小説むすび | 第三双生児(下巻)

第三双生児(下巻)

第三双生児(下巻)

自らの名誉を守るために、徒手空拳で強大な権力に挑むジニーとスティーヴ。その行く手に、70年代まで進められていた“禁断の計画”の幻影が浮かび上がる。止めるか、止められるかー。大学、FBI、ペンタゴン、果てはキャピタル・ヒルまでを巻き込んで、敵の失策を徹底的に利用する苛烈な闘いが展開されてゆく。世紀末の状況を冷徹に描いた巨編は緊迫のクライマックスを迎える。

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双生児双生児

1999年英国、著名な歴史ノンフィクション作家スチュワート・グラットンのもとに、第二次世界大戦中に活躍した空軍大尉J・L・ソウヤーの回顧録のコピーが持ちこまれる。グラットンは、次作の題材として、第二次大戦中の英国首相ウィンストン・チャーチルの回顧録のなかで記されている疑義-英空軍爆撃機操縦士でありながら、同時に良心的兵役拒否者であるソウヤーなる人物(いったい、そんなことが可能なのか?)-に興味をもっており、雑誌に情報提供を求める広告を出していた。ソウヤーの回顧録を提供した女性アンジェラ・チッパートン(旧姓ソウヤー)は、自分の父親は第二次大戦中、爆撃機操縦士を務めていたと言う。果たして、彼女の父親はほんとうにグラットンの探しているソウヤーなのだろうか?作家の棲む現実から幕を開けた物語は、ジャックとジョーという同じイニシャル(J)をもった二人の男を語り手に、分岐したそれぞれの歴史の迷宮をひたすら彷徨していく…。稀代の物語の魔術師プリーストが、SF、ミステリにおける技巧を縦横無尽に駆使して書き上げた“もっとも完成された小説”。英国SF協会賞/アーサー・C・クラーク賞受賞作。 2007/04/25 発売

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