出版社 : リヨン社
ローマ、パナマ、ロンドン、ポーランドで同時刻に殺人事件が発生した。ローマの被害者は英国の新聞記者で、女性記者カロの前夫だった。カロは、酒で身を持ち崩したかつての敏腕記者ジョンを助手として、調査を開始する。やがてふたりは、ヴァチカンの金が密かに国外へ流出している事実を知るが、その時から周囲には死の影が跳梁を始めた。果たして4件の殺人の接点とは?また、その背後に潜む“世界経済を操る男”の密謀とは?
マーク・ブラッドフォード中佐率いるアメリカ海軍VXE-6は、勇躍南極大陸へとハーキュリーズC130の翼をつらねた。任務は越冬のための資材・糧食の供給と研究開発の支援。しかし、一寸先も見えない雪嵐をついて到着した彼らを待っていたのは、かつての平和な白い処女地ではなく、恐るべき野望を企む狂気の亡霊たちだった。その企てを阻み、美しい南極を守るべく、ブラッドフォードが空に舞う。壮大な極地に展開する会心の航空小説。
パキスタンの核科学者ナジムがひそかに西側へ接触してきた。英国情報部の長官ネアンは彼を操ってパキスタンの核兵器計画を探るべく、かつて部下だった美貌の女性サラを彼に接近させる。ナジムは徐々にサラに魅了されていき、一方サラも彼に心惹かれていった。が、ゴルバチョフ放逐を図るソ連軍幹部の密謀が渦く中、やがてサラたちは死の縁に追いやられた。『第3の裏切り』の俊英が現実の国際情勢をもとに描く会心のスパイ小説。
元CIA屈指の殺し屋だったチャーリー・ダンは、CIAから意外な依頼を受けた。CIAを裏切って東側に雇われた凄腕の暗殺者スポールディングを阻止してほしいというのだ。スポールディングはかつてダンが育て上げた男だった。承諾したダンは標的を追ってヨーロッパへ飛ぶ。が、行手に待つのは、彼の動きを感知したスポールディングの死の罠だった!互いの手の内を知り尽くした殺しのプロ同士が繰り広げる死闘を描く白熱のサスペンス。
ソ連書記長が何者かに暗殺されたために、クレムリン内部では一挙に権力闘争が開始された。米国との関係をこれまで以上に緊密にすべきだと主張する和平派と、書記長暗殺は米国の謀略だから断固報復すべしとする強硬派に、クレムリンが二分されたのだ。強硬派は、ノルウェー沖のバレンツ海で米国情報収集船を拿捕し、さらに、ソ連が誇る巨大原潜と最新鋭攻撃原潜を密かに米国近海に派遣し、核の一撃で米国を破壊せんともくろむ…。
有能な警官だつたカーヴァーは、強盗に膝を撃たれて杖に頼る身となり、私立探偵に転身した。その彼のもとをエドウィナという美貌の女が訪れた。失踪した恋人ウィリスを探してほしいという。状況証拠はウイリスが海に身投げしたことを示唆していたが、エドウィナは信じない。後女に心惹かれたカーヴァーは捜査に着手したー行手に根深い謎と殺意が渦巻いているとも知らず。フロリダを舞台に感傷的な筆致で描く傑作ハードボイルド。
英国の王女ふたりを誘拐せよーナチスのスパイ、アイルダースは密命を帯びてロンドンに潜入した。英国の戦意を喪失させるべく立案された作戦だった。が、やがて状況の急変により、作戦中止の決定が下る。アイルダースはしかし服従しなかった。その胸中には新たな恐るべき計画が芽生えていた…。一方、彼の暴走を危惧したドイツは敢えて敵国イギリスに協力、両国共同の追跡網がひそかに張りめぐらされた!迫真の戦争サスペンス。
フラナリーは下水道を点検中、まっぷたつに切断された男の死体を発見した。男はラテン系で、検屍官によれば、鰐に噛みちぎられているという。果たして大都市シカゴの下水道に人喰い鰐が棲息しているのか?折りしも愛鳥を何羽も盗まれたという女性が、フラナリーに助けを求めてきた。捜査にのりだしたフラナリーはやがて、一見無関係なこのふたつの事件の間に思わぬ接点を見出すが…。
アメリカ合衆国は、いまや未曽有の危機に直面していた。現職の大統領を破って次期大統領に選出されたジョナサン・スターが、何者かに拉致、誘拐されたのだ。国際テロ・グループの仕業か、果してスターは生存しているのか、就任式までに生還しなければ誰が合衆国大統領に就任するのか?政治・経済、外交面で、深刻な影響が出はじめていた。サザーランド大統領はこの難局を乗りきるために、スター救出作戦を展開するが…。
