出版社 : パレード
私の遺伝子は誰から受け継いだの…? ヒトの卵子同士の結合研究を経て、愛する女性との子供を授かったLGBTの女性医師 彼女の哀しい運命とその子供の数奇な人生の物語 精子や卵子の凍結保存、人工受精、体外受精、代理母の出現など、様々な技術の進歩や倫理観の変化により、遺伝子の維持が可能となった。 これらの技術は夫婦間の不妊治療にのみならず、未来にはLGBTの人にも自分の遺伝子の継承が可能となることだろう。 法律や倫理的には議論の余地はあるが、技術的には誰でも、自分の遺伝子を持った我が子を育てられる時代はきっと訪れるだろう。
一九五六年、ニューヨーク。アメリカで奮闘する日本人ビジネスマン、堀正人。美しきドイツ人女性、アン。そして同居人、ジュディ。戦後の高度経済成長時代、その裏では、戦争の傷跡、人々の思惑と愛情が、複雑な怨嗟の連鎖に繋がる。ねじれた関係の行く末はー。人間の恩讐を描いたヒューマンドラマ。
一九七〇年代。仏文科に通う大学生の竜は、学生時代に区切りをつけるため恋人を日本に残し、フランス留学を果たすが…『only yesterday 1972〜』。秘密基地で子猫を飼う少年と、投資会社に勤める男。一見何の接点もない二人の人生は、物語が進むにつれ奇妙なシンクロを見せ、ついに運命が交わる。『放物線の中の夕陽』。文学、エンタメ、対照的な二編を収録。
舞台は福岡、小さな炭鉱町。戦後、復興に向け大きくうねりを見せ始めた頃ー。赤貧にあえぐどん底の中、助け合い、そして差別。悲しくも、可笑しく、そして逞しい生き様を、後に「団塊の世代」と呼ばれる子供たちの目を通して描く。
情報統合省の日高義彰は、国立公園の管理責任者を仮の姿とし、テロリスト団体ブルー・ポニーの非合法処刑を企ててきたーー。 仲間の裏切り、元婚約者との再会、別れ、国家とテロリストの果てしない殺人ゲーム……。 特殊公務員の日々を硬質な文体でリアルに描く本格ノワール小説。
愛、笑顔、言葉、夢など、この世界には数えきれないほどの「贈りもの」があります。 そして、その一つひとつには、たったひとりだけ、『贈り師』と呼ばれる者が存在します。 彼らの報酬は金銭ではありません。贈り師が贈ったものを依頼主が使うことにより初めて生まれる、その「意味の重さ」に応じて、ある特別な形で支払われるのです。 もし、その贈りものが相手の人生に深く影響を与えた場合、その代償もまた、大きくなるーー。 それでも人は、愛する人を救うために、臆することなく求めていきます。 これは、そんな「言葉」の「贈り師」が、自ら選び取ったさまざまな人生の悩みに寄り添い、「言葉」という贈りもので人々の未来を変えていく物語です。
その昔、刑事ドラマ「太陽にほえろ」を数作書き残し筆を置いた 作者は、数十年の時を経て七十五歳で再び筆を起こした。 「タフでなければ生きていけない、優しくなければ生きて行く資格がない。 時代の崖っぷちに片手を掛けかろうじてぶら下がっている私は、この言葉を テーブルに載せ、とある物語を書き上げました」
シロ(無罪)がクロ(有罪)に変わる世界ーー強烈な”推し愛”と嫉妬が渦巻くSNSの世界での執拗なネットリンチに、愛する者を奪われた男の捨て身の復讐劇 「Xで『トレパク』がトレンド入りして、騒ぎが大きくなるにつれ、連中にとってトレパクが真実かどうかなんて、どうでもよくなっていったと思うんです。それよりも、どうすれば獲物を……さやかを地べたに這いずり回らせることができるか。どうすれば、より効果的にさやかのメンタルを破壊することができるか……奴らは飢えた犬が骨付き肉にむしゃぶりつくように、そのゲームに熱中していった」(本文より) 最愛の夫そっくりの漫画キャラにハマり、生まれて初めて二次創作の世界に足を踏み入れたさやかは、持って生まれた絵の才能によってあっという間にトップ絵師の座に昇りつめる。フォロワー数、いいね、本の販売数、どれをとっても彼女に完敗した古くからのファンたちは、その逆恨みをぶつけるべく盗作疑惑をふっかけ、壮絶なネットリンチでさやかを追いつめてゆく……
