出版社 : 二見書房
元大和梨川藩の磯貝徳右衛門は侍を捨て、料理人時吉となった。女房おちよと旅籠付き小料理のどか屋を開き人気を博している。そんなのどか屋に素人落語家で元乾物屋主の元松が宿をとった。夜ふけて元松は起きだし、思い詰めた顔で大川に向かった。これに気づいた、のどか屋の一人息子千吉は後を追う。不自由な左足で必死に走る。噺家のおじちゃんが死んじゃう。
長崎奉行を勤め上げて江戸に戻ってきた柘植長門守正寔は、作事奉行の任についていたが、ある日、謎の人物から屋敷に誘われる。疑心暗鬼で誘いに乗ると、そこには幕閣の若き俊英がいたー。「松平定信じゃ、見知りおけ」。そして、正寔が伊賀の血を引くことから、定信にある人物の守りを頼まれるのだが、時の幕閣の思惑が絡み、命を狙われることになり…。
飛脚屋に居候し、十返舎一九の弟子を名乗る男、実は奥祐筆組頭・烏丸菊次郎の世を忍ぶ仮の姿だった。菊次郎は同役の建部内蔵助とともに、飛脚屋の手下らと闇の悪を暴くために立ち上がったのだ。内蔵助のもとに、陸奥中村藩の留守居役から、戦国の「淀殿の密書」が盗まれて、表沙汰になると御家断絶は必定との相談が持ち込まれ…。菊次郎と“地獄耳”の仲間たちが悪を討つ。
只野芳郎は、55歳で退職することにした。会社による中間管理職の早期退職者募集に手を挙げたのだ。実はこの制度、「お気に入りの女子社員5名を各々一晩だけ好きにしていい」という夢のような特典がついていた!真っ先に、自分をバカにし続けてきた営業部一の切れ者女性課長・冴子を指名した芳郎だったがー。書下し官能エンターテインメント!
国民的子役としてお茶の間のアイドルとして一世を風靡した「伊藤あい」も、月日が経ち、今は三十路の人妻となっていた。多額の借金を抱える夫が考え出したのは、妻を「貸し出す」ことで借金の返済に当てようというものだった。昔の熱狂的なファン、共演もしたかつての子役、子役時代のライバル…らが元「伊藤あい」の体を弄んでいくー。
ニーナはある早朝、ウクライナ語でわめきながらやってきた老婆にいきなり注射を打たれ、携帯電話を奪われそうになった。そのまま意識を失うが、携帯に録音されていたウクライナ語を手がかりに元FBIのアーロとともに事情を探ると、老婆は亡き母の親友の科学者で、ニーナが打たれた薬剤を巡って政界をも巻き込んだ争奪戦が起きていることを知る。そして、3日以内に解毒剤を打たなければ、自分の命が尽きることも…。解毒剤を探すニーナとアーロに刻一刻と時間は迫りー大好評官能サスペンス第9弾!
侍を捨て料理人となった時吉とおちよの、旅籠付き小料理屋のどか屋を手伝うおしんは、出奔中の父を両国橋で見かけた。声をかけたが逃げ去られた。父は浮世絵版木彫りの職人だったが、故あって家を捨てていた。おしんの弟は大工修業中に大火にあい、亡くなっていた。江戸に戻った父が目にしたのは、十七歳で死んだ息子が遺した、焼け焦げた鉋だった。鉋を懐にした父は…。
十九歳の駒桜丈太郎は父から北町奉行所定町廻り同心の席を譲られ、今日は初出仕の日。途中で会った御用聞きの利助に連れられ本石町二丁目の辻売り絵草紙屋(瓦版屋)おろち屋に寄った。おろち屋の人たちは、父の探索の手伝いもしていたという。その日、丈太郎は、出仕を忘れる程の、世にも奇妙な事件に出会うことになって…。
19歳の浩司は官能作家志望だが、ある朝起きたら人とは違う特殊パワーが備わっていた!それは、一日に最低5回は射精しないと収まらない勃起力、硬軟自在なペニス、他人の淫らな心を感知できる能力。これによって「絶倫」化した彼は、さまざまな女性と経験し、自身の作品に生かそうとするがー。人気作家による痛快書下し官能!
