ジャンル : 外国の小説
1972年。二十歳の数学者アリシアは、自ら望んで精神科病棟へ入院した。医師に問われるままに彼女は語りはじめるーー数学と死に魅せられた自身の人生、原爆の開発チームにいた父、早世した母、そして最愛の兄ボビー。静かな対話から、孤高の魂の痛みが浮かび上がる
インドの聖典『マハーバータラ』の作者、ヴィヤーナによって著された『シュリー・グル・ギーター』を、国際的に活動している神実現を果たした霊的なマスター、パラマハンサ・ヴィシュワナンダが解説する!
夫の愛よりほか何も要らない。 新妻は叶わぬ願いに押し潰されて…。 16歳で孤児となり、ホワイトホール家に引き取られたレイシー。 兄のような存在の長男コールに憧れを抱き、 寡黙で無愛想な彼がときおり見せる優しさに胸を躍らせる青春を送った。 けれど時代は非情だった。コールが出征のため旅立ったのだーー 今にもくずおれそうな彼女に、「待っていてくれ」とだけ言い残して。 レイシーはひたすら無事を祈りながら待ち続けた。 だが帰還した彼は人を寄せつけず、彼女をひどく戸惑わせた。 やがてコールはある出来事の責任をとってレイシーと結婚するが、 初夜を最後に、二度と新妻に触れなくなってしまった……。 最愛の夫との赤ちゃんがほしいと願うことさえ、私には許されないの? あのリンダ・ハワードをして「誰にも真似できない」と言わしめた、大スター作家ダイアナ・パーマーの幻のヒストリカル! 1920年代アメリカが舞台の、ヒロインのひたむきな愛が光る感動傑作で、ヒーローの弟妹の恋愛も楽しめる読み応え充分の群像ロマンスです。
エマ・ダーシー&ミランダ・リー姉妹が、 共にお気に入りと推した貴重な名作! 子供が欲しい! 結婚なんてしなくても、赤ちゃんは産めるわ。 幼いころ父親に捨てられたマディーの辞書に“結婚”の文字はない。 親友の赤ん坊を抱くうち母性が急に目覚めても、それは変わらなかった。 ただ、子供を授けてくれる男性が必要だし、誰でもいいわけじゃない。 英国貴族で金融会社の重役マイルズと再会したのは、そんなときだった。 昨年のパーティで出逢い、強く惹かれるものを感じていた。 優秀な頭脳と、女性を蕩けさせるルックス、そして高貴な生まれ……。 愛は望めなくても、マイルズは子供の父親としては理想の男性だ。 けれども問題は、昨年マディーは勇気を出して彼を誘ったのに、 その誘いを丁寧な、しかし見下すような口調で拒まれたことだった! 本作はミランダ・リー自身が最もお気に入りとし、姉のエマ・ダーシーも太鼓判を押した作品です! ミランダは、この物語を書くことを純粋に楽しめたのは、ヒロインが強く、自分の欲しいものをわかっていて、それを追求する現代的な女性だからと語っていました。
麗しの白鳥だったら、すてきな恋ができる。 醜いあひるの子は今日も夢を見る……。 もしも私が白鳥のように優雅で美しい女性だったら、この人生はどれほど違うものになっていただろう? ついそんな空想をしてしまうのが乙女心というもの。叶うはずもない恋に悩む醜いあひるの子ヒロインの物語を集めた、ピュアなシンデレラ・アンソロジーです。
愛を知らない家なき乙女が、 一夜で宿した新しい命はーー。 両親の死後、養護施設で育ったジーニーには密かな夢がある。 天才的頭脳を金儲けに利用した両親からもらえなかった愛情を、 子供を産んで注ぎたい。苦学して、ソフトウェアの設計で 生計を立てる彼女のもとにある日、浅黒い肌の官能的な富豪 セヴェが訪ねてくる。購入提示額があまりに莫大で驚くが、 彼に一目惚れし、“子供を授けること”を売却の条件にした。 すると一笑に付されたものの、契約で彼の家を訪れた夜、 誘われるままジーニーは身を捧げてしまう。やがて妊娠が判明。 動揺しつつも、仕事のため外国行きの飛行機に乗り込んだはずが、 離陸直後、セヴェが現れた。「僕の国で子供を産んでもらう」 プライベートジェットで彼の国にさらわれたヒロイン。想定外の恋におち妊娠した、空気を読むのが苦手で頭脳明晰な彼女はーー?個性的なヒロイン像が人気のスター作家マヤ・ブレイク作品は、大スター作家S・ケンドリックファンのあなたに特におすすめです。