この世に悔いはないですか? 人類は生命体が機能を亡くした場合、肉体と心思に分かれる。 肉体は機能不全となり荼毘に付され、骨となりいずれは土に返る。 一方、心思は考えや思いであり、形がないものである。 この心思は幽体となり、あの世の入り口から列車に乗り、あの世に向かう。 人生を全うして悔いのない人生を送った心思(幽体)は、あの世行きの列車に乗れるが、悔いの残ったままの心思は、列車に乗れず邪鬼の世界を漂うことになるのだ。 あの世の王様である心思親王から指示を受け、入り口の番人となった大井大介番人と菅原愛子番人。 ふたりの元に今日も新しい心思がやってくる。 ふたりの番人が、この入り口にたどり着いた心思から話を聞き、共に彼らの人生を振り返り、この世での失敗を気づかせていく物語。
其方の声音は正しく朱姫の声音である。あの涼やかな朱姫の…声が誰かに似ているせいで、塔子はとんでもない出来事に巻き込まれるー。亡くなる間際に母が語った「菊の庭」。その「庭」を描いた絵と出逢ったことが全ての始まりだった。失われた魂の欠片を回収し、南の守護朱姫を再生させよ。時空を超えた冒険・恋愛ファンタジー!
低迷した企業を次々となんとかしていく男、なんとかなるさんの手腕から学ぶ企業小説 元銀行員の南渡家成(あだ名は「なんとかなる」)が、ハローワークから紹介された業績不振企業を新しい発想で次々と改善していく、企業業績改善請負人の物語。 転職の度にハローワークを訪れ、その手腕と人柄から「なんとかなる」さんと呼ばれ、人気者に。 行く先々で恋愛の渦に巻き込まれ、うまくかわしながら仕事も恋も成就させていく。 業績改善のノウハウと恋愛処世術のヒントがここにあります。 Contents 第1話 半導体製造会社 カイスイ社 第2話 自動車部品製造会社 国有コンポ社 第3話 製薬会社 白山製薬社 第4話 旅行会社 思い出に残る旅行社 第5話 食品(パン製造)製造会社 食品工房社 第6話 物流会社 遠藤物流社 第7話 レストラン運営会社 レストラン快晴社 第8話 学習塾運営会社 朝日進学社 第9話 アパレル会社 アスニハ社 第10話 地方銀行 山城銀行
誘拐事件、死体インキ、怪文書ー。犯人の目的は!?小さなインキ会社に届いた脅迫状。そこに記されていたのは、画期的な新インキを開発した社員、平尾健二の誘拐だった!しかし、犯人の要求を受け入れたにも関わらず、平尾は殺害されてしまう。衝撃の結末や如何に…。弁理士探偵羽生絹シリーズ第3弾!
人生をかけて臨んだ紀夫の「かなしき愛」の物語。広い世界でただ一人の運命の人に出会った紀夫。13歳から9年半、頑ななまでに一途な愛を貫くも、かなわぬ想い。妻であり娘でもある女性の錯乱する精神。二人がもがきながら進んで来た結果の、悲しい定め。分裂する想い。
“電子通貨ビットコイン”に関する論文を発表し、世界に大きな影響を与えた謎の人物「サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)」が姿を消してから10年以上。突如SNS上に現れた彼は「全てのコードを集めた者に、私が保有しているビットコイン全てを譲渡する」と宣言した。3兆円以上の価値をもつコインを求め人々が熱狂する中、偶然コードに繋がるヒントを得た会社員の芥川光啓は、不可解な出来事に翻弄されることになるー。
時の流れの中で「還らざるもの」と「なお残るもの」。まだ大学が城の中にあったころの金沢。彼は先輩と共に中島敦『山月記』の“謎”に挑む。やがて、それぞれの前に、「青春の日々」を決定づける女性が現れる…。