出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
いつもは大好きなコーヒーの香りを不快に感じたその日、ウエイトレスのアリスは妊娠したことに気づいた。思い当たるのはただ一人。従姉の結婚式で会ったアドニだけ。慣れないシャンパンに悪酔いした彼女を介抱してくれたセクシーなギリシア富豪に、純潔を捧げたのだった。妊娠の事実を伝えたくて彼のオフィスを訪ねたアリスはしかし、金目当てと罵られ、ショックを受ける。しがないウエイトレスの私を、彼が本気で愛するわけないのに。アリスは涙をこらえ、逃げるようにオフィスを出たが…。
海賊のようなスペイン富豪の子供を 身ごもってしまうなんて! アンナはリゾートを営む母からの電話でスペインの島にやってきた。 1カ月後に盛大な結婚式が行われるから準備を手伝ってほしいというのだ。 翌朝、不意に出会ったのはクルーザーを停泊させて島に上陸している人物。 その黒髪の精悍な男性は結婚式を挙げる花嫁の兄レオだと名乗り、 妹に代わって下見に来たと尊大に告げた。 レオがスペイン貴族の末裔の富豪だと知るやいなや、 アンナは彼との間に一線を引こうと心に誓った。 18歳のころ、同じように魅力的な貴族の男性に惹かれ、 ごみのように捨てられたあげく流産した苦い思い出があるから。 それなのに彼の真の姿に気づいた夜、体を重ねてしまい……。 悲しい記憶のせいで、アンナは堅実さと分別を何よりも大事にして生きています。そんな彼女の前に突然現れたのは、まるで海賊のような貴族のスペイン富豪! アンナは彼の魅力にとらわれて……。英国人作家J・ギルモアが贈る極上のロマンスをご堪能ください。
フラニーは看護師になる夢をあきらめ、病気の伯母と医大生の弟のために家計を支えようと職探し中。さる夫人の雑用係の求人広告を見て応募するが、面接で断られてしまう。意気消沈して帰りかけたとき、その家のメイドが負傷し、偶然現れた夫人の知り合い、ヴァン・ダ・ケトゥナー教授を手伝って、けが人に処置をほどこしてから病院へ運んだ。年上の教授に胸をときめかせるフラニーだったが、病院に着いたところで置いてきぼりにされ、とぼとぼと家路についた。その後、彼女を捜しに戻った教授と入れ違いになるとは、つゆも思わず。
結婚したことさえも忘れた花嫁。 でも、交わした愛と情熱は消えず……。 花嫁のキャロラインは大富豪デイモンとの新婚旅行後に誘拐され、 幸せの絶頂からどん底へと突き落とされた。 やがて救出されるも記憶を失い、結婚や夫のことも曖昧だった。 そして実家にかくまわれたが、父から衝撃的なことを聞かされるーー おまえの夫は遺産相続のために間に合わせの結婚をしただけで、 妻の誘拐が判明しても、身代金すら払わなかったのだ、と。 お金が目的だった? 本当はわたしを愛していないの? 彼との間に授かったかわいい息子を、先日産んだばかりなのに……。 デイモンの真意を知るため、キャロラインは意を決し、 夫のもとへと戻ることにしたーー幼子の存在は秘密にしたまま。 確かな記憶がないキャロラインに伝えられた、衝撃の事実。幸せが指の間からこぼれ落ちゆく切なさをこらえつつ、結婚の真相を知るために夫のもとへ戻ると、意外にも温かく迎えられます。けれども、息子の存在を隠されていたことがわかると、デイモンは激怒し……。
身に覚えのない妊娠ーー 相手は、思いがけない人だった! ニコルは打ちのめされた気分で病院をあとにした。 妊娠……。もう何年も男性のベッドに近づいてすらいないのに。 いつ? どうして? もしそんなことがあったとしたら、 疲労とシャンパンとで記憶のないクリスマス・パーティしかない。 つまり相手は、会社でいつも会っている誰かということになる。 動揺し、出社後も優れない顔色のニコルを見て声をかけたのは、 半年前から一緒に働いている、やり手のミッチだった。 ずば抜けてセクシーだが、なぜかニコルを苛立たせる彼が、 お腹の子の父親ということはありえない。 そこで、体調が悪いのは妊娠のせいだと漏らすと、彼は色を失い……。 “ハーレクイン・ディザイア傑作選”より、RITA賞をはじめ数々の受賞歴を誇る実力派作家J・グリーンのヒット作をお届けします。まるで覚えていない一夜の恋を経て、小さな命を身ごもったニコル。そうと知ったミッチとの関係は、いったいどのような展開に!?
