ジャンル : 外国の小説
民衆に触発された植民地朝鮮の文学世界。“近代朝鮮文学は民衆の力を感知する感性の鍛錬現場であった。”日本語の研究ではあまり扱われてこなかった作家や雑誌も取りあげ、日本における朝鮮文学・韓国文学の認識を一新、画期的役割を果たす一冊。
死体が持っていた財布の十五万フランを狙う浮浪者“ネズミ”。彼に不審を抱くパリ九区担当のロニョン刑事。遺失物扱いされた財布を巡る事態は思わぬ展開を見せ始める。煌びやかな花の都パリが併せ持つ仄暗い世界を描いた〈メグレ警視〉シリーズ番外編! ロニョン刑事とネズミ 訳者あとがき
俺はただ家に帰りたいだけなのに、それがそんなにおかしいか? 郵便配達をしていた俺は故郷の「くに」から逃げてきた。妻のカルラと幼い息子とともに「島」で不法滞在している。買い物をした帰りに乗っていた地下鉄が故障で止まってしまい、右も左もわからない場所で降ろされてしまった一家。なんとか家にたどり着こうとあれこれ画策するが、やることなすことすべてが裏目に出て━━。周囲から存在を認められず、無視され続ける移民の親子は、果たしてどうなるのか?
「記憶に傷がつくほどの衝撃を受けた」--綿矢りさ 「性暴力被害で自分を責めてしまう仕組みを理解できる本」--小川たまか 芸能界における未成年者への性虐待、学習塾や学校の教員など、権力者や教育者による子どもへの性虐待の報道が後を絶たない。本書に綴られているような出来事が次々と明るみになり、大人はどのように子どもを守っていけばいいのか、社会の構造的な問題について、様々なところで議論されている今こそ必読の書としてUブックス版で緊急出版する。 文学好きな房思キ(ファン・スーチー)と劉怡婷は、台湾・高雄の高級マンションに暮らす幼なじみ。美しい房思キは、13歳のとき、下の階に住む憧れの妻子ある五十代の国語教師に作文を見てあげると誘われ、部屋に行くと強姦される。異常な愛を強いられる関係から抜け出せなくなった房思キの心身はしだいに壊れていく……。房思キが記した日記を見つけた劉怡婷は、5年に及ぶ愛と苦しみの日々の全貌を知り、ある決意をする。
『人生と運命』(みすず書房)の読者が待ち望んだその前編となる全三巻。人情味あふれる物語が居間のランプに照らされ、戦場の火炎に炙られる。市民と兵士に、さらにはドイツ兵にも同情の視線が注がれたポリフォニックな群像小説。 本書は1942年4月のヒトラーとムッソリーニ会談から、主人公の一人クルイモフがヴォルガ川を渡ってスターリングラードへ入る9月まで、5カ月未満の物語だ。冒頭、コルホーズ労働者が召集令状を受け取る心理描写の細やかさは、本書の典型的特徴だ。「老練な赤軍の将軍、新米の民兵、恐怖におののく主婦を描くとき、グロスマンは分け隔てのない思いやりと敬意をこめてペンをふるう」。そして「スターリングラード駅防衛戦の描写は『イーリアス』に匹敵しよう。グロスマンが描く、24時間以内に確実に死ぬことを知っている若者たちの内面描写は真に迫っている」。 本書は、英国のロシア文学翻訳家チャンドラー夫妻の校訂による、検閲・削除された原稿の追加を含む改訂英訳版(2019年)からの邦訳となる。
捨て子騒動に悩む美しい未亡人を救うため捜査に乗り出した名探偵ネロ・ウルフと助手のアーチー。二人の行方に待ち受ける事件とは……。家族問題に切り込んだシリーズ後期の傑作を初邦訳! 母親探し 訳者あとがき
一九八四年、台北。駆け出しの画家、阿政のもとに奇妙な依頼が持ち込まれた。古い絵画の修復だが、作者は明かせないという。阿政が恋人の新聞記者、方燕と調査に乗り出すと、長い間歴史から抹消されていた画家・陳澄波の存在が浮かびあがり……。日本統治時代の台湾に生まれ、二・二八事件で幕を閉じた苦闘の生涯を描く歴史小説。 陳澄波を探して 消された台湾画家の謎 訳者あとがき
ロック・スターでもある著者が自らの神秘体験をもとに、世界の真理と人間のあるべき未来の姿を明らかにする!!1980年12月、ジョン・レノンが死んだ翌日。涙にくれる“僕”のもとを、山高帽をかぶった謎の紳士が訪れる。彼は「タイムベンダー」と名乗り、地球(マザー)からのメッセージをことづかっていると切り出す…。彼が語る壮大な宇宙の秘密とは?瞑想とヨガ、アマゾンでの神秘体験を経て、“僕”が得た深遠なる啓示とは?
