出版社 : リヨン社
全身の筋肉を硬直させて死に至らしめる恐るべき神経ガス〈マネキン〉-ドレグラー化学興業は新開発のこの化学兵器をネバダの工場から西海岸まで列車輸送することにした。イラク政府との密約に基づく計画だった。だが、それを察知したイラン人テロリストが列車に爆弾を仕掛ける。やがて爆発によって噴出したガスは、列車の乗員を、沿線の住民を次々と襲った。暴走する死の列車を阻むすべはあるのか?力作パニック・サスペンス。
1982年、ヨーロッパではパレスチナ過激派による暗殺事件が続発していた。その背後には常に、『テロリストの王』と呼ばれるアブ・ニダルの無気味な姿があった。一方、パレスチナ人の作家ラムジー・アウワドとイスラエルの情報部員シャイ・シャハムは、動機こそ異なるがアブ・ニダルを倒すという共通の目的のために、アムステルダム、ウィーン、ローマと、アブ・ニダルを追う。折りしも、新たな標的に意外な人物が浮かび上がる…。
女弁護士メガンは慄然とした。ベトナムで戦死したはずの夫、ティエリーから電話があり、イタリアを旅行中の愛娘を誘拐したというのだ。メガンは即刻現地に飛んだ。が、ティエリーの真の狙いは、彼女の叔父で合衆国国務長官候補のジョンの命だった。ジョンはベトナム戦争当時CIA局員で、ソ連に内通していたティエリーを罠にはめた過去があるのだ。単身メガンのあとを追ったジョンを待つ、ティエリーとKGBの恐るべき復讐計画とは?
ベトナム帰還兵ジェイムズ・ウォーカーは、かつての上官で現在は米陸軍情報部大佐“J”の策謀で、メイン州の刑務所に収容されていた。奇襲突撃隊員としてベトコンに恐れられた彼は、あまりにも危険な存在だったからだ。ある日、刑務所にまで“J”の黒い牙が迫っているのを察知したウォーカーは、脱走して山岳地帯にたてこもる。包囲する地元警察。なんとしても彼を抹殺せんとする米陸軍。ウォーカーの“たった一人の戦争”が始まった!
クリスマス。ヨーロッパ各地の都市や港湾、鉄道拠点などで、デモやストの不穏な動きが続出した。同じ頃、中東ではテロリスト訓練キャンプから送り出されたテロリストたちの消息がプツンと切れ、所在がつかめなくなっていた。これらの事件がたがいに結びついているようには見えなかったし、西側に危機が迫っているようにも思えなかったが、“聖なる”夜の暗闇に乗じて、ワルシャワ条約軍が西側との国境地帯に集結しつつあった…。
自分の使命は神に代わってマフィアを殲滅することだー新聞記者のヴィンスはそう盲信した。いつからか狂気に蝕まれ、妻の姿を鳥と錯視することもある彼にとって、現実と妄想の判別はもはや不可能だった。そして犯罪組織の人間を次々と虐殺しては、犯行声明を新聞社に送りつけた。やがて市民のあいだから犯人を英雄視する声まであがる中、警部補のデラは執拗な捜査をつづけるが…。冬のシカゴに展開される戦慄の犯罪サスペンス!
トロントの老舗出版社の社主が地下鉄にひかれて死亡し、その数日後、ニューヨークの大手出版社の社長が殺された。彼らと面識のあった女性ジャーナリスト、ジュディスは友人の出版社社員マーシャと共に調査を始め、死んだふたりが同一の原稿の出版を計画していたことを知る。が、問題の原稿は消え失せていた。しかも、その行方を追ってロンドンへ飛んだマーシャを待つのは第三の死。果たして幻の原稿に秘められた恐るべき陰謀とは?
