出版社 : ポプラ社
☆迷走する恋、疾走する小説。 ☆恋愛における、ありとあらゆる感情を味わえる媚薬小説。 ☆『エンキョリレンアイ』の著者が15年ぶりに放つ、せつない胸キュン小説。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++ 結末がなかったら、作品は「いつまでもつづく」になってしまうか、あるいは、 単なる「書きかけ」のままで終わってしまう。書き上げられないまま、作者が 死んだってこともあるかもな(言っておくけど、僕は死なないし、主人公も彼 女も死なない。どっちかが死んで終わるラブストーリーほど、僕の嫌いなもの はない! ラブストーリーで片方を死なせるのは、作者の怠慢である! 鼻息 荒いぞ)。----本文より +++++++++++++++++++++++++++++++++++ 【担当編集者からのメッセージ】 『空と海のであう場所』で読者のハートをわしづかみにした著者の、純度100 パーセントの恋愛小説です。失恋中の人は癒され、慰められ、恋愛中の人は励 まされ、勇気をもらえます。恋愛なんて自分には縁がないと思っている人にも、 過去の恋愛をなつかしみたい人にもおすすめします。おまけに、読み終えたあ とには「恋愛小説の書き方」がマスターできている! という前代未聞の恋愛 小説。人を好きになるって、こういうことだよなぁ、と、男性読者である僕も しみじみ感動してしまいました。今日マチ子さんの装画にもご注目を!
仕事も恋愛もぱっとしない岡野七子がたどり着いた、住宅街の洋菓子店「月と私」。そこには、お菓子にまつわる魅力的なエッセンスを引き出して、物語としてお客に届ける、「ストーリーテラー」がいたーー。さまざまな悩みを抱えてお店を訪れた人たちは、ストーリーテラーの語る物語と、美しいシェフの作る極上のお菓子に心解きほぐされていく。疲れた心に甘くやさしく沁みわたる連作短編集。
目標がなく、なんとなく社会人になった、出版取次「大販」の新人社員・大森理香が、ある小さな「町の書店」の女店主と出逢うことで、「仕事とは何か」を学び、人生の目標を見つけ出していくーー。尼崎に実在するまちの書店をモデルにした、ベストセラー『物を売るバカ』『キャッチコピー力の基本』の著者・川上徹也が書く感動のフィクション。読むだけで仕事への熱意とやる気があふれてくる一冊です。 (ストーリー) 東京生まれ・東京育ちで、中学からエスカレーターで東京の私立大学を卒業した大森理香(おおもり・りか)。特に夢もなりたいものもなく、なんとなく受けた大手出版取次「大販」に内定するものも、配属でいきなり縁もゆかりもない大阪勤務を命じられる。 関西弁が大嫌いで、さらにはベタベタした人間関係も大の苦手な理香だったが、研修でよかれと思ってやった行為で大きなミスをやってしまう。自分のふがいなさと理不尽さに涙があふれる理香に対し、上司が連れていったのはある小さな書店。そこでひとりの「書店のオバチャン」と出逢う。この書店のオバちゃんとの出会いをきっかけに理香の仕事と人生への考え方が少しずつ変わっていったーー。 <著者> 川上 徹也(かわかみ・てつや) コピーライター。湘南ストーリーブランディング研究所代表。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者として知られている。ビジネスにおける「言葉」や「ストーリー」の使い方をテーマにした著書多数。その多くが海外にも翻訳されている。 書店好きとして知られ、全国の書店を取材して執筆した『本屋さんで本当にあった心温まる物語』などの著作もある。
お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか? 人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れた小さな図書室。 彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。 仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。 狭いレファレンスカウンターの中に体を埋めこみ、ちまちまと毛糸に針を刺して何かを作っている司書さん。本の相談をすると司書さんはレファレンスを始めます。不愛想なのにどうしてだか聞き上手で、相談者は誰にも言えなかった本音や願望を司書さんに話してしまいます。 話を聞いた司書さんは、一風変わった選書をしてくれます。図鑑、絵本、詩集......。 そして選書が終わると、カウンターの下にたくさんある引き出しの中から、小さな毛糸玉のようなものをひとつだけ取り出します。本のリストを印刷した紙と一緒に渡されたのは、羊毛フェルト。「これはなんですか」と相談者が訊ねると、司書さんはぶっきらぼうに答えます。 「本の付録」とーー。 自分が本当に「探している物」に気がつき、 明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。
