パリ風俗犯罪ファイル(4)
女がさらわれた、助け出してくれ。かつて命を救われた戦友の頼みとあれば、コランタンには断われない。たとえ、女衒まがいのダチでも、しかも休暇中、管轄外の捜査活動でも。犯人は陸軍を追放された老将校、狂信的な愛国主義者、そして恐しい秘密を持った男。その秘密のために、キャバレー・ホステス、エピファラニーは誘拐され、地獄の責め苦にあえいでいた、人里はなれた第一次大戦当時の地下壕跡に閉じ込められて。いい仲になったとんでる人妻の情報からついに隠れ処をつきとめ、救出作戦開始。しかし、あわれ人質はダイナマイトをぐるぐる巻きにされた人間爆弾に。どうするコランタン。
関連小説
ミシュリーヌ・ピュジェ。ラフォンテーヌ高等学校第一学年。捜索願いの出た前日に十五歳になったばかりだ…。パリ、オルフェーブル河岸の殺風景なオフィスで、警視庁風俗取締部の敏腕刑事ボリス・コランタンがつぶやいた、「変だな。娘は一ヶ月も学校に出ていない」-女優志願の少女は、恋人の紹介で映画プロデューサーと称する男に会っていた。男は暗い緑色の目でじっとみつめた。「申し分ないね」巧みな口車にのせられ調教が始まる。檻禁、鞭、麻薬。あどけない性の奴隷への変身。捜査は遅々として進まず、手がかりの恋人も殺害された。業を煮やしたコランタンは、意気投合したストリッパーを囮に使うが…。危機一髪の人気シリーズ第一弾。 1990/10/01 発売
ナディアは女ではなかった。男娼。その魅力の虜になっていることは誰も知らない-はずだった。お娯しみの場面を写真に撮られてるまでは!社会的地位も平和な家庭も、全て諦めなくてはならないのか!-警察に泣きついてきた兵器会社の重役の一件を、ただの恐喝事件ではないとにらんだコランタンは、早速調査を開始。するとアラブへの武器輸出をめぐって競合するアメリカ社の影が浮かび上がってきた。敵はナディアのヒモを使って罠をしかけたのだ。目には目を、逆にそのヒモにフィルムを盗み出させるが、そのままフィルムを持ち逃げされてしまう。契約期限までもう時間がない。コランタンの追跡は、ブーローニュの森の同性愛者の大狂宴へ-。 1990/10/01 発売
パリ南郊、何のへんてつもない団地で二人の少女が姿を消した。懸命の捜索にもかかわらず行方は杳として知れない。そして第三の犠牲者。今度は死体が発見された。十五歳の少女、絞殺、死化粧を施されている。その夜、クロディーヌが年頃特有の軽い気持ちから、同じ団地のうだつの上がらぬ四十男を挑発しさえしなければ-。「お隣のおじさん」が夜ごとみだらな妄想の中で少女たちを拷問にかけていたとは、もちろん彼女は知る由もなかった。風俗取締部に捜査命令が下った。コランタンは早速女友達と夫婦を装って団地に潜入、張り込みを始める。濃霧たちこめる陰鬱な十一月、ついに容疑者逮捕にこぎつけた。が、また新たな犠牲者が…。 1990/10/01 発売
とんでもない〈講義〉があったものだ。実は、おれもちょっと〈出席〉したかったがね。いや、今度の事件の話さ。スタッセン教授とやらの「ラブ・イン」とか「恋愛ゼミナール」とか。早い話が乱交パーティ。だが、「麻薬を使った、全力投球の」となると見逃しておくわけにはいかない。尾行、張り込み。秘密パーティはぞくぞくするようなやつだった。邸を提供する有閑マダム、のぞき趣味の夫、ハシシュを使った媚薬菓子、性科学にいかれたかわい子ちゃんの女子大生などなど。何?結末はどうなるかって?特捜課にまかせとけって! 1990/12/01 発売
俺、ブリショー。コランタンの相棒さ。奴にはいつも助けられている。今度の事件だって-発端は奴の鼻だった。薔薇孤児院てとこはどうもクサイ、何かある、とすかさず嗅ぎつけてな、早速孤児院の美人先生と仲よくなっちゃってさ(いいねえ、いつもながら)、色々探りを入れると、これがひでえ所だったんだ。かわいそうな女の子たちを娼婦に育て上げ、売春窟にしてたんだよ、院長のばあさんが。「わたしを駄目にした男たちに復讐してやる。男を手玉にとって、男の血を吸って生きてやる」だと。狂ってるぜ。乱痴気パーティーの現場に踏み込もうとしたんだが、例の美人教師は人質になるし、実は俺も捕まっちまってな(ヤバかったよ)、最後の最後までハラハラしたぜ。 1991/01/01 発売
麻薬空港、離陸直前、ヘロインはどこだ?運び屋はだれだ?プレイボーイ、コランタンと気のいい愛妻家の相棒ブリショーのコンビが見事に解決してゆく兇悪事件の数々は、実はフランスで実際に起こった犯罪に材をとり、その生々しさは比類がない。夜のパリにうごめく性倒錯者の群れ、欲望に翻弄される歪んだ人間模様、悲鳴、そして血。残虐な犯人と魅力的な主人公の対決、彼を支える風俗取締部特捜課の面々、さらに全編をいろどるセクシーな女性たち-都市の生理をあばきながら巧みなストーリー展開をみせる本シリーズは、一度読みはじめたらやめられない面白さを持っている。 1991/05/01 発売