ジャンル : ノンフィクション > 文庫(ノンフィクション)
刑事の麦子は、幼少期の「相手の気持ちになって考えなさい」という母の教え通りに人の意識に入り込む能力を身につけていた。その力が原因の一つとなり、田舎の村でしばらく休養することに。村では、行方不明だったある一家の長男の骨が沼で見つかり騒ぎになっていた。自殺と考えられていたが何か不自然に感じる麦子。事件を調べるうちに複雑に絡み合う村の人々の思いに気づきー。予測不可能なラストが待ち受ける長編ミステリー。
辻井未来は、小学2年生の娘・茉優と二人暮らし。モラハラ夫と離婚し、介護センターで派遣のヘルパーをしている。あるとき、ひとり暮らしの利用者の家に、夜中、何者かが侵入するという問題が起きた。同僚ヘルパーの晴馬が暗視カメラを置いてみることを提案。ほどなく犯人は判明し、最先端のAI機器の便利さに触れた未来は、留守番の多い茉優を心配して、自宅にも導入した。しかし、後日、茉優の姿が突然消えたー。現代に潜む、思いがけぬ危険を炙り出す緊迫のサスペンス!
毎朝出社するたびに俺に「好きです」と告白してくる女子社員がいた。新卒同期の彼女の告白がはじまったのは入社二年目の夏。それから五年続いた告白はある日、終わった。彼女が突然亡くなったのだ。その後、俺は彼女の日記を見つける。そして、その日記が書かれた日に「行ける」ことに気づいた俺は、ある決意をする。やがて知る、彼女の真実とは…。はかなく切ない恋愛小説。
京大生になったばかりの“僕”は、町に馴染めず友人もできずにいた。そんなある日、古びた映画館で清家忠昭に出会い、彼のつてで映画撮影所のアルバイトを始める。そこで清家は美しい女性に心奪われる。だが彼女は三十年も前に自殺した大部屋女優だったー。清冽な叙情とたおやかな文章で綴る、幻想的恋愛小説。
新鋭作家、待居涼司の出世作『凍て鶴』の映画化が決まった。監督・脚本に選ばれた奇才・小野川充は、かつて世間を騒がせた自殺系サイトとその主宰者・木ノ瀬蓮美の“伝説の死”に異常なこだわりを見せ、執拗に映画と絡めようとする。一方、小野川に依頼されて蓮美の死の謎に迫り始めたライターの今泉知里は、事件の裏に待居と似た男の存在があると気づきー。予測不能の恐怖が待ち受ける、雫井サスペンスの真骨頂!
ジウ・イーリンに請われ、美術展での鑑定のために円生、小松とともに上海を訪れた清貴。優雅な上海滞在のはずが、突然、菊川史郎からニューヨークにいる葵の隠し撮り写真が送られてきた。史郎は葵の身の安全を条件に、清貴にある絵を盗み出すように言う。清貴は葵のため、そして家頭誠司の汚名を晴らすために立ち上がるー上海とニューヨークをまたにかけた2ヶ月連続刊行、第一弾!
「……あなたは、たいした秘密をお持ちのようだ」人の心の内がわかるかのように偽りを見抜き、『心見{こころみ}の妃』と呼ばれていた後宮の妃嬪、范才人{ルビ:はんさいじん}の亡骸が、後宮で見つかった。第一発見者となった相国{そうこく}の女官吏の陶蓮珠{とうれんじゅ}は、国の平和と彼女自身が胸に隠し続けてきた“秘密”を守るため、彼女の死の真相を探ろうとする。後宮で目撃される范才人の幽霊は、いったい何を語るのかーー。バリキャリ女官と皇帝の弟が、W身代わりの契約結婚!! 大反響の中華ファンタジー待望の第3弾!!
雑貨店を営む鶴田倫太郎、53歳の出会い旅、ふたたび!仕入れで沖縄を訪れた倫太郎。23歳の看護師の相談に親身に乗るや、瞬く間にチン身も乗っかっちゃって!その後、ワケありの地元美人女教師の身の下相談にもバッチリ応えました!お次は北の温泉地に向かい、こけしオナニーの美人女将と情を交わし、本州果ての龍飛岬での出会いから、OL相手に自分が果てる展開に!出会い頭にチン入れと相成る倫太郎の“献身SEX”旅路、書き下ろし長編エロス!!
