呉越春秋 湖底の城 七
超大国の楚を征服していちどは南方の雄となった呉が越を潰しにくる。先君の喪に服していた句践が姿を現し、無援で戦うと宣言。勝機はあるかと周囲に問われた近臣の范蠡はいう。「伍子胥は鬼才ですが軍政の長ではありません。孫武のころとくらべれば、威力は半減しています」春秋戦国時代絵巻、新たな范蠡篇へ!
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伍子胥は、父に向かってまっすぐに言う。「善をなすふりをして悪をなすことほど、悪いことはないとおもいます」父・伍奢は思った。「この子を教えるのは、人ではなく天だ」と。豊かな水をたたえる長大な江水の流域で、春秋時代後期に覇権を争う、楚、呉、越。楚の人、伍子胥は堂々たる体躯で将来を嘱望される青年である。父は、王に重用され要職をつとめる。伍子胥は、呉との国境近くの邑・棠を治める兄・伍尚を助けるため船に乗り、江水を往く。強い信念をもち、父兄を尊敬する伍子胥は、地位や身分を越えてさまざまな人と出会い、歩むべき道を探していた。 2010/07/27 発売
三国志より600年前の春秋戦国時代、誰より魅力的な男がいた。その名は伍子胥。楚に生まれながら、大儀のために祖国をも討ち滅ぼそうとする、大きく強い意志の男。そのスケールの大きさと、その濃密なる生きざま、そして滅びの美学を描ききる「伍子胥篇」、第一弾。20歳の伍子胥が主として立つまでを鮮烈に描く。 2013/07/13 発売
武術大会で五人の臣を得た伍子胥は、彼らの「主」となる。呉と楚の戦いも始まる中、太子に仕える父・五奢と兄・伍尚には、同じ楚の佞臣・費無極の陰謀が忍び寄る。費無極に背くことは、楚の王に背くことを意味する。父と兄を救うため、人生で初めて伍子胥は「反逆者」となる。大河中国歴史小説の伍子胥篇、第二弾。 2013/07/13 発売
父と兄を殺され、祖国・楚への復讐を誓いながら呉に逃れた伍子胥。呉の将軍・公子光の客人となった伍子胥は、孫武に兵法の協力を仰ぎ、参謀として楚との戦いに臨む。だが、それはさらなる動乱の序曲となるのだった。大河中国歴史小説、伍子胥篇のクライマックス! 父と兄を謀略で失い、祖国・楚に復讐を誓いながら呉に逃れた伍子胥。呉の公子光の客人となった伍子胥は、孫武に兵法の協力を仰ぐ。その労ゆえ、公子光は二倍の兵を率いた楚に勝利するも、呉王に命を狙われることにーー。●設諸(せんせつしょ)との再会と別れ、范蠡との出会い、黄金の楯。大河中国歴史小説、伍子胥篇のクライマックス! ※●=魚へんに專 斉の国 鍾離の陣 けい父の戦い 青銅の柩 暗殺の矢 黄金の楯 運命の年 王と将軍 せん設諸 旗と煙 夜襲 初秋の風 2015/09/15 発売
孫武を迎え入れた呉は、迫り来る大戦に向けて準備を進めていた。その一方、楚では令尹子常が実質的な国の運営を行っていた。傲慢な子常のやり方に不満を持った盟下の蔡と唐は、密かに楚を見切り、呉側についた。孫武と伍子胥はこの戦いをなんとしても勝ちきることを誓い合う。そしてついに呉軍は楚都へ向けて軍を出発させる。呉軍と楚軍は正対し、一進一退の戦いを続ける。そんな中、呉王闔盧の弟、夫〓(がい)が抜け駆けをし、楚軍を撃退する。そのような弟の動きを苦々しく思う闔盧は、孫武の教えに従い夫〓(がい)を罰しないことにするのだがー。中国戦史上、特記される戦いの行方は。そして伍子胥の復讐は果たされるのか。 2015/09/17 発売
父と兄を殺めた祖国・楚に復讐を誓った伍子胥は、楚から呉に移り、決戦の時を待ち構えていた。そこへ後年、孫子と呼ばれる無官の斉人・孫武が、軍師として現れるー。「戦わずして勝つ」ことを実践する兵法の数々。圧倒的なスケールで春秋戦国時代の英雄を描く、大河中国歴史小説。逸話満載の伍子胥篇! 2016/09/15 発売
越王句践にも“ある男”がいた。謎多き人物、范蠡。ついに彼の物語が始まる。待望の第七巻!知られざる、古代中国の血湧き肉躍る物語。 2016/09/28 発売
天才軍師・孫武を迎え入れた呉は、連戦の末に楚都を陥落させた。呉軍を率いる伍子胥は、殺された父兄の仇を討つため、平王の墓を暴き、屍に三百回も鞭を打つ。虚しさを感じつつも復讐をはたした伍子胥のもとに、孫武の病の報せが舞い込んだ。中国歴史小説の第一人者が綴る春秋戦国絵巻。心を揺さぶる伍子胥篇。 2017/09/13 発売
越は呉を奇襲するべく密かに大量の造船を行い、林野に運ばせていた。これをとある者から聞いた伍子胥は策を練る。その頃、何かがおかしいと感じていた范蠡は句践に伝えるも、句践は秘策を実行する。だが、すでに作戦を把握していた呉の攻撃により越軍は敗退。ついに伍子胥が率いる兵たちに句践は追い詰められるが、何とかかわし会稽山へ逃げ込む。句践は降伏も亡命もありえず、ここで戦い抜くと、ともに山に籠もった兵を前に宣言するが、大夫種の必死の献策をうけ、呉との講和を進めることをやむなく了承、囚われの身となってしまう。范蠡らはいつか句践が解放されることを信じ、その時まで越国を守り抜くことを誓う。 2017/09/20 発売
越王・句践が囚われの身となって二年余。その間、范蠡は越国で王がいつ帰ってもよいように準備を整えていた。呉が陳を攻めていることを知った諸稽郢は、呉王・夫差を見舞う使者を出すべしとの提言を受け、范蠡とともに呉へ向かう。すると夫差より思いもかけぬことを范蠡らは命じられるー呉へそのままとどまれというのだ。王が帰ってきた際に万全の体制を整えるべく、秘密裡に楚と外交していたことが露顕したのかと肝を冷やした范蠡らだったが、彼らの拘束のかわりに句践を解放するという。夫差の思惑は、いったい何なのか。呉の伍子胥は、そして越の范蠡の運命はどうなるのか。第九巻堂々の完結! 2018/09/28 発売