ユリシーズ 2
国立図書館の一室で、スティーヴンは、文学者たちを相手に『ハムレット』論を展開する。一方、ブルームは食事をとりながら、モリーの情事を想像して苦悩する。酒場で、ユダヤ人嫌いの「市民」と口論した後、朝スティーヴンが歩いた浜辺にやってきたブルームは、若い娘ガーティの下着に欲情し、モリー、娘ミリーについて、思いをめぐらす。時刻は、午後9時になろうとしている。
関連小説
ユリシーズ 3ユリシーズ 3
午後十時、ブルームは国立産婦人科病院に立ち寄り、談話室の宴会で、出産を芸術家の創造にたとえるスティーヴンに注目する。男子出産とともに舞台は酒場から夜の町へ。途中、電車に轢かれそうになったブルームは、幻覚に襲われる。やがてスティーヴンにも幻覚が現れ、母の亡霊を見てシャンデリアを叩き割る。ブルームは、スティーヴンを介抱しながら、その姿に死んだ息子ルーディを重ねる。(第14挿話、第15挿話)。 2003/12/21 発売