第七の空母(4)
東京湾を遊戈していた「米賀」の警戒空域を旅客機に偽装したリビア軍のDC6機が侵犯した。上空で哨戒飛行中の石川大尉の零戦が迎撃に向かったが、そこへメッサーシュミットが襲いかかる。傭兵飛行隊長〈殺し屋〉フリースナー率いる四機のME109だった。航続距離六百六十キロのメッサーシュミットが東京湾まで出撃してこれるはずはない。中国か朝鮮半島のどこかにカダフィ大佐の秘密基地があるはずだった。さらに空母二隻を中心とするカダフィの機動部隊が密かにアラビア海を東進中との情報も入ってきた。藤田提督は秘密作戦を胸に巨大空母「米賀」を九州沖に進出させた…。
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真珠湾に突撃し、戦艦ニュージャージーを撃沈して凱旋した第七の空母「米賀」だったが、おりしも中国がレーザー兵器を積んだ衛星を打ち上げ、全世界のハイテク兵器が無力化される事態となった。この機に乗じて世界制覇を狙ったのがリビアのカダフィ大佐。世界中からメッサーシュミットME109やユンカースJU87スツーカなどの旧式兵器を買い集め、イスラエルに侵攻。さらに「米賀」に対しても爆薬を満載した特攻船を差し向けてきた。そして地中海で日本の旅客船「前田丸」が人質にとられるに及んで、ついに「米賀」は再び出撃。サムライ飛行隊の零戦は遠く地中海へと飛んだ。 1994/02/28 発売
地中海でのリビア攻撃作戦からの帰途、超巨大空母「米賀」はメッサーシュミットME109を主軸とするリビア空軍機とウイスキー級潜水艦の攻撃を相次いで受けた。今やカダフィにとって「米賀」と日本はイスラエルやアメリカと同じ憎むべき聖戦の相手となったのだ。カダフィは空母3隻と駆遂艦12隻を擁する大機動部隊を「米賀」追撃のために派遣。リビア機動部隊はマラッカ海峡を越えて北上し、マレー沖海域に至った。第7の空母「米賀」の藤田提督は、新型栄エンジンに換装した零戦百機からなる攻撃隊の出動を決意。南太平洋の空に一大航空決戦の火蓋が切られようとしていた。 1994/04/30 発売