浅草鳥越明神の参道にある古い茶店に、ある晩、何者かが忍び込み、床下に大きな穴を掘っていった。何も盗まず、ただ穴を掘っただけで茶店を後にした者の目的とは一体何なのか!?報せを受けた北町奉行所臨時廻り同心の白縫半兵衛は、この奇妙な事件の探索に乗り出す。「世の中には知らん顔をした方が良いこともあるさ」と嘯く半兵衛の人情裁きを描く、書き下ろし人気シリーズ第九弾。
反物さえ買えば絶品弁当にありつけると聞き越後屋へ馳せ参じた浅間三左衛門は、元同心の八尾半兵衛と鉢合わせする。食いっぱぐれた三左衛門にさんざん自慢する半兵衛だったが、店で大奥女中と下男の姿を認めるや表情が一変。かつて越後屋を狙った凶賊雨燕が再び蠢き出したのを看破し、危険を顧みず探索に動き始める。一方、越後屋にも言うに言われぬ秘密があったー。日ノ本一の人情小太刀が江戸の悪を迎え撃つ!!話題の新装版、第三弾。
「いろは屋」常連の順次が妹のおけいを連れて店に現れた。「みんな…殺された」。怯えるおけいの口から飛び出した言葉に、主の八雲兼四郎は耳を疑う。聞けば、夫と暮らす江戸郊外の長崎村を血に飢えた浪人集団が襲い、女子供まで容赦なく殺めて居座っているという。町方の手の届かぬ悪を討つ影役目“浪人奉行”を秘かに務める兼四郎は、長崎村の悪鬼を成敗すべく乗り込むも、空前絶後の凶敵を前に窮地に陥る。人気シリーズ、圧巻の第八弾。
遥か難波宮の時代より、大坂の町を守ってきた闇の一族“在天別流”。その長の妹にして男装の美剣士、東儀左近は南河内を目指していた。庄屋の家で見つかった名刀「小竜景光」が四天王寺に預けられることになり、その護衛を依頼されたのだ。だが、庄屋は孫娘とともに惨殺され、刀は無くなっていた。名刀を奪うためなら殺しもいとわぬ非道の賊“猿一味”を左近は追う。すると、伊達家から消失した名物「鶴丸国永」の行方も知れ…。圧巻のラスト、シリーズ史上最高の快刀乱麻がここに!
新時代、明治を迎えた函館。かつて洋船造りの名匠であった続豊治は、いまや一介の仏壇師としてひっそり暮らしていた。そんな豊治のもとを、若き船大工が訪れる。船談義を交わすうちに、豊治の胸が再び奮い立つ/「鳳凰の船」。函館港湾改良工事監督の廣井勇は、弁天台場の解体工事を躊躇していた。旧幕時代の英知を結集して造られた建造物の破壊に、痛みにも似た悲哀を感じとるのだった/「彷徨える砦」。北海道の地で、時代の狭間に生きる人々の機微を見事に掬いとった五編。第7回歴史時代作家クラブ賞受賞作。
十五にして両親を失った結は、長屋で首を括ろうとしたところを元芸者の女髪結い・お夕に救われた。ほかに生きる道のない結は、自らの不器用さを恨みながら、お夕のもとで修業に励む。だが、贅沢を戒めるお上は、女髪結いの取り締まりを厳しくするばかり。はたして師弟は江戸の女の幸せを守りぬけるのか!?
織田信長が本能寺で横死してから十数年後、太閤秀吉が死に、天下はにわかに乱れはじめていた。そんな時世、「本能寺の変で亡くなる間際、信長公は“ぜひに及ばず”と呟いて笑みを浮かべた」という噂が巷に広がりだす。その裏には、本能寺の変に隠された恐ろしい陰謀と太閤亡きあと、天下をうかがう戦国武将たちの策謀が渦巻いていた。歴史小説界の新鋭が放つ衝撃のデビュー作、待望の文庫化。
神田で判評の旨い飯屋「まないた」。お運びをして手伝っている二十歳のおはるはまだまだ半人前だが、店を継ぐ決意は固まった。父・千吉にその覚悟を認めてもらい、少しずつ料理を教えてもらってーしかし、千吉が体を悪くし、独り立ちへの求めはずっと早くに迫ってきた。まず鍋なら店に出せるものも作れるだろうという千吉について、おはるが頑張った結果…。明るいおはるが福を呼ぶ、人気シリーズ第3弾!
臨床心理士の森田奏の周りで突如、奇妙な出来事が起こり始める。「わんこがねぇやに ふたしちゃろ〜♪」奇妙なわらべ歌を口ずさみ、おかしくなった女性、行方不明になった兄弟、そして繰り返される変死…。それらの共通点は心霊スポット“犬鳴トンネル”だった。「トンネルを抜けた先に村があって、そこで××を見た…」突然死した女性が死の直前に残したこの言葉は、一体どんな意味なのか?全ての謎を突き止めるために、奏は犬鳴トンネルに向かう。しかしその先には、決っして踏み込んではいけない、驚愕の真相があった…!
躍進著しいIT企業インアクティヴによる、東洋新聞買収宣告。マスコミの寵児となった会長の轟木は、世論を味方に、役員を切り崩しにかかる。“ウェブファースト”を掲げ、新聞の価値を根底から揺さぶる彼らが、本当に買おうとしているものは何か?社会部デスク安芸と部下たちの、記者魂を懸けた死闘が始まる。
幽霊を見る、聞く、嗅ぐことができる忠次らは、忍び込んだ空き家で父子の幽霊に会う。そこには昔、借金を苦に夜逃げした一家三人が住んでいたというが、ならば母の幽霊は一体どこへ?そして不思議な少女に調子よくついていった仲間の留吉は、川に引きずり込まれてしまいー。少年たちの滑稽さが小気味いい人情怪談。