小説むすび | 愛

デュラスが、自らの創造力のなかからつくりあげた「白骨の西洋」-海と空にひらけた、砂と風の町、S・タラ。「海」であり「死」であるこの町を舞台に、「旅人」や妊娠した狂女といった名前のない登場人物が繰り広げる物語は、デュラス文学の極北であると同時に、『ロル・V・シュタインの喪心』『副領事』と同じ背景をもち、その世界の核となるものである。

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