出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
幼くして父親を亡くし母と二人暮らしのエミリーは、年上の隣人、セバスチャンのことをずっと慕っていた。やがて、病に倒れ余命幾ばくもない母の願いで、エミリーは16歳のとき彼と婚約し、初恋を実らせたかに見えたーセバスチャンが別の女性を愛していると知るまでは。ほかの男性と結婚しようとするその人を彼が必死で止めるのを、偶然にも立ち聞きしてしまったのだった。ショックを受けつつも、彼のためを思うなら自分が譲るほかないと考え、彼女は断腸の思いで婚約解消を申し出た。それから5年。エミリーの前に、男爵となったセバスチャンが現れる。
ウエディング・プランナーのスカーレットは、ある日、高い脚立から落ちかけ、居合わせた顧客に抱き止められた。ほっとした次の瞬間、思わず頬を赤らめる。なんてゴージャスな人なの。彼はセクシーなことで有名な大富豪、ダニエル・マクニールだった。スカーレットの本能は即座に警告した。彼に近づいてはだめ。危険だわ。冴えない私が彼と釣り合うはずがないもの。だから、花束の贈り物もディナーの誘いも断った。彼のキスは、とてもすてきだったけれど。次に脚立から落ちたとき、ダニエルは現れず、彼女は頭を強打した…。気がつくと、ゴージャスな男性が心配そうに瞳をのぞきこんでいた。あなたは、誰?-スカーレットは記憶喪失に陥ってしまったのだった。
ジェンマは幼い息子が入院する病院で、かつての恋人テイトに再会した。1年前、パーティが出会った億万長者のテイト。男らしい魅力あふれる彼にジェンマはたちまち虜になり、その夜のうちに情熱を分かちあった。けれど、夢のような日々は長くは続かなかった。わずか数週間後、ジェンマの恋心はずたずたに引き裂かれたのだ。身に覚えのない浮気を責められ、ペントハウスを追い出されて。その後妊娠に気づいたジェンマは、ひとりで赤ん坊を産み育ててきた。このまま秘密を隠し通さなくては。テイトに息子の存在を知られたら、親権を奪われるかもしれない。慌てて立ち去ろうとする彼女の動揺を、テイトはしかし見逃さなかった。そして赤ん坊をひと目見るなり言った。「この子の父親はぼくだ」それは、ぞっとするほど冷たい声で…!?
唯一の家族である母を看取ったあと、ジェイは故郷を離れた。恋も遊びもあきらめて看病に明け暮れた日々に別れを告げ、砂漠の国ダムホールで、人生の再スタートを切るつもりだった。現地の医師団に参加した彼女は、有能な外科医マレクと出会う。運命だった。命を救う闘いを共にするうち、二人は強く惹かれ合った。初めての恋ーけれどそれは淡くもやさしくもなく、灼熱の砂漠のようにジェイを熱く焦がした。だがマレクは、彼女の純潔をぎりぎりのところで拒み続ける。医師であると同時に王位継承者でもある彼は、妻を選べない立場にあることを、どうしても言い出せないのだった。O・ゲイツの記念すべき日本デビュー作。
ルー・リヴシィ、25歳。花やハーブを育てながら、飼い犬とふたりきりで田園地帯の古いコテージに住んでいる。隠居した老婦人のような暮らしと思われても、かまわない。恋人も夫もいらない、男性は苦しみのもとになるだけだから。彼らが女性に言い寄る裏には、いつも何か、別の理由があるのよ。5年前、若すぎた結婚に大失敗してすべてを失ってから、ルーは、もう決して男性に心を開くまい、と決めていた。隣に越してきたばかりのニール・サクストンも同じ。「きみの土地を売ってくれ」いきなり強引に迫ってきたかと思うと、ほかにも欲しいものがあるかのような目で、ルーをじっと見つめたのだ。つぼみより固く閉じた、男性不信の乙女心。
ウエイトレスのシャンタルは、うっとりと思い返していた。ギリシアの大富豪アンゲロスが開催した慈善舞踏会の夜のことを。ハンサムな男性に声をかけられ、夜どおし踊った…。まさか、彼がアンゲロス本人だったとは。ある招待客の代わりに出席していたシャンタルは、素性を暴かれるのを恐れて慌てて逃げ出してしまったのだ。おとぎばなしは終わり、彼女はまたみじめな生活に戻った。それなのに、アンゲロスがわたしを捜し出すなんて!彼はなぜかひどく怒ったまなざしでシャンタルを見据えると、「父に会ってもらう」と言って彼女をむりやり車に押し込んだ。ギリシアとパリを舞台に描かれる、大富豪と貧しいウエイトレスの運命の恋物語。