シリーズ第6巻「緋色の研究」は、コナン・ドイルによる長編小説。シャーロック・ホームズシリーズ最初の作品である。ホームズとワトソンの出会いと、ロンドン警視庁の腕利き刑事が解決できなかった難事件を、ホームズの並外れた観察力、推理力、手法の鮮やかさが冴え渡り、僅か3日で解決。名探偵シャーロック・ホームズが誕生した記念すべき作品。 第一部 元軍医局 ジョンH.ワトソン医学博士の回想録より復刻 第1章 シャーロックホームズという人物 第2章 推理の科学 第3章 ローリストン・ガーデンの謎 第4章 ジョン・ランセの供述 第5章 広告に訪問者がある 第6章 トビアス・グレッグソンの調査結果 第7章 暗闇の中の光 第二部 聖者たちの国 第1章 広大なアルカリの平原で 第2章 ユタの花 第3章 ジョン・フェリアーと預言者の対談 第4章 命がけの逃走 第5章 復讐の天使たち 第6章 ジョン・ワトソン医学博士の回想録の続き 第7章 結末
★★韓国で10万部突破! チェ・シウォン(SUPER JUNIOR)など韓国著名人が絶賛!! キム・ジェシク翻訳作品第2弾★★ 泣かせるのは愛だけど、 笑顔にするのも愛だから、 私たちはまた愛を始めなくちゃならない。 キム・ジェシク 翻訳は『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』『いい人にだけいい人でいればいい』の藤田麗子が担当。イラストは、高田真弓による描き下ろし。 忘れられない愛を忘れるための117のメッセージ。 《目次》 第1章 迷子のように 第2章 恋が近づいてきたとき 第3章 キミじゃなきゃダメな気がして 第4章 もうすぐ懐かしくなる季節 第5章 こらえていた涙があふれ出した 第6章 愛が遠ざかっていく小さなサイン 第7章 キミは沈まない月 第8章 生きるために知っておきたいこと
イタリア富豪は貧しい娘を妻にした。 その理由は愛さなくていい相手だから。 雨の夜、ウエイトレスのコニーは富豪ダンテの車に乗せられていた。 認知症の祖母をかかえ、家を立ち退くよう迫られていた彼女は、 切羽詰まって思わずダンテにその事情を打ち明けてしまう。 彼は意外な返事をしたーー自分と結婚してくれるなら、 家の権利証を君のものにし、介護にかかる費用も負担しようと。 コニーは驚いたが、これ以上ない申し出にダンテの求婚を受け入れた。 結婚してからも二人はイギリスとイタリアで別居生活を送っていたが、 いつしか彼女はある望みが胸を焦がしているのに気づいた。 プレイボーイのダンテが私になんの興味もないのはわかっている。 でも一度でいいから、夫に女性として求められてみたい……。 スター作家J・ジェイムズが描くヒロインは無垢で愛らしく、大スター作家L・グレアムを彷彿とさせます。一大決心をし、おしゃれをしてヒーローに会いに行くヒロイン。すると他人行儀だった夫の態度は一変し、二人は遅いハネムーンを過ごしますがーー。
たった1週間の幸せを胸に刻んで、 彼女は愛する人にさよならを告げた。 まさか、こんな場所で夫のジャックにでくわすなんて! 友人の結婚式に参列したベスは愕然とした。 便宜結婚だったとはいえ、彼から籠の鳥のように扱われ、 たまらず家を飛び出して以来、10カ月ぶりの再会だった。 離婚を申し出たベスに、ジャックは言った。 「僕にはきみが必要なんだ。どうか戻ってきてほしい」 今も彼を愛するベスは心を動かされ、情熱の1週間を過ごすが、 夫の変わらぬ傲慢ぶりを垣間見て絶望し、再び姿を消した。 数週間後、妊娠したベスの前に突然ジャックが現れて……。 父の借金の肩代わりをしてくれたヒーローと便宜結婚したヒロイン。名ばかりの夫と過ごした夢の1週間で、思いがけず身ごもって……。大スター作家レベッカ・ウインターズを彷彿とさせる、スター作家アニー・ウエストのドラマティックで品のある夫婦再生ロマンスをお楽しみください。
