クィア短編小説集(844)
もと「変態的・倒錯的」といった蔑称としても使われた「クィアqueer」。差別に抗うなか、かつて“恥”であった名称は“誇り”へと変わった。いま、「クィアqueer」という語は、二つの意味をもつ。ひとつは性的マイノリティ全般を示す総称としての「クィア」。もうひとつは、いかなる範疇にも属さないーLGBTのどれでもないー名づけえぬ欲望。あらゆるものを包摂しながら、あらゆる境界をすりぬけてゆく、不思議で奇妙な珠玉の8編。
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近代英米文学の巨匠たちの“ゲイ小説”を集約。新たな視点による大作家の読み直しとしても、英米文学の「古典」としても、読み応えある作品集。これぞゲイ・キャノン。 1999/12/03 発売
処女作「墓地で」、芥川賞受賞作品「プレオー8の夜明け」から晩年の名品「真吾の恋人」まで、戦争の記憶をつむぐ全短編二十三。三十年にわたるこの作家の貴重ないとなみを一巻集成。戦後はすでに半世紀をこえ、戦下の記憶は風化するにまかされる。名もなく声なき兵士たちは、何を考え死んでゆき、生き残った者たちは何を問うのか。 2004/03/10 発売
まだ女性どうしの愛が「口にだせなかった」十九世紀末から二十世紀前半。切なさ、絶望、驚き、そして喜びー女性あるいは男女両方のパートナーを持った女性作家たちが描く、深くて複雑な女どうしの物語十七編。小説を読む幸せが詰まった珠玉のアンソロジー。 2015/06/12 発売
人気作家20人が「20」をテーマに短編を競作。恋愛、SF、ミステリーなど、エンターテインメントの魅力を凝縮した作品から、ジャンルに収まりきらない現代小説まで、書き手の持ち味を存分に味わいながらも、読み手のイメージが鮮やかに裏切られる、最強の文庫オリジナル。 2016/01/07 発売
文学作品はこれまで病をどう語ってきたか。病は文学によってどのように意味づけされてきたのか。消耗病・結核、ハンセン病、梅毒、神経衰弱、不眠、鬱、癌、心臓病、皮膚病ーコナン・ドイル、フィッツジェラルド、レッシングら名だたる作家によって書かれた9つの病を主題とする14編。最も個人的な出来事の向こうに、時代が社会が、文化が立ち現れる。 2016/09/12 発売
二つの大戦、社会主義政権の樹立、プラハの春とチェコ事件、そしてビロード革命ー。激動の歴史を背景に中欧の小国チェコで育まれてきたSF。ハクスリー、オーウェル以前に私家版で出版されたディストピア小説から、J・G・バラードやブラッドベリにインスパイアされた作品まで、チェコSF界の最高峰“カレル・チャペック賞”受賞作を含む本邦初訳の傑作11編。 2018/10/12 発売
「損なわれた医師」「医療と暴力」「看護」「患者」「女性医師」「最期」「災害」-七つの主題別に、生と死、理想と現実の狭間を描く一四編を収録。医療と文学を繋ぎ、医療をめぐる様々な問題に向き合う医療人文学の視点から編まれた初のアンソロジー。 2020/09/12 発売
真っ直ぐな言葉の連なりが織り成す微妙な色合い。読むほどに人と人との間の心の綾が身に沁みて、少しだけ人生が愛おしくなるーそう、小説ってこういうものだった。長い沈黙のトンネルの果てに、作家がたどりついた新境地! 2020/11/16 発売
天然痘、コレラ、インフルエンザー突然襲いくる見えない恐怖。神罰論、環境説、帝国主義、性差別、戦争などと絡み合い、記憶と忘却の狭間で人類社会に大きな禍根を残してきた疫病を描き、コロナ・パンデミック後の世界を考える指針となる七編。 2021/03/12 発売
「父さんと死のう」 息子が部屋から出なくなって七年。このままでは、家族が崩壊するー。「引きこもり100万人時代」に生きるすべての日本人に捧ぐ。絶望と再生の物語。 2021/04/28 発売
一九六八年のソ連軍を中心とした軍事侵攻以降、冬の時代を迎えていたチェコスロヴァキア。八〇年代、ゴルバチョフのペレストロイカが進むとSF界にも雪融けが訪れる。学生らを中心としたファンダムからは“カレル・チャペック賞”が誕生し、多くの作家がこぞって応募した。アシモフもクラークもディックも知らぬままに手探りで生み出された熱気と独創性溢れる一三編。 2023/02/13 発売
アイルランドの首都ダブリンに生きる様々な人を描いたジョイスの『ダブリナーズ』。この傑作短編集の作品を、十九世紀末から二十世紀はじめに書かれた妖精・幽霊譚と並べてみるとー。名作をこれまでとは異なる文脈に解き放ち、当時の人々が肌で感じていた超自然的世界へと誘う画期的なアンソロジー。 2023/07/12 発売