7歳で両親と死に別れ、祖母に育てられた影響で、古風に育ったベス。 秘書の仕事をするときは眼鏡をかけ、地味な服装をしているが、 3年前に働きだしたときから、ボスにほのかな恋心を抱いていた。 ところが、ボスは目立たない秘書の気持ちに気づくはずもなく、 美貌のモデルに贈るために買った婚約指輪を、ベスに取りに行かせる。 そんな彼女を、ボスの兄であるテオ・キリアキスが見ていた。 弟がご執心中のモデルとかつて婚約していたテオは、 元婚約者の強欲さを知っており、弟の目をどうにか覚まさせたかった。 ここは一つ、あの平凡なベスを美女に変身させ、弟の気を引かせよう。 しかしテオ自らが、白鳥のように美しくなった彼女に心奪われて……。 ハーレクイン・ロマンスの不動の三大人気テーマの一つをご紹介。地味で冴えない、まるで“醜いあひるの子”のようなヒロインが華麗に変身するシンデレラ・ストーリーをお楽しみください!
ジェンマは兄の誘いにこたえてクレタ島に到着した。 ところが島に滞在しているはずの兄は、 約束の日時に空港に降り立ったジェンマを迎えに来なかった。 空港近くのホテルに落ち着いて数日後、やっと兄からメッセージが届き、 ジェンマは小さな村の別荘を訪ねていった。 だがそこに兄の姿はなく、代わりに前日遺跡で出会った男性が現れた。 なぜか怒りに燃える目でじっとジェンマを見つめていた、あの男性だ。 そのとき、ジェンマは知りもしなかったーー 謎の男性がアンドレアス・ニコライデスというホテル王の富豪で、 冷酷にも彼女を誘惑し、身も心も虜にしようと企んでいるとは! 大人気作家S・クレイヴンはドラマチックな作風で世界中の読者の心をわしづかみにし、2017年11月に天国へと旅立ちました。『恋も愛も知らないまま』(R-3364)を遺作として贈ってくれた彼女を偲び、1980年代に刊行された初期の名作をお届けします。冷酷な富豪の誘惑の罠に落ちたヒロインの運命やいかに?
メグは飛行機で黒髪のハンサムな男性ニクラスと隣り合わせた。機内が消灯した後も話は弾み、いつしかキスを交わして…。濃密な愛撫は地上に降りたあとも続き、メグはこの見ず知らずの裕福な男性に求婚されると、魔法にかかったようにバージンを捧げ、二人は一夜で夫婦になった。だが翌朝、夫は忽然と消えたー新妻をベッドに残したまま。1年後、心を閉ざしたメグの前にニクラスの弁護士が現れ、彼が無実の罪で拘置所にいるという驚くべき事実を告げた。ニクラスに会えるのは法的な妻であるメグだけで、面会を許される唯一の理由が、“夫婦の営み”の要求だというのだ!
デイルは幼いころから修道院の寄宿学校に入れられ、 両親からほとんど顧みられることもないまま成長した。 卒業を控えたある日、彼女の後見人だという弁護士リックが現れ、 飛行機事故で亡くなった両親が莫大な財産を遺したこと、 成人するまでデイルを引き取り、彼の保護下に置くことを告げた。 この男性とひとつ屋根の下で暮らすなんて……デイルはとまどった。 彼の底知れない瞳に見つめられると、なぜか心の奥が震える。 それが恋だと悟るのと、絶望に打ちひしがれるのは同時だった。 リックと、彼の美しい婚約者が話しているのを聞いてしまったのだ。 デイルは“幼くて、かわいそうなほど魅力のない子ども”だと。 南アフリカが生んだY・ウィタルは70年代後半から90年代初頭に活躍した作家。本作は1983年の作品で、寄宿学校育ちの無垢なヒロインと、彼女の後見人である年上の弁護士との純愛をご堪能いただけます。大人の階段をのぼろうとするヒロインにご声援を!