何度裏切られても忘れられない。 退屈な女を彼が愛するわけがなくても。 祖父の葬儀の日、ミラは別居中の夫アリストスがいるのに気づいた。 1年前、二人は赤ん坊をもうけるために契約結婚をした。 だが、プレイボーイのギリシア富豪が秘書と抱き合っている姿を見て 衝撃を受け、彼女は家を出たのだった。 契約結婚を承諾したのはアリストスが初恋の人だからだったのに。 しかし再会した夜、悲しみにくれるミラに彼はやさしく、 惹かれる気持ちを抑えられなくなった彼女は夫に純潔を捧げた。 数カ月後、アリストスが事故にあったという知らせが入り、 ミラは夫のもとに駆けつける。おなかに新しい命を宿して……。 大スター作家D・コリンズと同じく予想のつかない物語を得意とするT・パミー。ヒロインはヒーローのそばにいたくて契約結婚をしますが、念願の妊娠のあとも夫婦の距離は縮まらず、苦悩の日々が続きます。それは愛のない契約結婚に愛を求めてしまったから。
夢に見た初恋の人からの求婚が、 これほど切なく虚しいなんて……。 インテリアデザイナーのサキは、意外な客からの依頼に驚いた。 大富豪ドミニク・プレストンが、わざわざ私を指名するなんて! じつは彼は苦学生時代にサキの実家で庭師として働いており、 思春期の彼女の憧れの的だった──姉と親密な仲だと知るまでは。 サキの家が没落した後、彼が広壮な屋敷を買い取ったと聞く。 複雑な思いを抱えたまま、彼女はドミニクを訪ねた。 改装してほしいという寝室に案内されたとき、彼が突然宣言した。 この寝室で妻とくつろぎたい。その妻になるのはきみだ、と。 サキは仰天した。これはプロポーズ? いったいどういうつもり? 訝しみながらも抗えず、甘い言葉を受け入れてしまうが……。 大スター作家シャロン・ケンドリックも太鼓判を押すスター作家、ヘレン・ビアンチンが描く、立場逆転のドラマティックな再会ロマンスです! 姉からの「あなたはただのベッドの相手。愛されていない」というひと言にショックを受けたヒロインは……。
切望していた子供を授かることなく夫と死別したジェイダは、生まれたばかりの身寄りのない女の子を引き取った。ところが1年後、大富豪アリク・ヴァシンが実の父親だとわかり、裁判所は彼に親権を与えてしまう。血の繋がりがないから、私はもう用済みだというの?ジェイダはショックで泣き崩れた。するとそこへ母を求めて泣き叫ぶ我が子に手を焼くアリクが現れ、報酬をはずむから子守りにならないかと声をかけた。大金さえ積めば、なんでも解決できると思っているの?ジェイダの怒りを見て取ると、アリクは挑むように言い放った。「それを拒むなら、僕の妻になるしかないな」
あなたの子が私のおなかにいます。 言えなかったことを、今こそーー 生後4カ月の赤ん坊を連れ、エリースはフィレンツェに降り立ったーー 元恋人のドクター・ルカ・ヴェネツィオに、 この子はあなたの娘です、と告げるために。 今まで子どものことを知らせなかったのは、 失恋の傷心に加えて、切迫流産の危険があったから。 それ以上に、かつてルカに子どもは要らないと言われたからだった。 とはいえ、いつまでも知らせないままにはしておけないと、 意を決してイタリアにやってきたエリースの告白に、ルカは驚愕した。 DNA鑑定なんて必要ない。我が子であることは一目瞭然だ! そしてルカの口から、思わぬ言葉が飛び出した。「結婚しよう」 ゴールデン・ハート賞の最終候補に3度も選ばれた実力派ティナ・ベケットが、読み応え充分なシークレットベビー・ロマンスで日本デビューを飾ります! 出産時に胎盤が破裂し、子宮を摘出しなくてはならなかったエリースはもう子どもが産めなくなっていて……。
隙など見えない容赦なき大富豪の弱点。 それは、天真爛漫な乙女だった……。 1年前に両親を亡くした18歳のマーシーは、 おばから館を相続するため田舎からロンドンへ引っ越してきた。 その港湾地区は多国籍企業サクストン社が開発を進めており、 マーシーの館が唯一残る家屋敷で、文化的遺産とも言えた。 まるで時が止まったかのようなその場所を守りたい彼女は、 庭を開放して近隣の人々が集える癒やしの空間にし、みんなの人気者に。 一方、サクストン社の豪腕社長ランダルはその状況を見過ごさなかった。 館の買収に手こずる部下に業を煮やした彼は、自ら説得に動くと宣言。 ランダルを含む誰もが、ものの10分で決着する交渉だと予期していた。 まさか社長が、明るく純真なマーシーに魅せられてしまうとは思いもせず。 ハーレクインを黎明期から支えた大作家シャーロット・ラムが別名義で刊行した幻の名作をお贈りします。主人公たちはもちろんのこと、脇役に至るまで人物像の輪郭がしっかり描かれ、生き生きとした空気感に満ちたラブストーリーを、ぜひご堪能ください!
