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各企業が車を飾りたてて大阪・御堂筋をパレードーその最中に事件は起った。繊維メーカー・コスモレーヨンが開発した新素材をまとったミス・コスモの梅本観華子が、大観衆注視の中、急死したのだ。胃から青酸化合物が発見され、コスモレーヨンを取材中の浅見光彦が事件にかかわることに。コスモの宣伝部長・奥田とともに観華子の交友関係を調べ出した矢先、第二の殺人が。長篇推理。
「月行てこましたろか」。ひとり六千万円の月旅行に出ることになったご一行様。観光用宇宙船の中で大暴れ、着いた先の月では異星人と最初の接触を取ってしまい、国際問題に発展するがー(「農協月へ行く」)。地殻変動で、日本を除く陸地のほとんどが海没、各国の大物政治家から領土をねだられた日本は(「日本以外全部沈没」)。ほか、「経理課長の放送」「自殺悲願」など痛烈なアイロニーとブラックな笑いに満ちた短篇七作を収録。
新宿の闇金業者殺しの現場から、亀戸で遺体となって発見された少年の指紋が見つかった。SRO室長・山根新九郎は、法歯学の調査により少年の発育に遅れがあったことを知る。同じ頃、東京拘置所特別病棟に入院している近藤房子が動き出す。担当看護師を殺人鬼へと調教し、ある指令を出した。そのターゲットとはー。
渋谷スクランブル交差点でのテロを防ぎ、事件に関わる警察官を大量検挙した「クラン」。しかし、全ての黒幕「神」の魔手は、ついに「クラン」のメンバーへ迫る。次々と消える仲間たち、敵に回る日本警察。絶体絶命の窮地の中、刑事たちに残された秘策とは。最終局面に向け、急加速する戦いを見逃すな。書き下ろしシリーズ第五弾。
香港の暗黒街九龍城砦でストリートファイトに明け暮れる少年・朝丘剛。独力で形意拳の一つ「崩拳」を身につけた剛は、香港に売られて死んだ母の怨みを晴らすため、日本へ密航を図る。船内での労役に耐え、上陸した少年を待っていたのは、横浜中華街の老人・劉栄徳だった。劉より中国武術の極意「功夫」を学んだ剛は、今、復讐の鬼と化す。入魂の格闘小説、待望の新装版!
警察エリート一家で育ち、優秀な兄と比較されながらも地道に事件に向き合う蟻塚博史。六本木で起こった爆破事件では、元暴力団員の単独犯として捜査が進むのを疑問視し、独自の捜査を続けた結果、カジノ法案可決の裏で暗躍する警察上層部に疑いの目を向ける。中心には警備局長の兄の姿が…。
蓋の国を動かすのは、盤戯「天盆」を制した者。人々は立身を目指し研鑽に励むが、長い間、平民から征陣者は出ていない。そんな中、貧しい十三人きょうだいの末子・凡天が激戦を勝ち進みー少年が歴史に挑むとき、国の運命もまた動き始める。圧倒的疾走感で描き出す放熱ファンタジー!
湖から屍蝋が上がったー。小さなバーのママと常連客は、そのニュースに激しく動揺する(「水底の祭り」)。十二年前の夏、不注意から起こった悲劇。大人になり再会した二人は狩りに出た(「風狩り人」)。兄のひと言から、封印された暴力の記憶が甦り…(「鎖と罠」)。初期の傑作を厳選した、文庫オリジナル短篇集。
翔陽大学附属北部病院(翔北病院)の救命救急センターに配属された、藍沢、白石、緋山、藤川の4人のフライトドクター・フェロー。彼らは、指導医・黒田による容赦なく厳しい実地訓練に耐え、個性が強く少々やっかいな患者たちの治療に悩み、奮闘しながら成長していく…。自身の人生と職務のはざまで揺れ動く医療従事者たちの姿を描いた大人気ドラマの1stシーズンのノベライズ。物語は、ここからはじまった!