高校を卒業して働きだしたコーリーには憧れの人がいた。ひとまわり以上も年上のJ・C・カルホーンーハンサムで大人の魅力あふれる彼からデートに誘われ、コーリーは夢見心地でイエスと言った。独身主義の彼に言われるまま、親の反対を押し切って同棲を始めた。目もくらむほどの幸せの果て、コーリーは小さな命を授かった。だが長期出張から帰ったJ・Cに妊娠を告げようとすると、なぜか彼は激昂した。君の浮気相手から、その話はもう聞いていると。J・Cはコーリーを真冬の寒空に放り出し、嫌悪もあらわに吐き捨てた。「君の顔は二度と見たくない。僕にとって君は存在しない人間だ」
貧民街の捨て子は、公爵家への復讐のため、悪魔になったーー L・ヒース真骨頂! 愛と罪が交錯するヴィクトリアン絵巻、開幕。 幼い頃に天涯孤独の身となり、公爵夫妻を親がわりに育ったアスリン。次期公 爵に嫁ぎ、何不自由のない日々を送るはずだった彼女の世界は、突然現れた大 富豪ミック・トゥルーラヴによって一変する。貧民街に生まれながらも、不屈 の意志で巨万の富を築きあげた彼は、裏社会を統べる危険きわまりない存在。 真夜中を思わせる瞳、官能的な手練手管に、純真無垢なアスリンが抗えるはず もなかった。しかし、ミックが近づいてきたのは壮大な復讐劇のためーー30年 前に公爵家から捨てられた幼子が、すべてを奪う悪魔となって戻ってきたのだ。
幸せだったあの日々は記憶の扉に閉じこめてーー 涙なくしては読めない、ギリシア富豪との切ない愛。 彼の子供を妊娠しているーーその事実を知ったマーリーは一人物思いにふけっ ていた。子供の父親であるクリュザンダーは世界を股にかけるギリシア人富豪 で、ふたりはいま一つ屋根の下に暮らしている。妊娠したと打ち明けたら彼は どんな反応をするだろう? クリュザンダーが二人の関係をどう考えているの か確かめようと、マーリーは仕事から戻った彼にさっそく問いかけた。「ぼく らの間に関係などない。きみは“愛人”だ」返ってきた辛辣すぎるその言葉に、 マーリーは凍りつく。だが運命は、さらなる悲劇を彼女に用意していた。
生まれつき不思議な予知能力を持ち、そのせいで周囲から敬遠されてきたローレルは、都会を離れて亡き祖母が遺してくれた屋敷にひとり移り住むことに。ルイジアナの深い森に囲まれたその美しい屋敷は、地元では“ミモザの園”と呼ばれ愛されていた。ようやく自分の居場所を見つけたローレルだが、ある日そこで思いがけない出会いを果たす。目の前に、毎晩ローレルの夢に出てくる男性ー存在するはずのない空想の世界の恋人が現れたのだ。呆然とするローレルに、彼も戸惑いを隠せない様子で「会いたかったよ」とささやき…。
アナにとって裕福なエリート銀行家リュークとの結婚生活は、まさに幸せそのものだったー夫の元愛人の影が射すまでは。不安が募り、耐えきれなくなったアナは逃げるように家を出た。数日間は平穏に過ぎたものの、9日目になって突然、いつも以上に尊大な態度のリュークがアナの目前に現れて告げた。「僕の妻には家に戻ってもらう。僕のベッドに」驚いたことに、夫はアナが妊娠していることを知っており、さらに彼女の父親が会社で不正を働いた事実まで調べあげていた。なんて卑劣なの!妻を脅迫して思いどおりにしようだなんて。
意地が悪く身勝手な母親に虐げられ、 人の優しさを知らず怯えながら生きてきたトレイシー。 ある日彼女は騒動に巻き込まれ、 近くの大牧場を経営するタイの車を壊してしまい、 償いとして牧場に住み込んで働くことになった。 タイはたくましくて常に自信に満ちあふれていて、 自分とは正反対の彼に、しだいにトレイシーは心惹かれていく。 だが一方のタイはトレイシーのことを、 母親と同じ、狡猾で節操のない女だと思い込んでいて……。
仕事中に呼ばれたケイラは、人生最大のショックを受けた。社長のアンドレアスが結婚して家族をつくるというのだ。なぜその相手が、知り合って8年、彼を愛してきた私じゃないの?それはきっと私が、里親育ちの“雑種”だからだ。悲しみと屈辱のあまり、ケイラは無断で休暇をとって旅に出た。するとアンドレアスは会社を放り出し、彼女を追いかけてきた。「君は僕の人生の一部だ。結婚してもその事実は変わらない!」アンドレアスにとって、妻の横に私がいるのは当然なのだ。別の女性を選んだ彼を見るなんて、私には拷問でしかないのに。
どうか気づいてほしい。 私はもう子供じゃないの。 イタリアを一人で旅してまわっていたケイティは、 アマルフィの海岸で最悪の事態に陥った。 一瞬の隙にパスポートの入った荷物を盗まれてしまったのだ。 途方に暮れる彼女の前に高級車が停まり、思いがけない男性が 降りてきた。ジャレッド! なぜこんなところにいるの? 5年前、彼とキスを交わしたあとで拒絶された苦い記憶が甦る。 大富豪ジャレッドは事情を聞くと彼女を強引に車へ押しこんだ。 満月の下、白く輝くヴィラに着き、ケイティは息をのんだ。 ここで二人きり? 盗み見た彼の顔に蠱惑の笑みが広がった。 いきいきとしたヒロインの描写に定評のあるハイディ・ライスが贈る、刺激的な再会ロマンスです。ひょんなことから、かつて手酷くふられた相手と同居することになったヒロインの運命は……?
