ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代 下
全面性の時代から一面性の時代へーこうした時代の変化を踏まえ、ゲーテは人間のあるべき姿を描こうとした。霊的な力をあらゆる人々に及ぼす精神的太陽とも言える聖女マカーリエに象徴されるように、本書の作品世界は汲み尽くしがたく、どこまでも晴れやかで美しい。
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『修業時代』の続篇である本書は、「諦念」を主題とした、ゲーテ(一七四九ー一八三二)最晩年の豊かな英知に満ちた作品である。主筋に数篇の挿話と二つのアフォリズム群をはめこんだ独特のスタイルを持ち、底知れぬスケールを感じさせる「大作」である。新訳。 2002/02/15 発売