事件の解決へむけ悪戦苦闘することを余儀なくされたのだ。60年代への鎮魂歌を奏でる注目の第二弾。
強制移民たちが送り込まれた惑星ハーヴモーク。人々は4地球年も続く猛暑の夏を避け、季節ごと両極間を移動しながら生き続けてきた。だがこの年かつてない非常事態が発生する。地球人技師クロジックの指揮のもと、彼らは巨大地上車によるコンボイを組み、生存を賭けた惑星縦断の踏破行に出る。が、行く手を阻むのは苛酷な自然ばかりではなかった。