出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
「結婚してくれないか?」ジョーダンはララを見つめて言った。愛を交わした直後の求婚に、彼女は絶句した。ジョーダンは、ロンドン社交界で話題の若き不動産王。いつも違う女性とパーティに現れる彼に、ララは反感を覚えていたが、酔った友人に迫られているところを助けられ、心を許すようになる。ホテルチェーンを経営する父とも、彼はすぐによしみを通じた。でも、まさかこんなにも早く結ばれ、求婚されるなんて。「もちろんよ……。愛しているわ、ジョーダン」夢見心地で申し出に応じたララだったが、この結婚には、世にも悲しい企みが隠されてい
セリーナの兄は8カ月前、帰らぬ人となった。親友の大富豪フィンと共に身代金目的で拉致され、フィンだけが生還。セリーナは、兄を見捨てて一人だけ生き残った彼が許せなかった。フィンは兄の死の詳細をいっさい明かさず、事件以来、まるで死を恐れぬかのように自暴自棄に振る舞い、クルーザーに大勢の美女をはべらせては刹那の享楽にふけっている。初めて会ったときからフィンに強く惹かれていただけに、セリーナは、相反する彼への激しい思いをコントロールできない。フィンの甘い誘惑の魔手がついにセリーナにも伸びたとき、彼女は拒めなかった。こんなにも彼を憎んでいるはずなのに…。
地方の看護学校を卒業したばかりのエレノアは、救急看護の現場で実践を積むという夢を叶えるため、メルボルンの病院で働くことにした。この1年、ブロンドの彼女は間違った偏見から実習先の上司にたびたび嫌がらせをされてきたが、色目を使う役立たずのナース扱いされるのはもうこりごりだった。だから、救急科専門医のローリーがどれだけ魅力的でも、エレノアは心に芽生えた禁断の想いに気づかないふりをした。ところが、緊急に運び込まれた幼い命を救えなかった日の夜、悲劇を払拭するかのように彼と体を重ねてしまった結果……。
ロンドンで小児科専門の看護師として働いていたサブリナは、とある夫人の孫を住み込みで世話する求人に応募して採用され、カリブ海の美しい島の高台にそびえる豪邸にやってきた。ところが、てっきり子供だと思っていた患者がじつは大人の男性だということがわかり、彼女は動揺した。世界的に有名な実業家だったダグラスは事故で視力を失い、今は一族が代々住む島で隠遁生活を送っているらしい。同情されることを何よりも嫌う彼は皮肉屋で辛辣だが、サブリナはその誇り高さと陰のある魅力にしだいに惹かれていく。施設育ちで不器量な自分と彼とでは、
またあの人だわ……。図書館司書のフェインは密かに胸を躍らせた。今朝、花屋の店先で偶然出会った、目も覚めるようなハンサムな男性。貸し出しカードの名前は……バーク・ハーディング!経済界に彗星のごとく現れた気鋭の実業家が本を借りに来たの?そして数日後、フェインはバークからデートに誘われ、1カ月後にはプロポーズを受けていた。豪奢な新居の鍵とともに。友人からは羨ましがられ、家族も手放しで祝福しているというのに、フェインは胸の奥に巣くう微かな不安を払うことができなかった。なぜ、バークは私に“愛している”と言ってくれな
記憶喪失……ですって?アリーは2カ月ぶりに再会する夫フィンを前に言葉を失った。彼とは出会ってすぐ燃えるような恋に落ち、結婚した。でも、幸せは続かなかった。世界に名だたる宝石会社の御曹司だった彼は、北欧の祖国に彼女を連れていくや、なぜか急に冷淡になったのだ。仕事にすべてを捧げ、孤独な新妻になどまるで無関心で……。すれ違いの日々にアリーは深く傷つき、絶望のうちに家を出た。彼の子を宿しているなんて、どうしていまさら言えるだろうーー何も知らないフィンは変わらぬ魅惑の瞳でアリーを見つめ、甘くささやく。「きみが、ぼく
