出版社 : イースト・プレス
なぜハン・ガンは、アジア人女性として初めて、ノーベル文学賞を受賞したのか? 大きな話題を呼んだ原著に、この2年、激動する韓国文学の重要作の解説を加筆、40頁増の新版登場! 韓国文学は、なぜこんなにも面白く、パワフルで魅力的なのか。その謎を解くキーは「戦争」にある。 ・著者メッセージ 本書の初版は二〇二二年七月に刊行された。その後二年と少しの間に、新たに多くの韓国文学が翻訳出版された。増補新版ではその中から注目すべきものを追加すると同時に、初版時に紙幅の関係などで見送った作品にも触れることにした。特に「第7章 朝鮮戦争は韓国文学の背骨である」の章に多くを追補している。 その作業を進めていた二〇二四年十月に、ハン・ガンがアジア人女性として初のノーベ ル文学賞を受賞した。本書を読めば、ハン・ガンが決して孤立した天才ではなく、韓国文学の豊かな鉱床から生まれた結晶の一つであることがわかっていただけると思う。 海外文学には、それが書かれた地域の人々の思いの蓄積が表れている。隣国でもあり、かつて日本が植民地にした土地でもある韓国の文学は、日本に生きる私たちを最も近くから励まし、また省みさせてくれる存在だ。それを受け止めるための読書案内として、本書を使っていただけたらと思う。(「まえがき」より)
「██高校三十一回生、出席番号二十三番。私は、怪異に、宣戦布告します」 今までの怪談小説をくつがえす、新感覚のホラーモキュメンタリー 文芸部の片隅で見つかったUSBメモリ。 それは、ひとりの男子学生の「死」に関する情報を集めた不気味なものだった。 その男子学生の死因は「自殺」。 ただ、発見現場には数々の不可解なものが残されていた。 睡眠薬の錠剤とともに床に散乱している、びりびりに破かれたおふだらしき何か。口内に絡みついた彼自身の髪の毛。それらの痕跡は、まるで恐怖に苦しんだ結果、超自然的な儀式に手を染めたかのようで─── 文芸部で発見されたUSBメモリ、新聞部の校内記事、合唱部の変遷レポート…etc. 筆者がある高校から収集した、一見無関係な情報から浮き上がる”真実”とは。 ーーこれは青すぎるほど青い、とある「なけなしの救い」の物語。
痛快!天才看護師、ダメな日本の医療をぶった斬る 人気コミック『おたんこナース』の原案者が送る、常識破りなメディカル・ノベル 看護師の橘高朱理(ナイチン)は、"クリミアの天使"ことフローレンス・ナイチンゲールの子孫だった。「看護統計学の始祖」だった先祖の血を受け継ぎ、ハーバード大学医学大学院で最先端の医学と統計を学び首席卒業。比類なき能力で医者たちを大幅に凌駕し、日本の医療の闇に斬り込んでいく。ユニークな仲間たちとともに天才ナースが繰り広げるドラマの連続に目がはなせない痛快メディカル・ノベル 第1話 認知症者が失踪する街 第2話 多剤併用・残薬問題に効く薬 第3話 介護老人保健施設の抗争 第4話 パンダがつなぐ信頼区間 第5話 刺客のマラソンランナー
『僕の狂ったフェミ彼女』著者がおくる、前人未踏の“共有”恋愛小説! 30代の女性・ミレは、彼女にとって最善の恋愛をずっと探している。 したいことを望み、嫌なことを拒みたい。 誰のものにもならず、自分のままでいたい。 結婚をゴールとしなくても、対等な関係を築きたい。 ミレのウィッシュリストはずっと満たされなかった。 ある時出会った“完璧な男性”シウォンは 「非独占恋愛(オープンリレーションシップ)」を実行していた。 ミレは戸惑いながら、最善のために一歩を踏み出す。 ◆推薦ーー宇垣美里(フリーアナウンサー/俳優) 最初に共感、次に反感と少しの羨望。 垣間見た新しい世界を受け入れられるのか、 受け入れられないならその理由は何か。 こびりついていた固定概念の奥にあるはずの 本当に自分の求めている恋愛の形について、 誰かと夜通し語り合いたくなった。 ◆推薦ーーアルテイシア(作家) 私自身はオープン・リレーションシップをするのは無理だと思うけど、主人公ミレの気持ちはよくわかる。 「君は俺のものだよ」と言われて喜べない。 誰の所有物にもなりたくない。誰にも支配されたくない。 パートナーと対等に尊重し合う関係を築きたい。 それだけのことが、なぜこんなに難しいのか? プロローグ 0.ロマンスこそ必要 1. いろいろな幻想、の中の君 2.なぜ私はあなたを共有するのか 3.大丈夫? 愛か?? 4.私が恋愛をやめられない(約)十の理由 5.優雅で計画的な共有恋愛 6.食べて、期待して、恋をして 7. あなたがデートしている間に 8.愛してるの言葉でも理解はできない 9. 君たちは感動だった 10.それは絶対私たちのせいじゃない 11. 最も普通の記念日 12. 嘘、みたいな時間 13. 一人で一緒にいる人たち 著者あとがき
