ジャンル : ノンフィクション > 文庫(ノンフィクション)
幕府艦隊は最新鋭の旗艦・開陽丸の艦長に榎本武揚を抜擢。海軍力で薩長軍を圧倒するも、朝敵とされた徳川慶喜は抗戦に徹しきれず、江戸城は無血開城する。武装解除を逃れた幕府陸軍は、奥羽越列藩同盟への合流を図る。一方、徳川家の海軍となった艦隊を率いる武揚は幕臣の務めを全うせんと苦闘するが…。著者畢生の歴史巨篇を全面改稿した決定版!
押し寄せる西軍の前に奥羽越列藩同盟の雄・仙台藩が降伏、会津は陥落した。榎本武揚は徳川家艦隊を引き連れ蝦夷ガ島に向かい箱館を攻略。英仏米露普を相手に自治州を宣言し、蝦夷共和国を樹立する。だが荒天により開陽丸を喪い、西軍が海峡を突破!五稜郭に拠り奮戦するも、土方歳三は倒れ、武揚は…。全面改稿の決定版、堂々完結。
注文されたお菓子はなんでも作る博多の“和洋”菓子店「お気に召すまま」はサボり癖のある店主・荘介とアルバイト・久美のコンビで今日もほっこり営業中。ある日、荘介を「パパ」と呼ぶ少女とその母親が来店、久美は初めて感じるモヤモヤをもてあます(『クリスマスにはまだ早い』)。少しずつ変わりはじめる荘介&久美の関係から目が離せない!小説家になろう発第1回お仕事小説コングランプリ受賞、「読書メーター」読みたい本ランキング(月間)第1位。大人気の菓子店シリーズ、ますます美味しい第四弾!
青物売りの仙太は働き者だが、喧嘩早い性分が玉に瑕。惚れた娘おすみが、母親の薬代に借りた三十両の借金に困っていると知り、人情質屋と評判の『万屋』へ。主の藤十郎は、あるものを質草にすることを条件に金を貸す。だが、仙太が喧嘩で助けた年寄りが殺されたため、意想外の悪事に巻き込まれ…。盗賊一味と火盗改めが暗躍するなか、敢然と悪に立ち向かう藤十郎の活躍!痛快人情捕物帳。書き下ろし。
父母祖父母の思い出、敗戦後の生活困窮と編集記者稼業、小説家としての出発、常に身近だった病、性の探究、成長期のジャーナリズムにおける活躍と葛藤、「第三の新人」を筆頭とする多彩な交友ー自ら構成したインタビューと対談により文学創造の深淵と作家生活が浮き彫りになる。初の文庫化。
本書の中で心屋が紹介している手法は、世にいうカウンセリングの手法から逸脱したものかもしれません。実際、心屋自身がさまざまな手法を学び、体験する中で大きな変化を遂げてきました。そして、その中で最後に残った心の中の「核」が「怒り」でした。この「怒り」を解放できないかと考えたのですー。人気カウンセラーの名著、待望の文庫化。
幼い頃から勉強はトップクラス、ピアノのコンクールでは何度も入賞を果たすなど“絶対優等生”であり続ける高2の理穂子。彼女は、間もなく取り壊しになる旧音楽室で、コンクールに向けピアノの練習を始めることにした。そこへ不意に現れたのが、謎の転校生・相良。自由でしなやかな感性を持つ彼に、自分の旋律を「表面的」と酷評されるも、以来、理穂子の中で何かが変わっていくー。相良が抱える切ない過去、恋が生まれる瑞々しい日々に胸が熱くなる!