子どもも、大人も、どなたでも、絵を描きにきて下さいーー。 イラストレーターの実弥子は、下町の路地に佇む古い民家を借りて、小さな絵画教室を始める。ひっそりと開いた教室だったが、類まれな絵の才能を持つ少年とその母親、長いつきあいの編集者、近所の小学校に通う子どもたち、隣人の母娘など、さまざまな人たちが訪れるようになっていく。 画家だった夫の突然の死を受けとめきれずにいた実弥子だったが、絵を教え、ともに描くことによって、少しずつ生きる力を取り戻していく……路地の片隅で紡がれる人の営み、絵を通したやわらかなつながり、静かな時間が丁寧に描かれていく。 坪田譲治文学賞受賞作家がおくる、やさしい再生の物語。
男子高校生の夕作まことは、顔にある痣を化粧で隠して生活している。それがばれることを恐れ、人とかかわらず静かに過ごすことを望んでいた。ある日、公園でクラスメイトの槇野がタバコを吸っているところを目撃する。不良でもない彼女がなぜ?互いに“秘密”を抱えた二人は徐々に距離を縮めていくがー。第9回ポプラ社小説新人賞特別賞を受賞した感動の青春小説(『シガーベール』を改題・加筆)。
高校生・田井中広一は黙っていても、口を開いても、つねに人から馬鹿にされ、世界から浮き上がってしまう。そんな広一が「この人なら」と唯一、人間的な関心を寄せたのが美術教師の二木良平だった。穏やかな人気教師で通っていたが、それは表の顔。彼が自分以上に危険な人間であると確信する広一は、二木に近づき、脅し、とんでもない取引をもちかけるーー。嘘と誠実が崖っぷちで交錯し、追い詰めあうふたり。生徒と教師の悪戦苦闘をスリリングに描き、読後に爽やかな感動を呼ぶ青春小説。2019年ポプラ社小説新人賞受賞作。
絶滅危惧種でありながら日々食卓にあがり続ける、身近な高級食材「ウナギ」。いまだ生態に多くの謎が残るウナギの流通をめぐり、巨大スーパーと裏社会の人々、そして元総会屋が暗躍する。しかし、その裏には国が躍起になって隠蔽する戦慄の真実が隠されていたー食の闇に鋭く切り込んだ骨太エンタメ企業小説。
母親を病で失い、気力を失くして会社を退職した父親と実家のある田舎へ越してきた14歳の春野暁(あかつき)。バスケットに情熱を燃やしていたものの、転校先の平川中に女子バスケット部はない。そこで暁は、学年イチの秀才で運動神経ゼロの欣子、日本に不法滞在の身でほとんど学校に来ていないタンザニア人のプミリアたちと女子バスケット部を立ち上げる。だが、暁以外は初心者でルールさえもよくわからず、練習場所にも事欠く始末。さらにそれぞれの家庭の事情にも苦しめられる。そんなとき、暁の前を華麗なフォームで長身の少女が走り抜ける。それが、暁と本田薫との出会いだった……。
<story> 駒込うらら商店街に佇む、昔ながらのパン屋さん「ベーカリー・コテン」。 あんぱん、クリームパン、チョココロネ。気取っていない顔が並んでいて、見ているだけでほっとするような、そんなお店。 一家で経営してきたコテンの未来を背負うのは、悩める三代目・和久。 商店街が寂れる中で、コテンを継ぐべきか。「自分なりのパン」を見つけないといけないのではないか。創業者のじいちゃんが亡くなって、店名の「コテン」の由来もわからない。 日々迷いながらパン生地をこねる和久のもとには、愉快なお客たちがやってくる。 ヒョウ柄のコートを着込む占い師に、就活に落ち続ける学生、肉バカの肉屋の息子。 人の悩みに寄り添うパンを焼こうと奮闘する和久が、やがて見つけた答えとはーー しぼんだ心を幸せでふっくらさせる、とびきりあったかな“縁”の物語。 <プロフィール> 冬森灯(ふゆもり・とも) 第1回おいしい文学賞にて最終候補。本作がデビュー作となる
三年間引きこもっていた鈴木家の長男・浩一がある日突然この世を去った。母の悠子はショックのあまり意識を失ってしまう。浩一の四十九日の当日に意識を取り戻すが、悠子は浩一の死の記憶を失っていた。「浩一は?」と尋ねる悠子に、浩一の妹である富美は「お兄ちゃんはアルゼンチンにいる」と咄嗟に嘘をつく。母のために家族総出で「浩一の死」を偽る日々が始まった…。死と向き合い、生きることを模索する家族の姿を描いた物語。