11歳になる双子の兄妹が姿を消した。翌日には母親も…。捜査にのりだしたマイケル・ソーン警部補は、不思議な事実に突き当たった。犯人とおぼしき孤児院育ちの男には、双子の兄がいた。その兄というのが、失踪した母子のいまは亡き夫であり父親だった。この意味するところはいったい何か?もつれた糸をほぐそうとするソーンを尻目に、犯人は着々とたくらみをすすめていた。妄執に憑かれた男の狂気を描く深夜のミステリ。
全身の筋肉を硬直させて死に至らしめる恐るべき神経ガス〈マネキン〉-ドレグラー化学興業は新開発のこの化学兵器をネバダの工場から西海岸まで列車輸送することにした。イラク政府との密約に基づく計画だった。だが、それを察知したイラン人テロリストが列車に爆弾を仕掛ける。やがて爆発によって噴出したガスは、列車の乗員を、沿線の住民を次々と襲った。暴走する死の列車を阻むすべはあるのか?力作パニック・サスペンス。
1982年、ヨーロッパではパレスチナ過激派による暗殺事件が続発していた。その背後には常に、『テロリストの王』と呼ばれるアブ・ニダルの無気味な姿があった。一方、パレスチナ人の作家ラムジー・アウワドとイスラエルの情報部員シャイ・シャハムは、動機こそ異なるがアブ・ニダルを倒すという共通の目的のために、アムステルダム、ウィーン、ローマと、アブ・ニダルを追う。折りしも、新たな標的に意外な人物が浮かび上がる…。
女弁護士メガンは慄然とした。ベトナムで戦死したはずの夫、ティエリーから電話があり、イタリアを旅行中の愛娘を誘拐したというのだ。メガンは即刻現地に飛んだ。が、ティエリーの真の狙いは、彼女の叔父で合衆国国務長官候補のジョンの命だった。ジョンはベトナム戦争当時CIA局員で、ソ連に内通していたティエリーを罠にはめた過去があるのだ。単身メガンのあとを追ったジョンを待つ、ティエリーとKGBの恐るべき復讐計画とは?
ベトナム帰還兵ジェイムズ・ウォーカーは、かつての上官で現在は米陸軍情報部大佐“J”の策謀で、メイン州の刑務所に収容されていた。奇襲突撃隊員としてベトコンに恐れられた彼は、あまりにも危険な存在だったからだ。ある日、刑務所にまで“J”の黒い牙が迫っているのを察知したウォーカーは、脱走して山岳地帯にたてこもる。包囲する地元警察。なんとしても彼を抹殺せんとする米陸軍。ウォーカーの“たった一人の戦争”が始まった!
1960年代後半、イスラエル空軍は存亡の危機に直面した。フランスの武器輸出禁止措置により、超音速戦闘機ミラージュの入手が不可能となったのだ。足を負傷して空軍から除籍されていたダニエルは、この知らせを聞いて遠大な計画を立案する。総計数十万枚ものミラージュの設計図をすべて盗みだそうというのだ。イスラエル、フランス、スイスを結ぶ決死の作戦の成否は?史実に基づき壮大なスケールで描きあげた波瀾万丈の冒険ロマン。
クリスマス。ヨーロッパ各地の都市や港湾、鉄道拠点などで、デモやストの不穏な動きが続出した。同じ頃、中東ではテロリスト訓練キャンプから送り出されたテロリストたちの消息がプツンと切れ、所在がつかめなくなっていた。これらの事件がたがいに結びついているようには見えなかったし、西側に危機が迫っているようにも思えなかったが、“聖なる”夜の暗闇に乗じて、ワルシャワ条約軍が西側との国境地帯に集結しつつあった…。
自分の使命は神に代わってマフィアを殲滅することだー新聞記者のヴィンスはそう盲信した。いつからか狂気に蝕まれ、妻の姿を鳥と錯視することもある彼にとって、現実と妄想の判別はもはや不可能だった。そして犯罪組織の人間を次々と虐殺しては、犯行声明を新聞社に送りつけた。やがて市民のあいだから犯人を英雄視する声まであがる中、警部補のデラは執拗な捜査をつづけるが…。冬のシカゴに展開される戦慄の犯罪サスペンス!