小説むすび | 出版社 : エトセトラブックス

出版社 : エトセトラブックス

わたしたちの停留所と、書き写す夜わたしたちの停留所と、書き写す夜

わたしの言葉を、 わたしはまだ取り戻せるだろうか。 40代未婚の「わたし」は、老いた父母やDVを受けて実家に戻ってきた妹親子のケア労働に果てなく追われ、詩人になる夢も「あの人」とのささやかな幸せもすべてを諦めて生きている。一日の終わりに、好きな詩を筆写することだけが自分を取り戻す時間であった「わたし」が、それすら失ってしまう前にとった選択とはーー。 韓国フェミニズムのうねりのなか生まれ、いま「停留所」に佇むすべての人におくる、真に大切なものを静かに問いかける「人生小説」。 *****韓国読者から共感の声続々! ****** (オンライン書店レビューより) 「主人公の状況に息が詰まった。応援してしまう」 「誰かが私の物語を、代わりに書いてくれた気がした」 「慣れようとしても慣れることのできない家事や介護を引き受けている人なら、 思わず涙が出そうなこの物語。無限に共感できる」 「ほんの二、三時間でいいから自分として生きられる時間が欲しかったあの頃。 そんな時期に耐えている、すべての女性たちへの叫びのような物語」 「読んだあとで恋人の性別を知ってもっとせつなくなった。そのプロセスも含めてこの作品が大好き」 「主人公のすべての選択を、応援したくなる本。みんな、幸せになろう」 「家庭でも社会でもひたすら〈わたし〉でいつづけられない。 そう感じる人だけが理解できる、わからない人には絶対に共感できない物語」 「家事の責任を負いながら、誰にも言えない悩みまで抱え、 大学進学も家の事情に合わせた自分を慰めてくれる小説」 「周りや世間を喜ばせるために生きなきゃならないんじゃない、 自分がうれしいときにはじめて、自分をとりまく世界は完全なものになる。そんなことを教えてくれる」

月曜か火曜月曜か火曜

永遠のフェミニスト作家、ヴァージニア・ウルフが 自分で編んだ唯一の短編小説集。 彼女の真摯な「叫び声」を、100年後の今そのまま読む。 ウルフの最初の短編集を、1921年刊行当時のまま、姉ヴァネッサ・ベルの版画5点とともに完全収録。最良のガイドとなる、翻訳者の片山亜紀による詳細な注・訳者解説付。 【収録作】 ゴースト・ストーリー「幽霊たちの家」 フェミニズム冒険活劇「ある協会」 都市のある一日を描く「月曜か火曜」 その後の長編に連なるメタフィクション「書かれなかった小説」 音楽のスケッチ「弦楽四重奏」と色彩のステッチ「青と緑」 草花と人々とカタツムリのコラージュ「キュー植物園」 フェミニズム小説であり評論でもある傑作「壁のしみ」 ーーウルフの原点であり、その後の長編にも連なる真摯で切実な全8編。 学識豊かな男たちなんて、魔女や隠遁者、すなわち洞窟や森でうずくまって薬草を煎じ、トガリネズミを尋問し、星々の言葉を書きつけていた者たちの末裔でしかないのでは?(「壁のしみ」より) 幽霊たちの家 ある協会 月曜か火曜 書かれなかった小説 弦楽四重奏 青と緑 キュー植物園 壁のしみ 本文注 訳者解説 訳者解説注 参考文献

彼女の体とその他の断片彼女の体とその他の断片

首にリボンを巻いている妻の秘密、 セックスをリストにしながら迎える終末、 食べられない手術を受けた私の体、 消えゆく女たちが憑く先は……。 ニューヨーク・タイムズ「21世紀の小説と読み方を変える、女性作家の15作」、全米批評家協会賞、シャーリイ・ジャクスン賞、ラムダ賞(レズビアン文学部門)他受賞、いまもっとも注目を浴びる作家を、最高の翻訳家たちが初紹介! 大胆奔放な想像力と緻密なストーリーテーリングで「身体」を書き換える新しい文学、クィアでストレンジな全8篇収録のデビュー短篇集。 「マチャドの言葉は、女たちの記憶と飢え、そして欲望に、ありのままのかたちを与えた」 カレン・ラッセル 「消えゆく女たちと世界の終わり、すべてを手に入れてもなお多くを求める男たちの物語が、飽くなき想像力とたぐいまれな声によって美しく束ねられている」 ロクサーヌ・ゲイ 「巧妙に散りばめられた言葉や断片的な物語が、最終的にパズルのようにはまって大きな物語を作り上げているとわかった時の快感たるやない。訳していると胸が高鳴り、何度も手を止めた。ホラー、SF、リアリズム…ジャンルを越えて描かれる主体性を求める女性の物語は、私たちみんなの物語」 小澤身和子 「マチャドの言葉は、一語一語に肉体がある。だからおとぎ話めいているのに、とても生々しい。見知らぬ女たちの物語が、気づくと自分の物語に連なっている。そこがすばらしく、そして怖い」 岸本佐知子 「人間はいくつもの時間軸とルールを同時に生きている。たとえば、社会の一員としての、愛する人との、自分自身との。時にそれらは相いれず、衝突を起こし、正しさなどどこかに消えてしまう。でも、そうやって交差することでしか生まれない喜びや瞬間もある。マチャドの物語を読むと、その途方もない感覚を思い出す」 松田青子 「『女性や非白人やクィアな人々にとって、書くことはそれじたい政治的なアクティヴィズムだ』とマチャドは言う。そして、政治的であることと芸術的であることは両立する、とも。マチャドの作品は、それをなにより見事に体現しながら『男だけの世界』の景色を書き換えていく」 小澤英実

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