なぜ、韓国文学はこんなに面白いのか。なぜ『82年生まれ、キム・ジヨン』は、フェミニズムの教科書となったのか。世界の歴史が大きく変わっていく中で、新しい韓国文学がパワフルに描いているものはいったい何なのか。その根底にあるのはまだ終わっていない朝鮮戦争であり、またその戦争と日本は深くつながっている。ブームの牽引者でもある著者が、日本との関わりとともに、詳細に読み解き、その面白さ、魅力を凝縮する。 (「まえがき」より) 『最近日本で、韓国文学の翻訳・出版が飛躍的に増えている。この現象は、読者の広範でエネルギッシュな支持に支えられたものだ。読者層は多様で、一言ではくくれないが、寄せられる感想を聞くうちに、読書の喜びと同時に、またはそれ以上に、不条理で凶暴で困惑に満ちた世の中を生きていくための具体的な支えとして、大切に読んでくれる人が多いことに気づいた。(中略)韓国で書かれた小説や詩を集中的に読む人々の出現は、ここに、今の日本が求めている何かが塊としてあるようだと思わせた。それが何なのか、小説を読み、また翻訳しながら考えたことをまとめたのが本書である。』
韓国でドラマ化・映画化決定! 初恋の人がフェミニストになった!? 「愛」も「権利」もゆずれない、2人の戦争のような恋愛が始まる。 主人公「僕」の視点で描かれる、フェミニストの彼女の姿。 そこには、今を生きる私たちの「現実」が詰まっているーー。 本国では「『猟奇的な彼女』のフェミニストバージョン」といわれ、台湾版刊行時には「キム・ジヨンが結婚前にこの小説を読んでいたら人生が変わっていたかも」とキャッチコピーがつけられた、今をいきる、あなたのための物語。 プロローグ 偶然出会った君 いっそ現れないでほしかった どうせ現れたなら メガルの道理と百万ウォン スタートはしたけれど 彼女は本当におかしい 週末のデート 家族のイベント 意外な事件 彼女の決断 僕のチャンス 計画通りに進んでる 結婚式場で 再び、光化門で エピローグ 著者あとがき 「三十代のフェミニストの恋愛はまるで『ウォーキング・デッド』だよ」 訳者あとがき
「君たちは、親を選べる子どもなんだよ」 「アーモンド」に続く「チャンビ青少年文学賞」受賞作。 韓国で25万部。ブレイディみかこ氏推薦。 「子どもに親を選ぶことができたら。人類の究極の「IF」に挑んだティーン小説。 大人こそ読んでこころの準備をしておいたほうがいい」 事情により子どもを育てられなくなった親が、子どもを預ける「NCセンター」が設立された近未来。そこでは子どもが親を選ぶ面接「ペイント(ペアレントインタビュー)」が行われている。そんなNCセンターに在籍する17歳の少年ジェヌが、この物語の主人公。 20歳のセンター退所期限までに親をみつけなれば、センター出身という経歴がIDカードに刻まれる。過去にNCセンター出身者による犯罪が行われたことで、社会にはNCセンター出身者への偏見が存在し、その経歴が刻まれないよう、子どもたちは必死にペイントを続けている。 しかし、ペイントにやってくる親候補の多くは、養子縁組することで受け取れる福利厚生が目的。親候補たちのとりつくろった笑顔と、透けて見える本音を、ジェヌは瞬時に見抜いてしまう。 NCセンターの退所期限を3年後に控えたジェヌは、ペイントをしながら、親や家族という存在について思索し、自分の進む道をつかもうとする。 <目次> ジェヌ、301です 父母面接を始めます いったいどんなヤツ紹介されたんだよ? IDカードの番号 大人だからって、みんなが大人っぽい必要ありますか お前は、自分の思い通りに生きると思ってんだろうな 自分のためだ、自分のため あの噂、聞いた? 待ってるからね、友達 Parents' Children 最後に聞いてもいいですか? 日本の読者のみなさんへ 訳者あとがき
湘南に住むタウン誌記者の吉岡は、古民家でケーキ屋を営む28歳の人妻・翔子に惹かれ、毎日のように店に通っていた。陽気な翔子には結子という35歳の人妻の姉がいて、同じ古民家で陶器を商っている。この店をタウン誌で取り上げたいと相談すると、結子はある条件つきで承諾してくれた。物静かで着物が似合う結子にも惹かれてゆく吉岡。そんなある日、注文していた誕生日ケーキを、翔子が家に届けてくれることに。玄関を開けると、普段の禁欲的なパティシエ姿からは想像できない大きな胸とむっちりとした太腿をあらわにした翔子の妖艶な姿が…。女の渇きと男の欲望が交差する甘く濃厚な性活がはじまる!?
