アメリカの鳥たち
辛辣なまでのウィット、強い意志を持ったエレガンス。いつも母は、娘に鬱陶しくまとわりついてくる。プロデューサーは女優を脱がせたがる。口先だけの男に退屈な夫、成就しない不倫。あの人はずうっと振り向いてもくれないし、久しぶりに会った友人は何を考えているのかわからない…。あなたの隣にもきっといる「鳥」たちを、現代アメリカ文学きっての短篇の名手がユーモラスに、シニカルに、けれどエレガントな筆致で描く、女と男の不安と孤独、12篇。我が子がガンに冒された経験をもとに小児ガン病棟を描き、新境地を拓いた異色作『ここにはああいう人しかいない』(O・ヘンリ賞受賞)を収録。