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病死した母親の後を追う少年の姿を端正な文体で描いた表題作ほか、デビュー作「子供部屋」、教科書の定番作品「あこがれ」「自転車」など全十四編を収める。短篇小説の名手による〈少年〉を主題としたオリジナル・アンソロジー。 【目次】 子供部屋/幼年詩篇(1馬糞ひろい 2父の教え 3あこがれ)/ 子供の墓/自転車/言葉/天使が見たもの/海の子/家族の一員/ 三月の風/みぞれふる空/水にうつる雲/あの夏あの海 〈巻末エッセイ〉父の視線(沢木耕太郎)
自らの扇子を忘れた前座が、楽屋にあった扇子を借りて高座に上がり、『道具屋』を演じている最中、短刀に見立てた扇子の中から血まみれのナイフが現れた!? 表題作「道具屋殺人事件」をはじめ、「らくごのサゲ」「勘定板の亀吉」を収録。 真打ちを目指し、日々修業に励む二つ目の・寿笑亭福の助が、千葉県房総でリハビリ中の師匠・山桜亭馬春の助言を得つつ怪事件に挑む! “落語ミステリ”の異才が放つ珠玉の三編。 解説・宇田川拓也
元モデルで聾唖だという17歳の少女・麻倉瞳が誘拐された。彼女の母親は、評論家デボラ・ヨハンソンの秘書を務めているだけでなく、レズビアンであるデボラのパートナーでもあった。母娘とデボラは同居しており、瞳はデボラのことを「ママ」と呼んでいる。 誘拐犯の要求は、フェミニズムの論客であるデボラに対し「これまでの主張がすべて間違いであったと認め、今後一切の活動を停止しろ」というものであった。出世を拒否し、53歳で警視庁捜査一課のヒラ刑事である真行寺弘道巡査長は、元捜査一課の刑事で現在は杉並署に異動している同期の四竈とともに、捜査を始めるがーー。 「このミステリーがすごい! 2019年版」(宝島社刊)で評論家や翻訳家に注目されたニュータイプの警察小説シリーズ、待望の第3弾!
畿内に勢力を張る三好三人衆を降し、足利義昭を奉じ入京した信長。先鋒を命じられるなど、主の信頼を取り戻しつつある柴田勝家は、家中で存在感を増していく。そんな中、「天下布武」に邁進する軍団長たちに対し、越前の朝倉や本願寺門徒らによる「信長包囲網」が展開されるがー。織田軍団の主導権争い、いよいよ佳境へ!
「魔女狩り板」--それは、とあるインターネット掲示板の通称。そこに集う輩の目的はただ一つ、《ネットリンチ》を楽しむことだ。YouTuberの翼は、そんな《ネットリンチ》に反感を覚えながらも見て見ぬふりを続けてきた平凡な大学生。しかし、オフ会で知り合った女性・香織に弱みを握られ、「魔女狩り板」の中でも、特に悪質なユーザー四名の吊し上げに協力させられることになってしまった。なぜ香織はそこまで《敵》を憎悪するのか。 あなたの気軽なリツイート、それ、訴えられるかもしれませんよ? 現在社会に誕生した「新たな犯罪」に巻き込まれたくなければ、絶対に今作を読んでください。
昭和10年代の東京を舞台にして、ヒロインの起伏にとんだ日々を描いた『浮沈』、浅草の若い女性が逞しく生きる姿を活写した『踊子』。「蟲の声」「冬の夜がたり」「枯葉の記」は、散文詩の如き小品。戦時下に執筆され、終戦直後に発表、文豪の復活を告げた。時代をするどく批判した文学者・荷風による抵抗の文学。
一九七一年、大学の卒業旅行で出会った男女七人がその後も折につけ集い、旧交を温めてきた。銀行員、厚生官僚、新聞記者、商社マン、高校教師、弁護士、メーカー勤務として社会に出た彼らは五十七年後、予想だにしなかった人生を振り返ることにー。2028年の日本を予測し、団塊の世代、彼らに関わるすべての人のゆく先を示す、予測小説のパイオニア堺屋太一の真骨頂!
25年前に家族を殺された主人公は、 真実にたどりつけるのか…? 2019年1月クールの月9ドラマ『トレース〜科捜研の男〜』の後半ストーリーのノベライズ本。この作品は、月刊コミック誌『コミックゼノン』(発行:ノーススターピクチャーズ 発売:徳間書店)で連載中の古賀慶による人気漫画『トレース 科捜研法医学研究員の追想』を原作とした刑事/法医学ものです。 河川敷で死体で発見されたホームレスは、真野礼二の兄・義一と高校時代の同級生だった。 25年前、真野は家族全員が殺された事件の真相に一歩近づくが……いよいよ、物語最大の謎が解き明かされる!