社長マシューに呼びだされたハリエットは、親しい同僚ベンとの関係を咎められて愕然とした。私とベンとその恋人が三角関係で揉めているだなんて、言いがかりよ!だがマシューは彼女の弁明にまったく耳を貸さないばかりか、とんでもない解決策を強要する。マシューこそが真の恋人だと宣言して、婚約者として振る舞うようにというのだ(『薬指の契約』)。大学生のシェリーは、春休みに友人たちと訪れたフロリダで魅力的な年上の銀行家フォークナーと出会い、ひと目で惹かれた。ところが彼から、学生を相手にする気はないし身分も違いすぎるとはっきり言われて深く傷つく。なんて傲慢な人なの?フォークナーのことは忘れようと誓ったシェリーだったが、予想外の騒動に巻きこまれて…(『汚れなき花嫁』)。貧しい看護師カロラインはオランダを旅行中に大怪我をし、近くの大きな屋敷に運びこまれた。屋敷の主は男爵の称号を持つ医師、ラディンク。手当てこそ丁寧だが愛想はまるでなく、世捨て人さながらの生活をしていた。彼の悲しい過去を知り、胸を痛めるカロラインは、突然ラディンクに「僕と結婚してくれないか」と告げられて、仰天する(『花嫁の誓い』)
父の死後、マリサの弟はひどく荒れだし、飲酒運転や暴力沙汰に明け暮れる毎日を送っていた。法外な額の罰金、家賃の滞納ーーマリサは金銭問題に頭を抱え、銀行に相談に行こうと車を出すが、タイヤがパンクしてしまう。惨めな思いでたたずむ彼女を、身なりのいい男性が助けてくれた。チェーザレ・ジャネリー。どこかで聞いたことのあるような……後でわかったのだが、彼こそマリサが家賃を滞納している借家の家主であり、広大なたばこ農園を経営する大実業家だった。マリサの困窮を知った彼は、なんと突然彼女に求婚する。「家政婦代わりの妻が欲しい
パイパーは、ギリシア人実業家ゼフィールと親しい関係にある。ただし、二人が分かち合うのはベッドだけーーそこに愛はないが、独身主義者のゼフィールは充分満足らしい。それなのに彼が「きみ以外の女とは寝ていない」などと言うので、パイパーは近ごろ、割り切れない想いを抱きはじめていた。でも危険を冒して愛を告白し、彼との友情を失いたくはない。想いを気取られまいと心に鍵をかけたパイパーは、「避妊具なしで愛し合いたい」と言われたときも拒めなかった。大きな代償を支払うことになるのはわかっていたはずなのに……。そう、パイパーは妊
ブルックは妹からの手紙に驚いた。もうイギリスへは帰らない、大学進学もやめるという。ホームステイ先の主人ジュールダン・マルシェに、すっかり夢中になってしまったというのだ。ブルックは妹を連れ戻しに、慌ててノルマンディーに向かった。ジュールダンは古い城館に住む著名な実業家とのことだが、若く世間知らずな妹をたぶらかすなんて許せない!ところがジュールダンは、妹の気持ちを変えさせるためと言って、ブルックにとんでもない提案をした。「僕たちが恋仲になったふりをすれば、彼女もあきらめて帰るさ」
17歳の牧師の娘ヴィクトリアは、ある日、村で美しい青年に微笑みかけられ、ひと目で恋に落ちた。彼の名はロバート。領主の息子で爵位を持つ彼は信じられないことにヴィクトリアに愛を囁き、結婚を約束するーーだがふたりの恋は身分違い。駆け落ちの夜に彼女は父親に閉じこめられ、翌日、真実を知らされた。ロバートは彼女と結婚する気など毛頭なく、ロンドンへ発ったと。打ちのめされたヴィクトリアは家を出て家庭教師となり、辛いながらも平穏な生活を手に入れた。7年後ロバートが屋敷の客として現れ、彼女を睨みつけるまでは。
エディーは社交界で、“夫に捨てられた公爵夫人”と噂されている。それもそのはず、夫マルグレープ公爵は結婚後すぐに異国に行き、5年もの間それっきり。そもそも美しさとは縁遠いエディーが見目麗しい公爵と結婚できたのは、彼女が裕福な家の出で、一方の公爵は高貴な血筋ながら多額の借金を抱えていたからなのだ。だが、愛なき結婚であろうと、社交界で陰口を叩かれようと、エディーは一人きりの生活に満足していた。そんなある日、突然公爵が英国に戻ってきた。戸惑うエディーに彼は、跡継ぎが欲しくなったのだと言い出し…。
