2020年9月9日発売
大学生の“俺”は、気がつくとオンラインゲーム“グラナシエールの創世”の世界にいたー自らのPCである魔導学者・宵月として。ログアウトもできず、右も左も分からないゲームの世界。森で出会った双子の獣耳少女レフとライ、半竜人の青年ジェイスと行動を共にし、手探りの冒険が始まった。宵月の武器は、神の叡智を宿す三冊の魔道書のなかでも最強の“瞑闇の書”-通称“黒本”。旅を進めるうち、残りの“赤本”“白本”を持つプレイヤーたちもこの世界に来ていることを知りー!?
「アイテム倉庫」でしかなかったニンジャのカナタと司教のアーウィアは、女神の気まぐれアップデートを乗り越え、今ではそこそこの腕前を持つ冒険者となった。しかし、アップデートの影響で、これまでの「設定」がなくなり、一部の冒険者たちが戸惑う場面も少なくなかった。そんなある日、カナタとアーウィアはパーティーの人員を増やすべく仲間探しを始める。世界のアップデートの影響で人員不足になっていたのだ。二人は、ある出来事から知り合った貧乏エルフのルーと、陰気なドワーフのギドーに出会い一緒に迷宮探索に出るのだが…。
花城汀、泉、澪の三人が、沖縄、東京、鹿児島、福岡、山口、台湾を縦横無尽に疾駆する!祖母の愛情を受けて育った花城三姉妹は、いずれ劣らぬ個性派揃い。オバァの願いはただ一つ、姉妹の誰かに、米軍基地内にある海神の墓を守ってほしいということだった。墓守は嫌だと拒否した三人だったが、20年後、それぞれの立場で海神の謎を追うことになるー。山田風太郎賞受賞第一作。
北村彩芽は不動産会社の街づくりプロジェクト担当。出産後すぐに職場復帰するはずが、まだ保育園が見つからない!思わずSNSで呟いた#保育園落ちた人この指止まれに、ママたちの苦悩がたくさん寄せられた。そのオフ会で知り合った2人に彩芽は目をつける。シングルマザーで経理ができる沢村敦子。子をあやすのが上手な江上梨乃。彼女たちの能力を見抜き、彩芽は一念発起する。「保育園つくっちゃいませんか?」動揺する2人をよそに、実現に向けて彩芽は突き進むがー。保育園に落ちた仲間同士の人生をかけたプロジェクトがはじまった。ママたちの奮闘物語。
高校生・田井中広一は黙っていても、口を開いても、つねに人から馬鹿にされ、世界から浮き上がってしまう。そんな広一が「この人なら」と唯一、人間的な関心を寄せたのが美術教師の二木良平だった。穏やかな人気教師で通っていたが、それは表の顔。彼が自分以上に危険な人間であると確信する広一は、二木に近づき、脅し、とんでもない取引をもちかけるー。嘘と誠実が崖っぷちで交錯し、追い詰めあうふたり。生徒と教師の悪戦苦闘をスリリングに描き、読後に爽やかな感動を呼ぶ青春小説。第9回ポプラ社小説新人賞受賞作『Bとの邂逅』改題。
絶滅危惧種でありながら日々食卓にあがり続ける、身近な高級食材「ウナギ」。いまだ生態に多くの謎が残るウナギの流通をめぐり、巨大スーパーと裏社会の人々、そして元総会屋が暗躍する。しかし、その裏には国が躍起になって隠蔽する戦慄の真実が隠されていたー食の闇に鋭く切り込んだ骨太エンタメ企業小説。