ジャンル : ノンフィクション
大力の青年・坂田公時は武士になるため都へ上る。初めて知る身分の境に戸惑う彼は、ある日「鬼」の噂を耳にする。一方、神の棲まう山・大江山では食糧たる獣たちが姿を消す。里の長である朱天は仲間たちのため、盗みを働く決断を下す。公時と朱天、都と山、人と鬼ー二つの魂が交錯する時、歴史を揺るがす戦が巻き起こる!
病死した母親の後を追う少年の姿を端正な文体で描いた表題作ほか、デビュー作「子供部屋」、教科書の定番作品「自転車」「あこがれ」「三月の風」、随筆「あの夏あの海」など全十四編を収める。短篇小説の名手による“少年”を主題としたオリジナル・アンソロジー。
楽屋にあった扇子を借りて高座に上がった前座の落語家が、『道具屋』を演じている最中、扇子の中からなぜか血まみれのナイフが現れた!?真打ちを目指し、日々修業に励む二つ目・寿笑亭福の助が、脳血栓で倒れ療養中の元師匠・山桜亭馬春の助言を得つつ、怪事件に挑む、珠玉の本格落語ミステリー三篇。
元モデルで聾唖だという17歳の少女・麻倉瞳が誘拐された。彼女の母親は、評論家デボラ・ヨハンソンの秘書を務めているだけでなく、レズビアンであるデボラのパートナーでもあった。母娘とデボラは同居しており、瞳はデボラのことを「ママ」と呼んでいる。 誘拐犯の要求は、フェミニズムの論客であるデボラに対し「これまでの主張がすべて間違いであったと認め、今後一切の活動を停止しろ」というものであった。出世を拒否し、53歳で警視庁捜査一課のヒラ刑事である真行寺弘道巡査長は、元捜査一課の刑事で現在は杉並署に異動している同期の四竈とともに、捜査を始めるがーー。 「このミステリーがすごい! 2019年版」(宝島社刊)で評論家や翻訳家に注目されたニュータイプの警察小説シリーズ、待望の第3弾!
畿内に勢力を張る三好三人衆を降し、足利義昭を奉じ入京した信長。先鋒を命じられるなど、主の信頼を取り戻しつつある柴田勝家は、家中で存在感を増していく。そんな中、「天下布武」に邁進する軍団長たちに対し、越前の朝倉や本願寺門徒らによる「信長包囲網」が展開されるがー。織田軍団の主導権争い、いよいよ佳境へ!
「魔女狩り板」それはあるネット掲示板の通称。目的は、マスコミが実名報道しない未成年犯罪者や違法行為をした匿名ユーザーを吊し上げることだ。大学生YouTuberの翼は、オフ会で知り合った謎の女性・香織に脅され、掲示板の中枢四人の正体を暴くことに。香織の目的は?その僧悪の原因とはー?
昭和10年代の東京を舞台にして、ヒロインの起伏にとんだ日々を描いた『浮沈』、浅草の若い女性が逞しく生きる姿を活写した『踊子』。「蟲の声」「冬の夜がたり」「枯葉の記」は、散文詩の如き小品。戦時下に執筆され、終戦直後に発表、文豪の復活を告げた。時代をするどく批判した文学者・荷風による抵抗の文学。
一九七一年、大学の卒業旅行で出会った男女七人がその後も折につけ集い、旧交を温めてきた。銀行員、厚生官僚、新聞記者、商社マン、高校教師、弁護士、メーカー勤務として社会に出た彼らは五十七年後、予想だにしなかった人生を振り返ることにー。2028年の日本を予測し、団塊の世代、彼らに関わるすべての人のゆく先を示す、予測小説のパイオニア堺屋太一の真骨頂!
河川敷でホームレスの新妻大介の死体が発見された。その現場で、真野礼二は早川尚文という新妻の高校時代の担任の教師と出会い、新妻は真野の兄・義一と同じ高校だったと知る。二十五年前に起きた「武蔵野一家殺人事件」の捜査で、義一は真野以外の家族全員を殺害し、その直後に自らも命を絶ったと結論づけられていた。兄は犯人ではない、真犯人は自分で見つけるーという思いから法科研究員となった真野は、新妻の死をきっかけに、長く追い求めてきた事件の真相に近づく。物語最大の謎が解き明かされ、衝撃のラストへー!