恋人にプロポーズされると思って食事に出かけた看護師のアレシーア。だが、用件は週末泊まりがけで遊びに行こうというもので、いいかげんなつき合いはできないとつっぱねると、怒った相手は勘定もすませないままレストランに彼女を置き去りにした。どうしよう。給料日前の私がフルコース2名分なんて払えるはずもない。待てど暮らせど恋人は戻ってこず、いよいよ切羽詰まったアレシーアは、不意に現れたオランダ人紳士サレ・ファン・ディーデレイクに救われる。彼はアレシーアに代わってそつなく勘定をすませ、寮まで送ってくれた。そのとき彼女はまだ知らなかったー翌日病院でサレと再会することも、彼から子供たちの母親になってほしいとプロポーズされることも。
サメに救われた少年には奇跡の力が宿りはじめる。これは真実か、ただのイカサマか? ハワイで生まれ育った注目の作家によるデビュー長編! はじまりは1995年。ハワイ島に暮らすフローレス家は、「豊かな」生活を求めて、オアフ島を目指す。そのさなか、息子のナイノアが海に落ち、サメによって助けだされる。サメに救われた少年には、奇跡の力が宿りはじめる。これは真実か、あるいはただのイカサマか? こうして家族の未来は大きなうねりに巻きこまれる。時を2000年以後に移して、描きだされるのは、楽園ではないハワイ。それは現代の豊かさをめぐるアメリカの矛盾、世界の矛盾を映しだす場だ。ほんとうの「豊かさ」とは何か━━。 ハワイとアメリカ本土(メインランド)を舞台に、ある一家の波乱にみちた運命がつづられる。バラク・オバマのベストブックリスト(2020年版)にも選ばれた、ハワイで生まれ育った作家による渾身のデビュー長編。 明かされる真実へと、ぐいぐい引きこまれろ。ウォッシュバーンはとてつもなく優れた新時代の書き手だ。この長大な家族の物語は、サメの牙のようにするどい。ページははじけて火花を散らす、そして、君をすっかり変えてしまう。 ━━━━━トミー・オレンジ(『ゼアゼア』) 古い神話と新たな現実がぶつかり、愛と悲しみが手をつなぎ、信仰と魔術がぎちぎちとこすれあい、喜劇がくるりと悲劇に変われば、まったく新しいなにかが生まれる。そのすべてがとめどない感傷にのって語られる、じりじり焦げるほどに。 ━━━━━マーロン・ジェイムズ(『七つの殺人に関する簡潔な記録』) 「海、自然、果物、楽園━━ハワイときいて、多くの日本人がとても良いイメージを抱くことでしょう。楽園としてのハワイ。それを期待してこの小説を読むと、あれ? と思うかもしれません。わたしは思いました。あれ? この小説に、楽園はない。主人公であるハワイ系フィリピン人のフローレス一家が生きる現代のハワイは、楽園とはかけはなれた苦しい生活が強いられる場所です。サバイバルという言葉がふさわしいほどです」(訳者あとがきより)
イギリス各地の墓地にある死体安置所で奇妙な事件が起こる。初めのうちは死体が姿勢を変えたというちょっとした出来事だったのだが、やがて事件は死体が忽然と消えうせるという思わぬ事態へと展開する。いずれの場合も、死体消失が起こるのは霧深い深夜から早朝にかけてのことで、犯人も動機もまったく分からない。捜査の任を負ったスコットランド・ヤードのグレゴリー警部補が真相の解明に乗り出すが、真犯人につながる手がかりは見つからないまま捜査は難航を極める……冬のイギリスを舞台に展開するメタ推理小説ともいうべき『捜査』、3000年前、初期軌道探査遠征隊が持ち帰ったハルツィウス因子が、地球全体でパピル分解疫を引き起こした。これによりすべての紙は分解され、地球文明は記録も知識も失って崩壊した。