小説むすび | ジャンル : ノンフィクション > 文庫(ノンフィクション)

ジャンル : ノンフィクション > 文庫(ノンフィクション)

ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣いネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い

ぼく達は、幸せになった。 「戯言シリーズ」完結! 言葉ですべてを説明することはできるのか、言葉では何も説明することができないのか。言葉はすべてを意味付けするのか、言葉はすべてから意味を奪うのか。ありとあらゆる森羅万象はいずれ形骸化し、崩壊していく。いつも見えていたはずのものはいずれ見えなくなり、いつかつかんだはずのものはいつの間にか手の内から滑り落ちている。確かなものは何もなく、不確かなものさえ何もなく、根こそぎ総じて夢だったかのように、根こそぎ総じて現実だったかのように、だけど頼りなく折れた柱はそれでも林立し続け、観客が一人もいない舞台で、それでも風車はくるくると回り続ける。今までずっと偽りを偽り続けてきた不誠実な戯言遣い、つまりこのぼくは、11月、最後の決断を下すことになる。それは決断であり、決意であり、そして決別だった。何も得ることなく生きてきたぼくは、すべてを失うことになる。言葉以外のすべてを、失うことになるーー戯言シリーズ第6弾 第十七幕 長いお別れ 第十八幕 終わらない続き 第十九幕 最終時刻 第二十幕 正義の味方 第二十一幕 家 第二十二幕 ちるちるちぎる 第二十三幕 物語の終わり 終  幕 それから

ネコソギラジカル(中) 赤き征裁vs.橙なる種ネコソギラジカル(中) 赤き征裁vs.橙なる種

けれどーーもうおしまいだ。 「戯言シリーズ」最終章! なんだかんだ言いながらも始まってしまえば我慢できるし、四の五の言っても終わってしまえば耐えられる。しかし人間は中途半端な中庸だけは我慢することができないし、勿論耐えることもできなくて、それなのに人生ときたら最初から最後まで永遠に続く中だるみみたいなものだから、これはもうまったくもってやってられないと言うべきだ。ひとたび口にしたことは、それがどんな荒唐無稽な世迷事であったとしてもひとつ残らず実行してきた誠実な正直者、つまりこのぼくは、10月、数々の人死にを経験する。奪われたものを取り戻すような勢いで、せき止められたものを吐き出すような勢いで、死んで、死んで、みんな死ぬ。それは懐かしい光景であり、愚かしい光景であり、見慣れた風景であり、見飽きた風景だった。結局、終わりとはなんだったのか。結局、始まりとはなんだったのか。戯言遣いはその程度のことにさえ思い至らず、しかしどうしようもない戦いだけはどうしようもなく続き、そして中断などありうるはずもなくーー戯言シリーズ第6弾 第十幕 橙なる種 第十一幕 休養期間 第十二幕 保険と防御 第十三幕 否定の裏切り 第十四幕 無銘 第十五幕 無防備な結末 第十六幕 前夜

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP