出版社 : リヨン社
外界から孤絶したチベット奥地の寺で、クリストファーはようやく息子の姿を目のあたりにした。が、寺の中に渦巻くのは、仏陀の化身といわれる少年を利用したザミャーチンの巨大な謀略。彼の魔手から逃れるべく、クリストファーはくだんの少年のや美しいチベット娘、そして息子を連れて決死の脱出をはかるが…。神秘の異教が支配する未開の地に展開される逃亡と追跡ー『熱砂に聖都を探せ』の著者が放つ伝奇冒険アクションの粋。
夜のケネディ空港で非常事態が勃発した。謎のテロ・グループの手で航空管制機能を完全に麻痺させられたのだ。犯人側の要求は服役中の同志7名の釈放。ニューヨーク市警・対テロリスト課の警部マローンは事態の収拾に傾注する。が、折悪しく猛吹雪に見舞われる中、上空で着陸を控えた何機もの旅客機は燃料切れによる墜落の時が目前。しかも乗客のひとりはマローンの愛娘だった。『マンハッタン殲滅計画』の俊英が描く大型サスペンス。
凶悪犯罪が蔓延する近末来のデトロイト。その腐敗を助長させているのが、悪の権化ケインの率いる麻薬組織だった。彼らを殲滅し、市の治安を回復させるべく、サイボーグ警官ロボコップは戦いつづける。が、折りしも、ロボコップを生み出した巨大企業オムニ社がデトロイト市全体の支配を画策。やがて彼らの謀略とケインの野望が交錯したとき、ロボコップの行手にはかつてない強大な敵が現われた。痛快無比のSFハード・アクション。
ホイスラーはコーヒー・バー〈ジェントリー〉の窓ぎわにすわり、通りにたむろする娼婦、男娼、ポン引き、アル中たち、そして彼らを目当てに集まってくるさまざまな人間たちの非喜劇を見守っていた。そんなある日、〈ジェントリー〉に現われた謎めいた女からのボディガードの依頼をひき受けたホイスラーは、TV界の錯綜した人間関係と、その裏にひそむ愛憎のドラマへとひきよせられていく…。
作戦名『大天使』。目標は北米大陸。命令書を見たソ連原潜『レッドスター』の艦長コルサコフは、北大西洋の海底で目を疑った。自分に人類破滅の引金を引けというのか。それを救う道はただ一つ、対峙する米潜水艦『インデペンデンス』と協力することだった。そのころ、異常に気づいたクレムリンは『レッドスター』の撃沈を目論んでいた。懸命の努力を続けるコルサコフの頭上に、いまた敵となったソ連艦隊が忍び寄る…。
〈ゼブラ・ワン、ゼブラ・ツー〉この謎の暗号名を情報提供者の口から聞いた直後、モスクワ駐在のCIA局員マカリスターはKGBに捕えられた。そして拷問を受けるが、不可解なことに突然本国へ送還される。が、空港に降り立った瞬間から彼を待ち受けるのは、意外にも米ソ双方の暗殺集団の罠。決死の逃亡を開始した彼が生き延びる途はただひとつ、〈ゼブラ〉の正体をあばくことだけだった。謎とアクションが横溢するスパイ小説巨篇。
私立探偵フレッド・カーヴァーは、別れた妻と共に暮らす幼い息子との再会を心待ちにしていた。が、もたらされたのは思わぬ凶報だった。息子が何者かに殺害されたのだーそれも手製の火炎放射器の炎を浴びせられて。同一手口の残虐な殺人事件はほかにも発生していた。見分けもつかぬ黒焦げの物体と化した息子を前にして復讐を誓ったカーヴァーは、執念の捜査を開始した。『トロピカル・ヒート』につづく傑作ハードボイルド第2弾。
合衆国大統領を乗せた専用機「エアフォースワン」は欧州歴訪の途中にあった。同機は最新のハイテク装備で厳重にガードされているため、いかなる敵もこれにつけこむことは不可能といわれる。だが難攻不落のはずのエアフォースワンがアラブ過激派にハイジャックされ、大統領は公開処刑されることになった。処刑まで8時間。苦悩する米国首脳は、米空軍最新鋭のTAV(宇宙往還艇)による奇襲攻撃で、大統領を救出しようと決意する…。
クリスマスを2日後にひかえたロスアンジェルス。続発する強盗事件は、ついに殺人にまでエスカレートした。犠性者はパトロール警官。容疑者として最近刑務所を仮釈放されたばかりのボビー・バーンズが浮かびあがる。事件を担当するのは、L.A.保安官事務所きってのあらくれ刑事ジェリー・ベック。連続して起きる大量殺人と追跡行。バーンズを追って南部に飛んだベックの前に、白人優越主義者たちの禍々しい陰謀が明らかになる…。
ローマ、パナマ、ロンドン、ポーランドで同時刻に殺人事件が発生した。ローマの被害者は英国の新聞記者で、女性記者カロの前夫だった。カロは、酒で身を持ち崩したかつての敏腕記者ジョンを助手として、調査を開始する。やがてふたりは、ヴァチカンの金が密かに国外へ流出している事実を知るが、その時から周囲には死の影が跳梁を始めた。果たして4件の殺人の接点とは?また、その背後に潜む“世界経済を操る男”の密謀とは?