ポーラは魔法街を訪れた。イヴンに飲ませる惚れ薬を買いに行くという、国王や王妃が聞いたら悲鳴をあげそうな目的のために…。シェラはまだ暗いうちから朝食の準備をして、洗濯をし掃除を行ない、刺客の撃退もする。平和な日常の裏で殺伐とした事件が繰り広げられる、いつものコーラル城を描いた外伝。
恋人の浮気発覚でボロボロの陽咲は、その傷を癒してくれたケーキの美味しさに感動し洋菓子店「アルセーヌ」で働くことに。だがこの店、どこか怪しい?ガタイのいい焼き菓子担当、見た目美少女の男子高校生バイト、腕はピカイチだけど口が悪いパティシエの大空と、三人のイケメン店員には、実は“裏稼業”があり…。
ここは“晴太多”。観光地も名物産業もないほぼ限界集落。そんな故郷を再生するため、町役場で働く土方あゆみは、移住希望者を募集する。やってきたのはベンチャー企業の若者、ニートの男、駆け落ちカップルなど、ワケありなはぐれ者たち。彼らが持つ忘れたい過去も心の傷も、優しい笑顔が包み込む。短篇「里帰りはUFO」でを特別収録。
日本最大の暴力団「竜神会」首領・五条源太郎が死んだ。跡目を継いだ嫡男・宗忠はすぐさま遺品や古参組員の“断捨離”を実行、より盤石な新体制作りに着手する。一方、兄・宗忠から最強ドラッグ「ティアドロップEXE」を託され意気込む国光だったが、その場で競合相手を紹介されてしまう。その男は、なんと宿敵・東堂絆と同じ目をしていた。
五十歳になっても、人生はいちいち驚くことばっかりー息子は巣立ち、夫と二人暮らし。パート勤務の宇藤聖子がふと手にとったのは六十年前の「女性論」。一見時代遅れの随筆と聖子の日常は不思議と響き合い、思わぬ出会いが次々と…!社会問題を織り込んで、くすりと笑える心地よさ。ミドルエイジを元気にする上質の長編小説。
ITベンチャーの雄・仲井啓介が、自社システムの試験中、予期せぬ誤作動によって爆死した。事件性を疑う警視庁は、同社と関わりが深い沖縄県にサイバー犯罪対策課・益尾徹を派遣。一方、「もぐら」こと影野竜司の息子・竜星は今や沖縄で高校生となり戦いと無縁の生活を送っていたが、次第に深刻化する事件が、彼の眠っていた本性を呼び覚ます!
「必ず戻る」その言葉を残し、仁が京都へと旅立ってから一年半。彼を待ち続けた山田澄香はついに仁を探しに行くことを決意する。だが仁は京都ではなく大阪、それもなぜか大衆演劇一座の賄いを作っていた!?澄香は仁を「おりおり堂」に連れ帰ることができるのか。謎の新キャラも登場しシリーズは新章突入へ。
特別な技術と緻密な戦略で、人々の心を動かしてしまう“スピン・ドクター”が、女性弁護士・氷見江のお仕事。パワハラ、セクハラ、名誉棄損など、日々持ち込まれるスキャンダルやトラブルを、氷見は見事な情報&印象操作で解決していく。そんななか現れた週刊誌記者・茂呂は、次期総理大臣と噂される政治家・吾妻涼介と氷見との隠された関係を執拗に探る。氷見とともに働くリーガル・チームの面々もが彼女の謎めいた“過去”を探ろうとし…。解き明かされる、驚愕の事実とは!?
本や人との「縁」で紡がれた不思議な古書店『止まり木』。この店で働く名取司は、自分の小説を出版するため、懸命に執筆を続けていた。そのひたむきな姿に触発され、古書店の店主であり、魔神の亜門は本の出版というものに興味を抱き、ある場所へと向かったー。(「第一話亜門、初めての同人誌即売会」より)。人気キャラクターが織りなす、笑えて、心がほっこり温まる五つのストーリー。幻想古書店シリーズ、ファン待望の番外編、はじまり、はじまり〜!!
その暴れっぷりから“ごじゃもん”と恐れられた竹中武。実兄の四代目山口組・竹中正久組長がヒットマンの銃弾に倒れると、仇討ちのために一和会へ猛烈な報復戦を展開する。だが、敵将の首にこだわる武は、いつしか山一抗争の決着を急ぐ執行部と対立。ついには山口組を離脱する。巨大組織の猛攻を受けながらも、自身の信念を貫いたー。最後の極道と称された侠の生涯を描いた実録ノベル!