ジャンル : ノンフィクション > 文庫(ノンフィクション)
どこまでも続く広大な砂漠の果て、そこには古今東西の知識のすべてが収められ、至りし者が神に等しい力を手にできる図書館があるというー長い旅路の末、たどり着いた旅人がひとり。鎖に縛められたその扉を開かんとする彼に守人は謎をかける。鎖は十本、謎も十問。旅人は万智の殿堂へたどり着けるのか!?知の冒険へ誘う傑作長篇!
人気ファッションデザイナー・尾西香里がこだま車内で殺害された!容疑者として捜査線上に浮上した夫の洋次には、犯行時刻にモデルの愛人・新井江美と密会していたというアリバイが存在した。だがその愛人が香里の告別式席上で毒殺される。二つの殺人事件の裏には、ファッション業界の深い闇が…。愛憎と欲望の迷宮に十津川警部が挑む!
定年まで四年ー。吉岡の希望は、妻の多恵子と共に静かに老いていくこと。ところが、近所の老夫婦が入院したことから、状況が一変。彼らの飼う老猫を巡り、町内は大騒ぎとなる。誰も猫に救いの手を差し伸べようとはしない中、吉岡と多恵子は…。誰もが身につまされる、ユーモアと愛情に満ちた人間ドラマ。文庫書き下ろし。
三十代後半の悠子はアルバイトをしながら原稿を書く駆け出しの作家。仙台を出て東京でひとり暮らしを続けるが、ぎりぎりの生活を送る。そんな彼女の日常は、震災を境に激変した。非常時だとはしゃぐ同僚、思わぬ人からの気遣い、そして故郷の家族の変化。「私は、なぜこんなにもちっぽけなんだろう」過去と未来を見つめた、悠子の変化と決断は。
警察庁の公安秘密組織『十三階』。この組織は国家の異分子を排除するためには、ときに非合法な捜査も厭わない。盗聴、盗撮、身分偽装ー最強のスパイ組織にはなんでもありだ。若き刑事・黒江律子は北陸新幹線爆破テロを起こした『名もなき戦士団』を壊滅させるため、ハニートラップさえ駆使して捜査にまい進する。だが、接触したテロリストを愛してしまったかもしれないー捜査の過程で苦悩する律子は首謀者「スノウ・ホワイト」を逮捕できるのか!?緊迫のスパイサスペンス始動。シリーズ第一弾!
切断された左手が見つかった。その鑑定結果から遺体の場所を突き止めた科学捜査研究所の真野礼二は、幼少期に家族が殺されるという壮絶な過去をもつ。冷静沈着で、鑑定結果が示す客観的真実のみを信じるため、主観や憶測で捜査をする者には容赦なく反論する。とりわけ勘を頼りに捜査するベテラン刑事、虎丸良平とは犬猿の仲だった。新人研究員の沢口ノンナは、そんな二人の板挟みになりながらも事件と真摯に向き合うようになる。実際に起きた事件をベースに、リアリティたっぷりの現場を描いた本格科捜研サスペンス!
女性弁護士・氷見江の専門は危機管理で、彼女の主戦場は法廷ではなくスキャンダルの裏側。社会的窮地にいるクライアントを99.9%の確率で救ってきた天才トラブルシューターであり、必要ならば嘘すら正義に変えてしまう凄腕の「スピン・ドクター」なのだ。とりわけ「危機にある女性の最後の砦」という信念のもと、女性を救うためであれば手段を選ばず、どんな逆境をも覆すことを絶対に諦めない。さまざまなスキャンダルと対峙し、崖っぷちに立たされている女性を救うべく奔走する氷見の姿を描いたノンストップ・エンターテインメント!
「蝶が死んでも、翌年美しくよみがえるように、いつか帰ってきます」。23年前、謎の言葉を残し姿を消した一人の女性。鍾乳洞で起きた殺人事件の容疑者だった彼女は、成長した娘と共に疑いをはらすべく、因縁の地に戻ってきた。だが彼女の眼の前で、再び殺人が起きる。被害者の胸には、当時と同じく、剣のように鋭い鍾乳石が…。迷路のような鍾乳洞で続発する殺人事件の謎を追って、金田一耕助の名推理が冴える!