はるか数千年の昔、アラビア半島の大ナフード砂漠の奥深く栄えたという伝説の都市イラム。その古代都市を本拠にする謎の組織によって拉致されたデイヴィッド・ローゼンを救出すべく、美貌のパレスティナ人ガイド、レイラ・ラシドとモサドのショーレム大佐の一行はナフード砂漠の奥地めざして旅を続けるが…。世界世覇をもくろむ地下組織と、それを阻止しようとする考古学者の死闘を、壮大なスケールで描く冒険伝奇サスペンス巨篇。
アラビア海に浮かぶ小島で米国がミサイル基地を建造しているのを、ソ連の偵察衛星がキャッチ。激怒したクレムリン首脳はソ連海軍インド洋艦隊をアラビア海に派遣するが、米国は空母ニミッツを旗艦とする58機動部隊でこれを迎え撃とうとする。第三次世界大戦の危機が高まる中、レーザー兵器によって米ソ両国の偵察衛星が破壊され、ついに史上初の米ソ両艦隊の直接戦闘が勃発!エスカレートする米ソのパワー・ゲームの結末は?
オーストラリア人ジャーナリストのキャクストンは休暇でバンコクを再訪した。ベトナム戦争当時、共に死線をくぐった友人のロビイが当地で酒場を営んでいるのだ。が、さる警察幹部が犯罪者を逮捕する現場を偶然撮影して以来、キャクストンは何者かに命を狙われる。しかも再会したロビイの身辺にも謎が渦巻いていた。キャクストンは調査にのりだすが、その行手にはタイと故国を結ぶ巨大麻薬組織の罠が…。新鋭が放つ冒険サスペンス。
シルヴィアはバルセロナの空港近くの草叢で突然意識を回復した。全身血にまみれ、パスポートと金、そして数日間の記憶も失われている。ラスヴェガスでショウに出演するはずの彼女がなぜそこにいるのか。単なる事故、それともスペイン人の愛人の妻を嫉妬に駆られ殺してしまったのか。ナイフが腹を切り裂くイメージにつきまとわれ、過去と現在に等しく翻弄されるシルヴィアを待ちうける衝撃の事実とは?異色エロティック・スリラー。
第三次世界大戦勃発!西ドイツ駐留NATO軍に出動命令が下った。バノン大尉率いるチーム・ヤンキーは、最前線でワルシャワ条約機構軍と対峙していたが、苦戦に業を煮やしたソ連軍は、ついに核の投入に踏み切った。全面核戦争に突入すれば、人類は破滅する。兵士の間に、焦りと不安が募っていった…。戦火のヨーロッパを舞台に、自由と正義を守るために、命を賭けて戦う男たちの魂を描いて全米を熱狂させた傑作戦争アクション。
競馬界では三大クラシックレースのひとつ、ケンタッキーダービーが間近となり、有力馬の馬主たちは盛大なパーティを催して前景気をあおっていた。そんな折、謎の脅迫状が馬主たちに送りつけられ、最有力馬の馬主が刺殺されという事件が起きた。三大クラシックの実況放送のためにケンタッキー州ルイビルを訪れていたレース・アナウンサーのジェリー・ブローガンは事件解明のために調査を始めるが…。注目の競馬ミステリ、第2弾。
第一次大戦のさなか、スイスに亡命中のレーニンは、ドイツの支援を受けてロシアへの帰途についた。ドイツ側の見返りは彼が政権をとった際の両国の講和。この情報を察知した英国は彼を暗殺すべく、スパイあがりのアメリカ人バウアーを派遣する。が、合衆国やロシアの思惑もからむなか、レーニンらが乗るヨーロッパ縦断列車に潜入したバウアーを待つのは死と陰謀の渦だった。史実を基に壮大なスケールで描く第一級の冒険サスペンス。
ピーター・フィンレーはケーブル・テレビ局のリポーター。ジョークとウィットでは誰にも負けないニューヨーカーだ。そんな彼のところにひとりの男がやってきた。8日前から行方不明の美人テレビ・スター、ベギー・リンの前夫だという。そして彼女はすでに死んでいるはずだと爆弾発言。フィンレーはさっそく調査にのりだすが、翌日から巻き起こるのはアイスピックを使った残虐な連続殺人だった!MWA新人賞候補の都会派ミステリ。