こんな残酷な運命があるかしら? 別れを決意した直後に身ごもるなんて。 「ぼくは君を愛せない。だから別れるしかない」 富豪の夫マックスに宣告され、リーザは泣く泣く別居に同意した。 だが、離婚に向けて話し合いを進めているさなか、 ふとした弾みで情熱が甦り、ふたりはベッドを共にする。 2カ月後のクリスマス、予期せぬ妊娠に動揺するリーザは、 事実だけでもとマックスに伝えるが、意外な返事が返ってきた。 「離婚はやめて、ふたりで子どもを育てよう」 私を愛してもいないのに? いったい何を考えているの? 凍りついたリーザに、マックスは驚くべき提案をした。 新人離れした落ち着いた筆致で読ませる作家、レイチェル・トーマスが、愛なき夫婦の愛の復活をドラマティックに描きます。別居中の夫婦に届いた、思いがけないクリスマスの贈り物とは……?
魅惑の富豪と冴えない私。 不自然すぎる“恋人同士”。 高級リゾート施設の広告提案に臨んだエリーは、 広告主であるニッコロ・ロッシの姿をひと目見た瞬間に まるで流砂に落ち込むような感覚を味わった。 端整な顔、漆黒の髪と瞳、しなやかでたくましい体つきーー ギリシア神話の彫像のように美しい冷徹なプレイボーイ富豪は 色気に欠けるエリーの広告案を一蹴し、悪魔のように微笑した。 「1週間、現地のヴィラに泊まるんだ。僕の恋人のふりをして」 わけあってこの仕事を逃すわけにいかないエリーは彼に従った。 これは純粋な現地視察よーーざわめく胸にそう言い聞かせながら。 安全第一の人生を送ってきた仕事人間のエリーにとって、ニッコロの危険な提案は青天の霹靂でした。この世の楽園のように美しいリゾートで心と体を解きほぐされ、募りゆく恋心を自覚したエリーは、束の間の喜びと知りながら独身主義のニッコロに純潔を捧げて……。
“愛は人を奴隷にするだけだ” 彼の拒絶に、胸が引き裂かれ……。 さる王家で王女たちの家庭教師として働くオリヴィアは、ある晩、 宮殿の窓から侵入してきた黒ずくめの男にさらわれた。 恐怖でめまいに襲われる一方、その侵入者の危険な魅力に胸が高鳴る。 あれよあれよと儀式めいたことをさせられ、甘い言葉で誘われるうち、 まだ恋も知らぬオリヴィアは抗うすべなく身も心もゆだねてしまった。 その後、驚愕の真相が判明するーー男の正体は隣国の王子ザイードで、 必要があって結婚を急ぎ、王女と間違ってオリヴィアを連れ去ったのだ。 しかも、先ほどの儀式は、なんと婚礼の儀だったという! うろたえるオリヴィアに、ザイードは蔑みもあらわに言い放った。 「なぜ早く名乗らなかった? 后になりたくて、僕をはめたのか?」 涙を誘う愛の物語で人気のケイト・ヒューイットの秀作。自分に自信がなく、華やかな人々の陰で自己主張することなく生きてきたオリヴィア。人の役に立ちたいと願う心優しい彼女が、運命の悪戯によって、とんでもない事態に巻き込まれていき……。