ネットで知り合い、それぞれの事情から練炭自殺を画策する四人の男女。炭に点火しようとした瞬間、彼らは偶然銃撃事件を目撃してしまう。撃たれて倒れる男、銃を放り出して逃走する犯人。 四人は戦慄するが、倒れて動かない男の側に大量の札束が転がっているのを見た瞬間、邪な気持ちが芽生える。その後彼らの取った行動が、想像を絶する恐怖の扉を開けてしまう……。 予測不能の衝撃的な結末、最恐のエンターテインメント。
山田家の父親は三年前に事故で他界。会社勤めの母親と、幼稚園に通う三つ子の妹たちの面倒を見るのが高校1年生の龍一朗の役目。もともと料理は好きだけど…。それぞれつまずいたり、悩んだり、助けられたりしながら日々を刻んでいく山田家と龍一朗を、こまやかで確かな筆致で描いた青春と成長の物語。第1回おいしい文学賞受賞作。
<内容紹介> 小さな活版印刷所「三日月堂」。店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった言葉ーー。 三日月堂が軌道に乗り始めた一方で、金子は愛を育み、柚原は人生に悩み……。そして弓子達のその後とは? 三日月堂の「未来」が描かれる番外編。 <プロフィール> ほしおさなえ 1964年東京都生まれ。小説家。1995年『影をめくるとき』が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。『銀塩写真探偵』『金継ぎの家 あたたかなしずくたち』「菓子屋横丁月光荘」「活版印刷三日月堂」シリーズなど著作多数。
<内容紹介> 「当たり前」の就職活動になじめず、内定のないまま卒業式を迎えたマヒコ。仕事も住居も危ぶまれる中、ひょんなことから東京の下町にある築100年の銭湯「刻の湯」に住むことに。そこにはマヒコに負けず劣らず”正しい社会”からはみ出した、くせものばかりがいてーー。! <プロフィール> 小野美由紀 1985年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部仏文学専攻卒業。2011年、震災を描いた絵本「ひかりのりゅう」の発売のためクラウドファンディングを立ち上げ、2014年に出版。著書に『傷口から人生。』(幻冬舎文庫)、『人生に疲れたらスペイン巡礼』(光文社新書)がある。
<内容紹介> たくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起きる花咲小路商店街。 すらりと背の高いせいらちゃんが働く「バーバーひしおか」は、古きよき香りが漂うレトロな<理髪店>。 小柄な奥さん・ミミ子さんが切り盛りし、素敵に髪を整えてくれますが、店主の旦那さんはのんきに暮らしてばかり。 それもそのはず、旦那さんには思いもよらぬ<裏の顔>があってーー <プロフィール> 小路幸也(しょうじ ゆきや) 1961年北海道生まれ。『空を見上げる古い歌を口ずさむ』で第29回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2015年は『東京バンドワゴン』シリーズが刊行10周年となり、累計100万部を超えている。他著書に『カレンダーボーイ』『COW HOUSE』『ピースメーカー』『東京公園』など多数。
<内容紹介> 小さな活版印刷所「三日月堂」。 店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった言葉ーー。 弓子が幼いころ、初めて活版印刷に触れた思い出。祖父が三日月堂を閉めるときの話……。 本編で描かれなかった、三日月堂の「過去」が詰まった番外編。 <プロフィール> ほしおさなえ 1964年東京都生まれ。小説家。1995年『影をめくるとき』が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』にて、第12回鮎川哲也賞最終候補。『銀塩写真探偵』『金継ぎの家 あたたかなしずくたち』「菓子屋横丁月光荘」「活版印刷三日月堂」シリーズなど著作多数。
(内容紹介) アイドルグループ「marshmallow15」に奇妙な脅迫状が届いた。 警護を引き受けたのは、メンバー・詩織の父親で、警備会社を営む万屋大悟。愛する娘に近づく有象無象(と謎)を蹴散らすべく、職権を乱用しまくって犯人を追うが、脅迫状に隠されていたと驚きの真相とはーー!? (プロフィール) 太田忠司 1959年愛知県生まれ。81年に「帰郷」で「星新一ショートショート・コンテスト」優秀作を受賞。「少年探偵・狩野俊介」「目白台サイドキック」「名古屋駅西 喫茶ユトリロ」シリーズほか、『奇談蒐集家』『密原トリカと七億の小人とチョコミント』『道化師の退場』など著作多数。