敬史郎は支店を立て直すため旭川に単身赴任をしている。妻からは離婚を切り出され、支店の業績もあがらず鬱々とした日々を送っていた。そんなある日、会社の親睦会で支店長の家を訪れることに。出迎えてくれたのは支店長の妻・朝香。彼女はかつて秘書課にいたマドンナで敬史郎も憧れていた。親睦会中、夫に叱責されキッチンでむせび泣く朝香を見て、背後からさりげなく声をかけると、彼女は濡れた瞳で振り返った。昂る気持ちを抑えられずに激情のまま抱きしめ、いきなり唇を重ね…。
映像プロダクションでADとして働く百太郎は、ある晩、疲れて寝ていると金縛りにあう。しかも下半身には何かが触れる感触がーなんと心霊番組のロケ先で女の霊を引き寄せてしまっていたのだ!女の霊が言うには百太郎は「絶対性感」の持ち主で、波長が合う女の霊は彼にムラムラせずにはいられなくなるらしい。女の霊に頼まれ、童貞の百太郎は上司の女ディレクター・洋子を家に呼びだした。すると霊は彼女に憑依!普段は勝気な洋子だが女性らしい恥じらいと色香を漂わせ…。欲求不満の霊たちが職場の女性や近所の人妻たちに憑依し、ヤリ残した欲望を解消させてゆくオカルティックエロス!?
睦月影郎が描く大人気長編作品を二本も収録した豪華版!時代は明治。戯作者である月影堂無三は、とある情事をきっかけに数多の女性に身体を求められるようになる。無垢な娘、男装の麗人、金髪美女…めくるめく桃色な日々に興奮が止まらない!(おんな開花帖)。女性経験で同級生たちにおくれをとっていた童貞の無三は、美人大家・真希子と、その娘をオカズにする日々。だが、ひょんなことから真希子にセックスの手ほどきを受けられることになりーエッチなハプニングの連続!?美女たちから次々と淫らなお願いをされる男の快楽三昧の日々を描く!(みだら風来帖)。
郊外の一軒家に住む独身男の圭吾は、深夜なのに向かいの家の二階に明かりが点いているのが気になった。自宅から向かいの窓をのぞいてみると、そこには若妻・麻衣の全裸姿がー豊満なバストを窓に押しつけて陶酔している若夫婦の濃厚なプレイを見て、圭吾は久しぶりに勃起する。そして、今度は隣家が気になった。隣とは壁が近い。台所の向こうは隣家の風呂場になっている。ふだんは閉めきったままのカーテンを開けてみると風呂場の小窓がわずかに開いていた。中をのぞくと、なんと熟女が嬌声をあげながら自慰にふけっていて…。
二年前に妻を病気で亡くした昭信は、お盆の墓参りで妻の幼なじみ・菜美と偶然再会する。彼女もまた四年前に不慮の事故で夫を失っていた。喪服姿の菜美から匂い立つ成熟した女の色香に動揺し、昭信は思わず自宅へ誘う。玄関でしゃがんだ菜美の黒いワンピースに浮かび上がるむっちりした双臀の丸みに、いけないとは思いながらも目が離せない。夕食中、亡妻に聞けなかったことを尋ねると衝撃の事実がー。悪酔いした昭信はワインをこぼし、菜美のワンピースを汚してしまう。妻の服に着替えてもらうと、その姿が妻と重なって…。
湘南に仕事部屋を借りている亮介は、道ひとつ隔てた向かいの家に住む淑やかな人妻・美登里が気になっていた。彼女が洗濯物を干している姿が自宅の窓から見えてしまうのだ。ある日、普段は慎重に隠しながら干すはずの下着を、美登里が大胆に見せつけるように干していた。これでは外から丸見えじゃないかと亮介が思っていると、部屋に戻った彼女はサッシが開いているにもかかわらず下着姿に!?亮介の方をちらりと見て恥じらいながらもその豊満な身体をあらわにしてゆき…。閑静な住宅街で繰り広げられる人妻たちとの禁断の覗き、見せあいに、欲望のビッグウエーブが押し寄せる!