日々、国王が少しでも心やすらかにくつろげるようにと忙しく立ち働くポーラに、ウォルが気晴らしの市内見学を進めた。だが、万が一を心配したウォルは、リィにポーラの護衛を頼みこんだ。「王妃」が「愛妾」を護衛するというデルファニアならではの状況だが、リィはその護衛中にある陰謀を嗅ぎつけるーー。 表題作『ポーラの休日』他、シェラの日常(というにはかなり殺伐観満載だったりするが)の描いた二中篇と短篇を収録。
恋人の浮気発覚でボロボロの陽咲は、その傷を癒してくれたケーキの美味しさに感動し洋菓子店「アルセーヌ」で働くことに。だがこの店、どこか怪しい?ガタイのいい焼き菓子担当、見た目美少女の男子高校生バイト、腕はピカイチだけど口が悪いパティシエの大空と、三人のイケメン店員には、実は“裏稼業”があり…。
ここは“晴太多”。観光地も名物産業もないほぼ限界集落。そんな故郷を再生するため、町役場で働く土方あゆみは、移住希望者を募集する。やってきたのはベンチャー企業の若者、ニートの男、駆け落ちカップルなど、ワケありなはぐれ者たち。彼らが持つ忘れたい過去も心の傷も、優しい笑顔が包み込む。短篇「里帰りはUFO」でを特別収録。
五十歳になっても、人生はいちいち驚くことばっかりー息子は巣立ち、夫と二人暮らし。パート勤務の宇藤聖子がふと手にとったのは六十年前の「女性論」。一見時代遅れの随筆と聖子の日常は不思議と響き合い、思わぬ出会いが次々と…!社会問題を織り込んで、くすりと笑える心地よさ。ミドルエイジを元気にする上質の長編小説。
「必ず戻る」その言葉を残し、仁が京都へと旅立ってから一年半。彼を待ち続けた山田澄香はついに仁を探しに行くことを決意する。だが仁は京都ではなく大阪、それもなぜか大衆演劇一座の賄いを作っていた!?澄香は仁を「おりおり堂」に連れ帰ることができるのか。謎の新キャラも登場しシリーズは新章突入へ。
凄腕スピン・ドクター氷見江の 謎の過去がついに明かされる! 木10ドラマ『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』の衝撃作をノベライズ! 特別な技術と緻密な戦略で、人々の心を動かしてしまう“スピン・ドクター”が、女性弁護士・氷見江の仕事。パワハラ、セクハラ、名誉棄損など、スキャンダルやトラブルを、氷見は見事な情報&印象操作で解決していく。そんななか現れた週刊誌記者・茂呂は、次期総理大臣と噂される政治家・吾妻涼介と氷見との隠された関係を執拗に探る。氷見とともに働くリーガル・チームの面々も彼女の謎めいた“過去”を探ろうとし……最終章で解き明かされる、因縁の事件の真相とは!?
日本ヤクザ史上、最悪の争い「山一抗争」。熾烈化の契機は、四代目山口組・竹中正久組長が一和会系ヒットマンが放った銃弾に倒れた非業の死だ。その仇討ちに執念を燃やしたのが、実弟である竹中武組長だった。一和会会長の命獲りにこだわり、抗争終結を急ぐ山口組を離脱。その後は山口組からの攻撃にさらされながらも、竹中組を死ぬまで守り通した。「ごじゃもん」と恐れられ、山口組が倒せなかったただ一人の男の生涯が鮮やかに蘇る!
闇に生きる死者ーー吸血鬼たちは、大都市の夜にコミュニティーを形成し人に紛れている。六本木の三長老や新宿の女王などの統括の下、時間の流れとは無縁の日々を送っていた。 だが。そのかわらぬ毎日のはずが一変。 ある日、吸血鬼のなかでも極めつけに怠惰な十二が久しぶりに目覚めると、池袋のまとめ役・白猫が失踪するという大事件が勃発していた。秩序の一角が失われたことで、支配地域拡大を目論む若手は暗躍し、日々のモラルも低下。秘された存在である自分たちの正体が広く知られてしまうことを長老たちは危惧していた。 そして十二の元に白猫を訪ねて“人”が現れたことで混乱は激化。十二はその中心におかれてしまった……。 「BBB」のあざの耕平が新たに挑んだ吸血鬼の話とは!
人気作家のサイン本に1冊だけ付いた甘いチョコレートの死香。慰安旅行先の旅館で遭遇したセロリの香りと消えた死体。死香を「食べ物」の匂いに変換する潤平と、分析学のエキスパート・風間は不審な事件を次々と〈嗅ぎ解く〉が、バナナの甘い香り漂う殺人現場で風間に異変が。容疑者の謎の美女に過剰反応し、潤平を初めて現場から遠ざけて? 文庫書き下ろし