未来の考古学者は長年の調査の末、ロッキー山脈の地層の下の巨大地下建造物〈第三ペンタゴン〉の遺跡から、奇跡的に保存されていた1篇の手記を発見する。『新第三紀人の記録』と題されたこの手記には、多層の迷宮のような建造物の中をさまよい歩く書き手の驚くべき経験が記されていたーー疑似SF的不条理小説ともいうべき『浴槽で発見された手記』、レムの多面性を示す2篇を収録。 【目次】 捜査 訳者ノート 浴槽で発見された手記 解説(久山宏一) すべては暗号だ、暗号を解読せよーー『浴槽で発見された手記』訳者あとがき(芝田文乃) 解説 推理と不条理ーーSFに収まり切らないレム作品の多彩さ(沼野充義) 捜査 訳者ノート 浴槽で発見された手記 解説(久山宏一) すべては暗号だ、暗号を解読せよーー『浴槽で発見された手記』訳者あとがき(芝田文乃) 解説 推理と不条理ーーSFに収まり切らないレム作品の多彩さ(沼野充義)
◎1999年に韓国・仁川(インチョン)で実際に起きた火災事件を題材にした著者初の長編小説、待望の邦訳刊行 ミシン会社で働くサンスと敬愛(キョンエ)。お荷物社員の二人がチームを組むことになった。すれ違い、空回りしながら距離を探り合う日々。やがて互いの過去が少しずつ関係を変えていく。そんな中、チームはベトナムへの派遣が決まり、それぞれの思いを胸に新しい地を訪れるがーー。理不尽な火災事件で親しい人を失い、亡霊のように生きていた男女の転機と再生を描く。 [目次] 空白はやっかいだ E あなたと私のお別れ 空っぽの心 殺人は恋愛のように、恋愛は殺人のように 冷えきった夏 あなたには妹がいますか? 痛みにも気づかずに笑っていた 雨粒が頭上に降り注いでくる オンニには罪がない
ハーディ不朽の名作『帰郷』を21世紀視点から読み直す10の試み。研究者のみならず、大学生、大学院生が小説の読み方・論じ方の現状を知る上で最適の論文集。
現在最も注目されるアイルランド作家、トビーンによる長編歴史小説。トーマス・マンを主人公に、20世紀ドイツ文化の様相を包括的に描写した壮大な家族の物語。公の顔とプライバシー、愛国心と幻滅の間で揺れ動くマンの内奥世界を重厚に描き出す。 日本語版に寄せて 第一章 リューベック 一八九一年 第二章 リューベック 一八九二年 第三章 ミュンヘン 一八九三年 第四章 ミュンヘン 一九〇五年 第五章 ヴェニス 一九一一年 第六章 ミュンヘン 一九一四年 第七章 ミュンヘン 一九二二年 第八章 ルガーノ 一九三三年 第九章 キュスナハト 一九三四年 第十章 ニュージャージー 一九三八年 第十一章 スウェーデン 一九三九年 第十二章 プリンストン 一九四〇年 第十三章 パシフィック・パリセイド 一九四一年 第十四章 ワシントン 一九四二年 第十五章 ロスアンジェルス 一九四五年 第十六章 ロスアンジェルス 一九四八年 第十七章 ストックホルム 一九四九年 第十八章 ロスアンジェルス 一九五〇年 訳者あとがき
「人生には本当に素晴らしい瞬間が数々ある --たとえつかの間だとしても」 調査対象の女性、そして消えた死体の謎…。 緻密な構造、巧みなプロットとさりげなく埋め込まれた伏線の数々。 フィリップ・マーロウの生き方を確かめたい。 チャンドラーの遺作を 新訳でお届けします。 ==== より楽しく作品を読んで頂くために、エスメラルダの地図やホテルの見 取り図など数点の挿し絵に加えて登場人物の行動を示す時系列表が入っています。 プレイバック 関連地図 主な登場人物 日程表 訳者あとがき