あの夏のキスに続きがあることを、 心の奥でずっと願ってきた。 18歳の夏、ロージーは初恋の人ガードとキスを交わした。 それは体中に電流が走るほどの、甘く衝撃的な体験だった。 それから3年。カラシア国大公となるガードの戴冠式に、 ロージーは招待された。祝賀舞踏会で彼と久々に顔を合わせ、 その腕に抱かれたとたん、抑えてきた熱い想いが溢れ出た。 あろうことか身分を忘れ、彼と一夜を共にしてしまったのだ。 ガードにはすでに花嫁候補もいる。私は身を引くしかない……。 ところが、盗撮された二人の熱愛写真が流出してしまい、 ガードは態度を翻して、ロージーに求婚した。 これは愛のためでなく、国の平和のための結婚だと言って。 実力派として名高い人気作家ロビン・ドナルドが描く、せつないロイヤル・ロマンスをお贈りします。3年前のキスの後、ヒーローが黙って立ち去った理由や、隠されてきた想いがしだいに明らかに。健気で一途なヒロインを思わず応援したくなる逸作です!
出会ったばかりの美貌の富豪との契約結婚。 なのに、なぜ彼に恋してしまったの? 病身の父と妹と3人、イギリスの田舎で困窮生活を送るリジー。 ある日、突然現れたイタリア富豪チェザーレに求婚される! 実はリジーには奇妙な遺言のせいで売れずにいる島があるのだが、 その島を取り戻したいチェザーレは、同じく奇妙な遺言に従い 彼女と契約結婚をして、子どもをもうけなくてはならないという。 提示された莫大な金額にリジーは驚く。だが悩んだすえ、 一家を救いたい一心で承諾する。ただしーー 無垢なリジーは子どもは人工授精で作りたいと条件をつけた。 身も心もすぐに彼の虜になってしまうとは、夢にも思わずに。 ある夜、お酒を飲みすぎてヒーローにキスをせがんだヒロイン。愛は契約外だと冷たく拒まれたあと、想定外の展開となり純潔を捧げ、妊娠して……。カリスマ性、傲慢度MAXのヒーロー像が鮮烈な、大スター作家リン・グレアムの王道、身分差ロマンス!
プレイボーイ大富豪ダックスのアシスタント職に応募したゾーイ。ボスが面接で口にした高慢な採用条件ーそれは、彼に恋をしないこと!前任者もそのまた前任者も…大勢がそれが理由で解雇されていた。反感を持ちながらも彼のもとで働きだした彼女だったが、周囲の目は、新アシスタントも絶対にボスに恋をすると物語っていた。そこでゾーイは偽りのダイヤを指にはめ、恋人がいるふりをすることに。それがダックスのプレイボーイ魂に火をつけたのか、出張に同行するよう命じられ、ゾーイは胸の高鳴りを禁じえなかった。やがて、独身主義を明言する彼と出張の間だけの約束で恋人になるーもうただのボスと部下に戻れなくなる理由が我が身に宿るとも思わず。
眼鏡の奥に本当の自分を隠しても、 いまだ残る彼への愛は、隠せない。 ひっつめ髪に眼鏡をかけ、女看守と揶揄されながらも地道に働くキャシー。 かつて彼女はトップモデルとして華々しく活躍していた十代の頃、 金持ちの男たちには見向きもせず、マルセルという青年と恋におちた。 だが嫉妬した金持ちが彼に瀕死の重傷を負わせたことで、悲恋に終わった。 10年が過ぎた今も彼女の心はマルセルを求め、夢に見ることもある。 そんなある日、経営に行きづまった雇主から次の仕事の面接を勧められ、 キャシーはしぶしぶ面接の会場に指定されたホテルへ向かった。 そして、バーで待つホテル王の顔を見て、彼女は卒倒しかけたーー 嘘よ、マルセル! 私のマルセル! いえ、もう私の彼ではない……。 激しく動揺するキャシーをよそに、マルセルは彼女が誰か気づかぬまま、 淡々と面接を進めて告げた。「結構。君は僕のアシスタントに適任だ」 “結婚しよう、ダーリン。そして全世界に知らせるんだ、僕が君のもので、君が僕のものであることを”悲劇的な別れの前に、そう口にしてくれたマルセルが、自分に気づいてさえくれないことを内心嘆くキャシーでしたが、彼は本当に気づいていないのでしょうか?