警視庁高井戸警察署の警察官・新海真人は、唯一の家族といってもいい妹を事故で喪った。妹の死因には、現場に居合わせた大学生の友人たちに薬物を飲まされた疑いが持たれていた。だが、彼らが罪に問われることはなく、復讐心を疑われた真人は、その時から密かに監察にマークされるようになる。一方、監視対象の真人にただならぬ関心を寄せる、警視庁監察官の秋月雅子。そして、2人の運命を繋ぐ、悪夢のような事件の幕が開く。
目付・鳥居耀蔵の命を受けた榊扇太郎は、闕所となった蘭方医・高野長英の屋敷から一通の書付を発見する。なんとそこには異国の力で幕府を倒す計画が描かれていた!仇敵を倒そうとする鳥居の陰謀と、大事にしたくない老中水野忠邦の狭間に困惑しながらも、真相究明に乗り出す扇太郎だったが…。
その朝、双子の老姉妹が手に手をとり、崖から飛んだ。疎遠だった子らが葬儀に集い、やがて武家屋敷の床下に隠された四体の遺骨を見つけ出す。これは誰?いつからここに?金貸し一族の淫靡で切ない歴史と、“乙女”のゆがんだ欲望を描き出した、背徳のミステリー。
中国軍が南沙に建設した滑走路が一晩で消滅した。怒る中国はフィリピン軍、その背後に米軍の関与を疑うが、偶然見つかった当時の映像には驚くべきものが映し出されていた。それは、滑走路を攻撃するある戦艦の姿ーしかも日本人なら誰もが知る、だが絶対に“存在しない”戦艦だ。調査を命じられた特殊部隊“サイレント・コア”が見たものは?
南沙に現れ、次々と中国軍を襲撃していた敵戦艦に乗り込んだ“サイレント・コア”司馬三佐たちは、その正体を知る。彼らは、並行世界に存在するーそれも、太平洋戦争を回避したことで、経済力と科学技術を数倍発達させた日本からやってきた者たちだったのだ。なぜ、こちらの世界に干渉してきたのか?歴史を変えかねないこの戦いの行方はー。
中学生の重光ゆかりは、元暴力団組長の九鬼直正からアドバイスを受け、いじめっ子らに立ち向かう。数日後、そのうちの一人が丹沢山中で死体となって見つかった。いじめの報復を疑われたゆかりのため、九鬼は真犯人を探す。一方、政財界の黒幕が殺された事件の真相を追う棟居刑事。二つの事件は、次第にひとつに繋がってー。
三崎皓子、五十一歳。気鋭の経済学者で、テレビのコメンテーターとしても活躍中だ。ある日、明正党の総裁・山城泰三に呼び出され、民間人として金融担当大臣に指名される。就任直後、地方銀行の取り付け騒ぎを鮮やかに解決した皓子は、参院選へ出馬、官房長官に抜擢される。そんななか、山城が病に倒れてー。皓子を待ち受ける運命は?
三二歳独身、派遣社員。婚活も人生も迷走中の山田澄香は、骨董店「おりおり堂」のカフェスペースで口にした料理の味と、料理人・橘仁の男ぶりに心を奪われる。折しも仁が助手を募集中と知り、訪問先で料理を提供する「出張料亭」を手伝うことに。恋愛が苦手な女と硬派すぎるイケメン料理人の二人三脚やいかに?『出張料理おりおり堂』改題。
ケータリング業者の水島健一は何事にも無気力な四十四歳。病死に見せかけ楽に死ねる「薬」の都市伝説に翻弄される人々を横目に、手抜き調理で依頼をこなす日々だ。しかし、生意気な少年・英樹との出会いが健一の料理を変えていく。それと同時に「薬」の噂とも向き合うようになるが…。真摯に生きることを拒んできた大人と、生死をまっすぐに見つめる少年の交流が胸をうつ感動長篇。
母の仇を討ち、横浜に戻った朝丘剛は、マリアが消えたことに大きなショックを受ける。無為な日々を送る剛に声をかけたのは、またしても松任組の組員だった…。異形の強者が集まる「闇試合」。松任組が仕切る秘密の格闘技興行への誘いに乗った剛は、賭け金の舞う流血の真剣勝負に挑む。勝つために非情に徹し、邪拳の様相を帯びる剛の拳。その前に立ちふさがった男とは!
英国でこの世を去った大伯母・玉青から、高級住宅街にある屋敷「十六夜荘」を遺された雄哉。思わぬ遺産に飛びつくが、大伯母は面識のない自分に、なぜこの屋敷を託したのか?遺産を受け取るため、親族の中で異端視されていた大伯母について調べるうちに、「十六夜荘」にこめられた大伯母の想いと、そして「遺産」の真の姿を知ることになりー。
死ぬことを予期していたかのように、夫は家を買った。近所にはお寺があり、それは由緒ある佇まいをしていた。結局、共に暮らすことができないまま逝ってしまった彼が、「帰って」くる。私は、「おかえりなさい」といつものように迎えるが、ある日ー。(「流山寺」)現世と異界が交錯し、あわいにたゆたう、強烈で甘美な想いが、恐怖の調べとなって紡ぎだされる幻想怪奇小説集、全八編収録。