小説むすび | リグレティング・ユー あの日の自分に戻れたら 上

リグレティング・ユー あの日の自分に戻れたら 上

リグレティング・ユー あの日の自分に戻れたら 上

娘を守りたい母、そんな母を疎ましく想う娘、どこにでもある母娘の光景。だがある事故をきっかけに、二人の生活は一変する。
テキサス州に住む主婦モーガンは、17歳のときにクララを妊娠し、高校を中退して子育てに専念してきた。夫や娘を愛しているけれど、一人の女性としては自分の人生に虚しさを感じている。そんな折、夫のクリスが交通事故にあい帰らぬ人となってしまう。
クリスとモーガンの娘、クララは16歳の高校生で、将来は女優になるのが夢だ。
同じ高校の上級生、ミラーは映像制作に興味を持っていて、映像関係の大学に進学を希望していた。そんな二人が協力して映画を製作することになった……。

全米ベストセラー作家、コリーン・フーヴァーが贈る、ドラマチックな家族の愛と再生の物語。

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モーガンとクリスの娘クララは十六歳になっている。 ある日、クララは車で学校から帰る途中、道端に上級生のミラーの姿を見つけた。何をしているんだろう……これまでミラーとは話したこともない。何があったわけでもないのに、ミラーが自分を避けている気がするし、彼にシェルビーという年上のガールフレンドがいることは知っている。一度はそのまま行きすぎたものの、うだる暑さの中で放置はできず、クララはミラーのところまで戻った。聞けば、ミラーは市の境を示す標識を移動させている最中だという。家の近くにあるピザ屋が市を越えてデリバリーをしないから、毎日少しずつ、標識を移動させ、自分の家を配達区域に含めようという計画らしい。突拍子もない発想にクララは唖然としたが、結局、移動を手伝い、彼を家まで送った。驚いたことに、ミラーは街はずれのボロ家で祖父と暮らしていた。クールなイメージのミラーが、甲斐甲斐しく祖父を気遣う様子に、クララは興味を掻き立てられた。帰り道、インスタに、ミラーのフォローを知らせるメッセージが届き、嬉しくなったクララは叔母に電話をした。 モーガンの三十四歳の誕生日。グラント家では毎年、家族の誕生日には皆が集まってパーティーを開く。お祝いにジェニーとジョナもやってきた。ジョナは十七年前、突然姿を消したが、去年、父親の葬儀で帰省したとき、再会したジェニーと一夜限りの関係を持ち、ジェニーが妊娠した。ジョナは結婚を決意、この街に戻ってきて、クララの高校で歴史の教師になった。ジェニーは息子が生まれて二ヵ月になった今、翌日からクリスのつとめる病院で看護師として働くことになっていた。 2025/06/04 発売

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