父の破産をきっかけに、幼いセレナの生活は一変した。夢も希望もない極貧生活のなか、一家をどん底に突き落とした父の仇敵への憎しみを糧に、少女は日々成長していった。そして14年後、セレナに絶好の復讐のチャンスが訪れる。今をときめく実業家、クーパー・ブロック──仇敵の愛息が不正を働いている証拠をつかんだのだ。これさえあれば、ブロックの家名に泥を塗ることだってできる。だが、実際のクーパーを知るにつれ、セレナの心に迷いが生じ始める。彼はたしかに傲慢で冷酷。でも決して曲がったことはしない高潔な人よ。驚いたことに、いつし
ジェシカは18歳で父と継母を亡くし、幼い異母妹を一人で育ててきた。生活の支えとなっているのは大手宝飾店の専属モデルの仕事のみ。それだけに、今回の社長の突然の交代劇は大きな痛手だった。なぜなら、その新社長、ギリシア人富豪のルーカス・サラントスこそ、ジェシカが8年間にプロポーズを拒んだ元恋人だったから。彼は契約解消を仄めかしつつ、彼女に大胆な衣装と宝石をまとわせ、妖艶な大人のモデルに転身するよう厳しく言い渡した。今の私を全否定したいのかしら。これは過去の仕返しなの?ジェシカはわかっていた。ルーカスの要求をのむしかないことを。そして、彼の要求がさらに苛酷になっていくであろうことも。
ロンドンのアンティークショップで働くローズは、フランス人実業家ウジェーヌ・ボネールの来訪を待っていた。入院中の店主に頼まれて、この店をぜひ買い取りたいという彼とうまく交渉し、有利に契約をまとめる必要があった。現れたウジェーヌの青い瞳に魅せられ、ついぼうっとなった彼女は、すぐに後悔した。彼は拒めないほどの大金を積んで条件をのませると、さらに契約書類はローズが別荘まで直接届けるように命じたのだ。ローズはしぶしぶ別荘のあるスコットランドの孤島に小舟で向かった。あいにくの嵐の中、出迎えた彼が囁く。「今夜は帰れない
チャリティは幼いころから詐欺師である父の言うなりに、詐欺の片棒を担がされてきた。実母の顔も知らない彼女にとって、唯一の家族である父に認められることは何より重要だったのだ。だがとうとう父と決別する日が訪れた。イタリア人富豪ロッコの財産を騙し取ったあと、父は姿を消した──よりによって、娘にすべての罪をなすりつけて……。ホテルの一室で憤怒に燃えるロッコに責められ、揉み合ううちに、あろうことか彼女はバージンを捧げてしまった。なぜだかわからないが、そうすることが自然に思えたのだ。2カ月後、妊娠に気づいたチャリティは
アニーは海辺の町の病院で働き始めて8カ月になる。病院を取り仕切っているのは、百戦錬磨の医師トム・マカイバー。あまたの恋を経験する色男で、仕事の腕も超一流だ。赴任して間もなく、アニーはトムの衝撃的な言葉を耳にしていた。“ひどく地味な女性だから、ずっと独身のまま働いてくれそうだな”それでも病院を辞めないのは、彼が学生時代からの憧れの人だから。ある晩、アニーはトムの家の前に赤ん坊が置かれているのを見つけた。一夜をともにした女性が、こっそり押しつけていったらしい。突然幼い娘の父親になって奮闘するトムに、アニーは協
ジャクリーンは研修医として故郷に帰り、亡き父がかつて設立した病院に採用された。現院長は父の若き友人で同僚だったメルドン・パワーズ。父の葬儀のときには優しい言葉をかけてくれたのに、初日に会った彼は別人のように厳しく、小さなミスも許さない。傲慢なメルドンに怯える日々を送るジャクリーンにとって、同僚のマーティンとたわいない話をするのが息抜きになっていた。だがある夜、メルドンの私邸で開かれたパーティでいつものようにマーティンと話していると、メルドンがやってきてマーティンを追い払い、強引にジャクリーンの唇を奪った!
リディアは継娘のお目付け役として訪れた舞踏会で、二度と会いたくないと同時に誰よりも会いたかったニコラスと再会した。彼は8年前、社交界デビューをしたばかりの地味なリディアに目をつけ、その気にさせて求婚の言葉をささやいておきながら姿を消した。失意の彼女はやむにやまれぬ事情で父親ほど年上の男性に嫁いだものの、人知れずニコラスへの叶わなかった想いをずっとくすぶらせていた。時が過ぎ、彼女は若き未亡人に、彼は立派な子爵になった今、再会を機に、未遂に終わった恋がふたたび燃えあがるかに見えた。ところが、そんな切ないリディ