音楽の神に愛された美青年、矢代俊一。恵まれた家庭、一流大学。その全てを捨て彼が選んだのは、場末のキャバレー。本物の音楽を知りたい、その欲求に突き動かされ演奏する俊一に、暴力団幹部の滝川は魅了される。俊一の音楽がいかに好きかを告白する滝川に、次第に絆されていく俊一。しかし仲間の裏切りにより、俊一は滝川の組からその身を狙われることに。殺せばいいと強がる俊一に、葛藤する滝川は…。青春ハードボイルド。
出世コースからはずされ、鬱々とした毎日を送る太平製鉄不動産の津秋に、うまい話がころがりこんだ。アメリカ系資本の石油会社がガソリン・スタンドの経営者を集めているというのだ。激烈な競争の末、津秋は海岸沿いに設置されたサービス・ステーションのマネージャーに選ばれるがー。ただ一度の人生に賭け、脱サラを目指す男とそれに立ちはだかる組織の厚い壁!サラリーマンの抱えている夢と挫折を描いた会心の長編小説。
この独立は、四五〇〇年前に預言されていたことだー亡国の民・ラガーンの建国宣言は世界中を震撼させた。鷹見はラガーン過激派の襲撃をかいくぐり“バビロン文書”の解読に奔走。彼は一人の天才日本人少女のもとに辿りつく。預言の日が近づく中、鷹見の秘策が世界の運命を決する。物語は今、極限まで加速する!
尾張を半ば手中にした織田信長は、西に境を接する美濃・斎藤義龍との決戦に備えつつあった。戦意高まる家中にあって、柴田権六勝家は微妙な立場にいた。信長と敵対する弟の傳役だったため信用されず、主戦から外されたのだ。勝家に再び、出世の機会は与えられるのか!?働くすべての人が共感必至の大好評戦国絵巻、第二弾。
東京地検特捜部・立花検事に持ち込まれる事件は、傷害や名誉毀損・詐欺・贈収賄・強制わいせつなど多種多様。その中には裏に人生の暗部が広がっているものも数多くあり…。高度成長時代の昭和を舞台に、立花の冷帝な推理が冴え渡る『特捜検事』新編集シリーズ第二弾!
鹿児島県の離島・虫が島沖で、身元不明の死体が六体見つかった。辺野古にかわる基地候補地の極秘調査中だったため、トップシークレットの案件として朝倉に助実が要請されることに。虫が島へ新規の駐在員を装って転任し真相を探る朝倉に、敵意をむき出しにする島の住人たち。次第に朝倉の生命に危険が迫る。大スケールの警察小説、待望の第四弾!
ある晩、夫が急死。これで嫁を卒業できると思いきや、舅姑や謎の女が思惑を抱えて次々押し寄せる。“愛人”への送金、墓問題、介護の重圧…がんじがらめな夏葉子の日々を変えたのは、意外な人物と姻族関係終了届!?婚姻の枷に苦しむすべての人に贈る、人生逆転小説。
女子高生のみほは、幼なじみの明日太郎が親友の久美とつきあいはじめてから、もやもやしてばかり。そんなとき、不思議なパンケーキ屋さんと出会う。くもりの日しか現れず、非処女のお客さんにだけドアベルが鳴るその店には、ポーカーフェイスな店主・まぶと、個性豊かなお客さんたちがいてー。恋と友情に悩むみほの見つけ出した答えと、お店の秘密が胸を甘く焦がす、特別なひと夏の物語。
新宿署の組織犯罪対策課の刑事・宗谷弘樹が拳銃で殺害された。暴力団関係者による犯行が予想されるなか、内部告発により宗谷と新宿署長の来宮の黒い噂が浮び上がってきた。警務部人事一課監察係の新海真人は、先輩係員の神倉とともに、宗谷の周辺の捜査に乗り出す。彼の勤務した警察署をあたるうち、立川署で宗谷に苛められて退職した警官がいることが判明。その男・長渕を訪ねた2人は、意外な事実を知ることになる。
物価が高いと政府批判をしたばかりに、人柱となった妻。わたしは危険を冒し、妻に会いに通うが(「佇むひと」)。美人で上品で、趣味のよい8人の奥様連。しかしその正体は泥棒で(「如菩薩団」)。「子供を誘拐した、300万円を用意しろ」。脅迫電話に取り乱す暢子の家に、前科四犯の強盗がやってきて(「ウィークエンド・シャッフル」)。日常を反転させ、人類の未来に深く斬り込む筒井ワールド。破壊的な笑いに満ちた13作の短篇集。
竹は女の樹だ。細く、風に容易くしなってしまう。けれど、容易く折れはしないー。江戸の片隅の竹林を背負った家で、「闇医者」として子堕ろしを行うおゑん。彼女は、ひたむきに信じた愛や、幼き日より育んだ友情を失い、怒り、惑う女たちに助けの手を差しのべる。いきさつのある女たちの再生を描く、人気シリーズ第二弾。