ジャンル : ミステリー・サスペンス
レジス・ハスターとルー・オルトンー世継ぎであるがゆえの苦悩と摸索の日々を送る2人。一方、コミンと地球帝国との軋轢は、遠くアルダランの地にその影を落とし始めていた。父ケナードの命により、カエル・ドンに赴くルー。が、そこで彼を待ち受けていたのは、世界の未来を賭した計画であった…。躍動感あふれる、ブラッドリーの最高傑作。
山岳地帯カエル・ドン。ルー・オルトンはベルトランに乞われるまま、〈輪〉の試験にとりかかる。しかし彼らが必要としていた強力なマトリクスとは、ほかならぬ忌わしきシャーラのそれであった…。やがて人々の支配を越え、破壊に目覚めるシャーラ。この危機を回避できるのは、ルー・オルトンただひとりだった。そしておとずれる、壮大な悲劇。
筋骨たくましい犯罪常習者、それがフレディだ。ひと仕事しようとカリフォルニアからマイアミに着いた日に、さっそく空港で若い男の命を奪ってしまう。ホテルの部屋に呼んだ娼婦は、幼いといっていい女子大生で、気の合ったふたりは同棲をはじめる。さあ、腰をすえて稼いでやるぞ…。そんなフレディを追うのは、孤独な中年の刑事ホウクだった。
ライフル銃をかまえたポール・ニキストは、照準器のなかに州知事の姿をとらえた。引き金にかけた指の力を加えていった。銃声がとどろき、州知事が倒れる。だが…事態はポールの予想もしない方向へ進んでいった!マット・ヘルム・シリーズでおなじみのハードボイルド作家ドナルド・ハミルトンが、筆の冴えを遺憾なく発揮した傑作サスペンス。
地球帝国情報局員カーギルのもとに現れた、妹ジュリ。6年前カーギルを裏切り、妹と結婚して以来、消息不明だったかっての同僚ラカール・センサーが、ひとり娘を連れて失踪したという。事件の影に、帝国の“闘争なき支配”に叛旗をひるがえす一団があった…。赤い陽光に照らされた惑星ウルフを舞台に、カーギルの終わりなき追跡行が幕を上げる。
本書はアメリカの人気SF雑誌〈ギャラクシー〉創刊30周年を記念して刊行された、ファン注目の記念碑的短編集の上巻である。編者はかつて2代目編集長を務めた作家フレデリック・ポール、フリッツ・ライバー、ロバート・シェクリー、コードウェナー・スミス、アルジス・バドリスなどの一流作家の作品を発表年代順に収録し、それぞれの著者による〈ギャラクシー〉誌にまつわる覚書を添えた。
合衆国の陸軍基地で奇妙な事件が続発した。何人かの従軍僧が姿を消し、ついで兵士たちがゾンビーと化した。宗教の力でアメリカ軍をわがものにせんとする伝道者とレモの対局。
徹夜の訊問明けに舞いこんだ手紙を読んで、ウェクスフォード首席警部は怒りに震えた。十六年前にヴィクターズ・ピースという名の屋敷で発生した女主人殺し。初めて担当した殺人事件ながら、彼が絶対の自信をもって解決したこの事件に、手紙の主である牧師は真っ向から疑問を投げかけたのだ!過去の殺人をめぐる意外なドラマを鮮やかな筆致で描いた、レンデル初期の傑作長編。
悪徳警官狩りを専門としたデトロイト市警保安特捜隊、人呼んで〈ヘッドハンターズ〉。銀行強盗のショットガンの犠牲となって死んだのはその一員、襲撃したのはヘロイン中毒の黒人三人組だった。数あるヒーロー・ペイパーバックの中でも、極め付けの残酷シーンで知られる本書は、大都市の暗部をハードボイルド・タッチで描破したアクション巨編。
密室状態での恋人の死に始まり、その調査を依頼した素人探偵まで、衆人環視のもとで殺された蓑浦は、彼に不思議な友情を捧げる親友諸戸とともに、事件の真相を追って南紀の孤島へ向かうことになった。だが、そこで2人を待っていたのは、言語に絶する地獄図の世界であった…!『パノラマ島奇談』や『陰獣』と並ぶ、江戸川乱歩の長編代表作。
純日本的な家屋における密室状況下の殺人事件を、心理的盲点を衝いて見事に解決してみせるのが、後にわが国を代表する名探偵といわれるようになった明智小五郎である。本書には、その「D坂の殺人事件」をはじめ、大乱歩の短編における傑作を集大成した。「赤い部屋」「白昼夢」「毒草」「火星の運河」「お勢登場」「虫」「石榴」等全10編を収録した。
地球人技師アンドリュー・カーの搭乗する帝国籍航空機は突然の嵐に遭難、ヘラーズ山脈に墜落する。雪嵐の中、生死の淵をさまよう彼の前に、いざなうように現われる少女の幻影…。その頃、7大家系のひとつ、ライドナウ家のデーモンは、オルトン家の所領へと急行していた。ひとりの〈監視者〉が失踪したというー少女の名を、カリスタといった。
アンという女が殺された。犯人はジェフ・スミスだーそんな匿名の手紙がキングズマーカム署に届いた。ウェクスフォード警部は調査を開始したが、死体さえ発見されない状況に困惑せざるを得ない。本当に殺人はあったのか?混迷する捜査陣の前に、やがて事件は意外な真相を明らかにする!巧みなプロットを駆使した、レンデル初期の傑作長編!
ケイスは、コンピュータ・カウボーイ能力を奪われた飢えた狼。だが、その能力を再生させる代償に、ヤバイ仕事をやらないかという話が舞いこんできた。きな臭さをかぎとりながらも、仕事を引き受けたケイスは、テクノロジーとバイオレンスの支配する世界へと否応なく引きずりこまれてゆく。話題のサイバーパンクSF登場!
犬、猫、駱駝、象、鼬、…。彼らが人を殺してしまったのには、やはりそこにいたるまでの事情というものがあったのです。最新式の養鶏場を舞台に悲劇と狂気が描かれる「総決算の日」、滑稽にしてブラックな、少年の日の物語「ハムスター対ウェブスター」など、13種類の動物たちの物語を収録。毒とユーモアの組み合わせが、ハイスミスならではの独特の妙味を生み出す傑作短編集。
本書には、闇の海から聞こえる奇妙な声が、キノコに覆われたとある島の怪異を語る傑作「夜の声」をはじめ、死の海サルガッソーや海に浮かぶ石の船、さらにはカビに呑みこまれた廃船などにまつわる海洋奇譚全七編に、“カーナッキ”シリーズの先駆「水槽の恐怖」を併録した。
火星開発を司る“カンパニー”は、入植者たちの実情を無視した強引な植民計画を立案した。実施されれば、多数の死者がでることはまちがいない。計画を知ったジムとフランクは、これを阻止せんと奔走し、入植者たちの決起を促す。だがカンパニーの対応は素早く、彼らは学校の建物に追いこまれ、包囲されてしまった!局面打開の方法はあるか?巨匠ハインラインの初期名作登場。
手違いで惑星基地から締めだされた探検隊の一員。融通の利かないロボットを言いくるめなければ命が危うい。彼のとった奇策とは?表題作ほか、気弱な男の突拍子もない人格改造術「コードルが玉ネギに、玉ネギがニンジンに」、大戦以後失われた文学の“記憶”を売る男と村人の交流を描く「記憶売り」など、黒いユーモアとセンチメントが交錯する、奇想作家シェクリーの佳作16編。