指導医・黒田が去り、新たに翔陽大学附属北部病院(翔北病院)の救命救急センターに着任した橘のもと、藍沢、白石、緋山、藤川はさまざまな救命現場での経験を積んでいく。そんなある日、急性肺炎で入院し、病室で眠っていた藍沢の祖母・絹江が気になるうわ言を発した…。新たなステージへ向けて、4人のフェローは不安や葛藤を抱えながら自分たちの“道”を探していく。大人気医療ドラマの2ndシーズン。
反社会、テロ、スキャンダル、ユートピアの恐怖と魅惑など、猥褻罪に問われた「サド裁判」当時に書かれた時評含みのエッセイ集。すでに一部の注目を集めはじめていた弱冠三十三歳の気鋭の評論家として、その真髄を示す評論集。時代は安保闘争直後の騒然とした雰囲気に包まれていた。後年とは異なり、時代と対峙する緊張をはらんだ批評が、随所に現れる。
「そこに、死体が沈んでいる」衝撃的な匿名通報が東京水上警察に届く。ガイシャの頭部には、進水式で使う斧が突き刺さっていた。通報発信元は、焼死体を乗せたまま航行する豪華客船セレナ・オリンピア号船内。絡み合う疑惑を乗せて母港に帰還する豪華客船に、熱血刑事・碇拓真が急行する!文庫書下ろし。「新東京水上警察」シリーズ第3作。
札差「佐野屋」から「珠子には商才がある」と熱烈に口説かれて、心がぐらりと揺れる芸者の珠子。その様子を見かけた愛坂桃太郎は、孫の桃子に会えなくなる日が近づいてきたかと思うと、気が滅入ってしまう。そんな桃太郎の心をよそに、桃子はすくすく成長し、桃太郎と「あっぷっぷ遊び」に夢中になる。懸命に真似する桃子に心癒される桃太郎だったが、あっぷっぷのせいで思わぬ危機が訪れる。大人気シリーズ第八弾!
それがしは近山宗太郎。旗本の跡取りであったが、とある事情から白猫姿に身をやつすことになってしまった。元に戻るには百の善行を積まねばニャらぬ。千眼通の福犬騒動に、カラスの濡れ羽色をした黒猫と暮らす浪人、夜な夜な唄って踊る猫の祭りの顛末やいかに!?よろず請け負い稼業“猫の手屋”、世のため人のため、猫の手貸しますー。人気沸騰中のあやかし時代小説シリーズ第四巻。
四宮大学にアメリカから留学生が来ることになった。彼女は十六歳で大学に入った化学の天才エリー。沖野の研究室で天然素材「トーリタキセルA」の全合成に挑むことになるが、天才コンビ沖野&エリーにしても最終段階で合成に失敗してしまう。原因を調べていくと、大学内でのきな臭い事情が絡んでいることが見えてきて?シリーズ初の長編登場。
時は豊臣秀吉の天下統一前夜。肥後国田中城では村同士の諍いの末、岡本越後守と名乗る男の命が奪われんとしていた。だが、そこに突如秀吉軍が来襲。男は混乱に乗じて武器を取り応戦、九死に一生を得る。その戦いぶりにほれ込んだ敵将・加藤清正は、城主の姫を人質に取って越後守を軍門に降らせ、朝鮮の陣に従軍させるがー。
フィジー人、インド人、日本人、中国人…。雑多な人種が陽気に暮らす南国の楽園・フィジー。そんな日常をクーデターが一変させてしまう。観光業が一気に傾斜して国全体が不穏になっていく中、浮き彫りになる民族的な価値観の対立。それは次第に衝突の気配を孕み出してー。幸せの意味を問い続ける著者、渾身の長篇小説。
円山町のラブホテル街で女性の扼殺死体が発見され、渋谷署に特別捜査本部が設置された。警視庁捜査一課の若手刑事・根本恭平は、証券会社に勤める恋人とのデートをキャンセルし、所轄のワケありベテラン刑事とともに聞き込みを始める。被害者は外資系証券会社のキャリアOLであることが判明したが…。現代の矛盾に鋭く斬り込む、名作警察小説。
被害者の周辺を調べる特捜本部の面々。根本らは、キャリアOLの元上司である証券会社専務・柳谷の筋を、古株の大月刑事らは、政治家の塚本周辺と中央電力・大橋常務グループの筋を追う。やがて、銀行も巻き込んだ“不適切な融資”疑惑が浮上してきて…。被害女性の鎮魂のため奔走する刑事たちを描く、渾身の警察小説。