マーク・ブラッドフォード中佐率いるアメリカ海軍VXE-6は、勇躍南極大陸へとハーキュリーズC130の翼をつらねた。任務は越冬のための資材・糧食の供給と研究開発の支援。しかし、一寸先も見えない雪嵐をついて到着した彼らを待っていたのは、かつての平和な白い処女地ではなく、恐るべき野望を企む狂気の亡霊たちだった。その企てを阻み、美しい南極を守るべく、ブラッドフォードが空に舞う。壮大な極地に展開する会心の航空小説。
パキスタンの核科学者ナジムがひそかに西側へ接触してきた。英国情報部の長官ネアンは彼を操ってパキスタンの核兵器計画を探るべく、かつて部下だった美貌の女性サラを彼に接近させる。ナジムは徐々にサラに魅了されていき、一方サラも彼に心惹かれていった。が、ゴルバチョフ放逐を図るソ連軍幹部の密謀が渦く中、やがてサラたちは死の縁に追いやられた。『第3の裏切り』の俊英が現実の国際情勢をもとに描く会心のスパイ小説。
元CIA屈指の殺し屋だったチャーリー・ダンは、CIAから意外な依頼を受けた。CIAを裏切って東側に雇われた凄腕の暗殺者スポールディングを阻止してほしいというのだ。スポールディングはかつてダンが育て上げた男だった。承諾したダンは標的を追ってヨーロッパへ飛ぶ。が、行手に待つのは、彼の動きを感知したスポールディングの死の罠だった!互いの手の内を知り尽くした殺しのプロ同士が繰り広げる死闘を描く白熱のサスペンス。
ソ連書記長が何者かに暗殺されたために、クレムリン内部では一挙に権力闘争が開始された。米国との関係をこれまで以上に緊密にすべきだと主張する和平派と、書記長暗殺は米国の謀略だから断固報復すべしとする強硬派に、クレムリンが二分されたのだ。強硬派は、ノルウェー沖のバレンツ海で米国情報収集船を拿捕し、さらに、ソ連が誇る巨大原潜と最新鋭攻撃原潜を密かに米国近海に派遣し、核の一撃で米国を破壊せんともくろむ…。
有能な警官だつたカーヴァーは、強盗に膝を撃たれて杖に頼る身となり、私立探偵に転身した。その彼のもとをエドウィナという美貌の女が訪れた。失踪した恋人ウィリスを探してほしいという。状況証拠はウイリスが海に身投げしたことを示唆していたが、エドウィナは信じない。後女に心惹かれたカーヴァーは捜査に着手したー行手に根深い謎と殺意が渦巻いているとも知らず。フロリダを舞台に感傷的な筆致で描く傑作ハードボイルド。
英国の王女ふたりを誘拐せよーナチスのスパイ、アイルダースは密命を帯びてロンドンに潜入した。英国の戦意を喪失させるべく立案された作戦だった。が、やがて状況の急変により、作戦中止の決定が下る。アイルダースはしかし服従しなかった。その胸中には新たな恐るべき計画が芽生えていた…。一方、彼の暴走を危惧したドイツは敢えて敵国イギリスに協力、両国共同の追跡網がひそかに張りめぐらされた!迫真の戦争サスペンス。
フラナリーは下水道を点検中、まっぷたつに切断された男の死体を発見した。男はラテン系で、検屍官によれば、鰐に噛みちぎられているという。果たして大都市シカゴの下水道に人喰い鰐が棲息しているのか?折りしも愛鳥を何羽も盗まれたという女性が、フラナリーに助けを求めてきた。捜査にのりだしたフラナリーはやがて、一見無関係なこのふたつの事件の間に思わぬ接点を見出すが…。