冷徹で隙のない策略家は、 圧倒的な美貌の罪深き男。 個人秘書のラークはいま、絶体絶命の苦境に立たされていた。 従兄が会社のお金を勝手に使ったうえに自死を図り、 ラークにそそのかされたと偽りの証言をして息を引きとったのだ。 会社側の凄腕弁護士ジェームス・ウルフの徹底的で冷徹な態度、 容赦ない攻撃にさらされ、ラークは泣き崩れたかった。 ところが意外にも、会社が訴えをとりさげたため事なきを得るが、 ラークは働き口を失い、部屋代さえ払えない状況に陥ってしまう。 そんなとき、さる夫人の住み込み秘書の仕事が舞い込み、 運命に感謝しつつラークは意気揚々と働き始めたーー まさか夫人の一人息子が、ジェームス・ウルフとも知らずに! ようやく手にしたと思った安住の場所にまたもや現れた、口元に皮肉な色を浮かべたジェームス・ウルフ。ラークは彼に対して反発心と惹かれる気持ちを同時に覚えますが、彼によく思われていないはずだと考えて、せっかく得た仕事をあきらめようとして……。
花嫁は“秘密”のために泣き、 “秘密”のために生きる。 冷酷非情な父の決めた政略結婚から逃れるため家出をしたエヴァは、 外を彷徨い歩くうち、ひどい高熱に倒れて洞窟で気を失った。 目を覚ますと、暗闇の中ほのかに、たくましい男の姿が。 男の顔は天使のように見えた次の瞬間、悪魔のようにも見えた。 誰なの? まさか、怒った父が送り込んできた追っ手? 「おれはロバート・マッキントッシュだ。あんたの婚約者でもある」 政略結婚の相手とわかって驚くエヴァだったが、 意識不明の間、彼が看病してくれていたと知って胸が温かくなった。 だがエヴァにはどうしても彼と結婚できない“秘密”のわけがあったーー それを口にしようものなら、生まれたばかりの小さな命に危険が……。 スコットランドを舞台に勇猛なヒーローと気丈なヒロインの恋物語が描かれて大人気のハイランダー・ロマンス。本作のヒーローは一見粗野だけれど、懐の深い傑出した人柄がなんとも魅力的です! 『ハイランダーの美しき獲物』の関連作。
財産も美貌もない私を見つめる彼の瞳。 いったい、何が映っているの? 平凡な容姿のスザンナは4年前に婚約を破棄されたのを境に、 継父に財産を奪われたあげく、行き遅れとして厄介払いされた。 今、彼女はロンドンで令嬢の付き添いをして生計を立てていたが、 令嬢の婚約を機にまた新たに働き口を探さなければならなかった。 そんなある日、スザンナは何者かによって誘拐されてしまう! 一文無しの私をさらうなんて、いったい何が目的なの? 連れていかれた豪壮な屋敷で待っていたのは大富豪ベンジャミン・ウルフ。 漆黒の髪に冷たい灰色の瞳の彼は、その名のとおり狼のような男性だ。 先日、舞踏会で私のことをじっと見つめていた社交界の寵児だわ……。 だがスザンナはまだ知らなかったーー令嬢と間違われて誘拐されたとは! 「気が変わった」と婚約者に捨てられ、転落人生を余儀なくされたヒロイン。一方、人違いで彼女をさらってきてしまったヒーロー。ヒロインの哀れな運命は、彼との出逢いによって、はたして逆転するのでしょうか? 珠玉のシンデレラ・リージェンシーをぜひ!