神異伝(1)
平家一門が檀ノ浦の海に滅んでから、はや十五年の歳月が過ぎ去っていた。京都神護寺の僧侶・明恵は、手を触れずに物を動かす力や、空中浮揚といった神異の力を操ることができた。ある日、琵琶湖の竹生島で夢見の術の修業をしていた明恵は、伊吹山方面に邪悪な影を感じとった。聖徳太子がはるか未来のことを書き記したという、南都秘宝中の秘宝『太子未来記』が奪い去られた事件と関わりがありそうだ。淫道外法により『未来記』の封印を解かんとする、北条政子のもくろみとは。鬼道妖変、超歴史大河ロマン第一弾登場。
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神異伝(2)神異伝(2)
淫道外法を操る尼将軍・北条政子、平家の侍大将・悪七兵衛景清、京都神護寺の神異僧・明恵は、高天原の秘密を巡って、富士山頂で激烈な戦いを展開した。辺津の鏡によって現出した七色の光の空間と黒縄の異形の化物は一体何だったのか。聖徳太子の『未来記』に記された謎を追い求める明恵は、佐渡へ渡り、もうひとつの太子の秘本『幻義疏』のありかをつきとめる。一方、『闇の祭主』の異名を持つ本霊日別が率いる御先衆は、秘密に迫る明恵に刺客を放った。いよいよ混迷を極める超歴史伝奇大河ロマン第2弾。 1993/08/31 発売
神異伝(3)神異伝(3)
“人界は牢獄なり、ひとはこれ獄囚なり”聖徳太子の『未来記』の謎を追う神異僧・明恵は、淫道外法を操る尼将軍・北条政子と激しい戦いを繰り広げた。はからずも、高天原の秘密に迫る明恵は、闇の祭主・本霊日別が率いる高千穂御先衆につけねらわれることとなった。津軽の石塔山で、またしても太子の墓所を発見した明恵は、夢界の謎を探るため夢渡りを行ったが、それが原因で廃人同様になってしまっていた…。一方、平家の侍大将・悪七兵衛景清は、壇ノ浦に沈んだはずの三種の神器を追う。 1993/09/30 発売