FBI捜査官ニコラスのもとにテロ組織“COE”が爆破を企てているとの情報が入るが、現場に向かった直後に爆発が起こり、情報提供者も亡くなった。その炎を遠くから見るCOEのメンバー、バネッサは呆然とした。これまでCOEは、人を殺さないのをモットーとしてきたはずだった。だが今回、組織が犠牲者を出すのをためらわなかったのは、最近加わったダリウスの入れ知恵に違いない。バネッサは、次の凶行を防ぐため、組織のリーダー、マシューを誘惑して懐柔しようとするが…
代々続くスコットランドの治療師の娘メグは、先祖より伝わる習わしに従って結婚せず、自立した生活を送っていた。ある日、馬車に乗った男性と目が合い、その瞬間に強いときめきを感じる。彼はイングランドから来たマードン伯爵ー近隣一帯の大地主で、小作人を次々と立ち退かせていると噂の冷血漢だった。彼の悪評を聞いて想いを抑えようとするメグだったが、伯爵も美しいメグに惹かれていて、再会したふたりは衝動のままに唇を重ねてしまう。しかし、身分も価値観も違う彼らの恋はすれ違うばかりで…
サイは親友の出産に立ち会った帰り、夫を失ったばかりのいとこフェネラをマクダネルの城に見舞う。驚いたことにフェネラが夫を失うのは四度目で、みな結婚後すぐに亡くなったという。サイはフェネラを慰めるためしばらく城に滞在することに決めるが、翌日、湖で出会ったマクダネルの領主グリアと情熱的に愛を交わしてしまう。思いがけずプロポーズを受け、マクダネル領主夫人となった翌朝、何者かに矢で射られた。もしや、今度も領主夫人の座を得たいフェネラの仕業なのか?それとも夫がー?
「この世には、罪を犯しながらも裁きを免れて、大手を振って生きておる連中がおる。そうした悪党に天罰を下すのだ」闇奉行と名乗る者の手で、罪を免れた悪党たちの打ち首が辻々に晒されつづける。北町奉行所の元筆頭同心・蔵間源之助は、今は居眠り番と揶揄される閑職だが、闇奉行を喝采する江戸中の熱狂に、恐るべき危うさを感知しはじめていた…。
親の再婚で「姉」となった女性が男を部屋に連れ込んでセックスする姿を覗いてしまった弟と「姉」のその後を描いた「紫陽花とかたつむり」、大学教授が久々に再会した教え子にリードされて絶頂に導かれる「城ヶ島の恋」、若い男を誘惑しズボンに手をつっこんで性を指南する人妻を描く「無花果の女」-。昭和の匂い漂う、大人の回春官能短編集。
誘惑飛行にテイクオフ!そこそこ真面目だがダメ男好きな中堅の美咲、奔放で男性ゲットに積極的な理子、お嬢さま育ちで処女の新人・清乃、大人っぽい美しき人妻・やよいー艶やかな4人のCAが、その魅力的な容姿を使って、機内で、ステイ先で様々な男に接近し、一夜の快楽を貪っていくー。「第二回団鬼六賞」ファイナリストの元CAによる絶頂行き官能。
「これがお前への報いだ」。FBI捜査官サビッチのもとに謎のメッセージが届いた夜、友人の連邦判事ラムジーが狙撃され重傷を負った。サビッチ夫妻はサンフランシスコへ駆けつけ、ラムジーが裁判を担当していたある事件の存在を知る。容疑者夫妻が自供せず、公判前には担当検事補が行方不明となっていたのだ。そんな中、入院中のラムジーが再度銃撃される。連邦保安官助手イブはFBI捜査官ハリーと組んで捜査にあたり、互いに好意を抱いていくが、その後も犯人による狙撃は続き…?
イングランドとウェールズの国境付近にあるシスル・ヒルの女主人イザベルのもとに、王の命令で騎士ラモンが遣わされた。シスルを敵から守るため、未亡人であるイザベルと結婚し、そこに住むよう言われたというのだ。横暴だった亡夫との結婚生活は苦痛に満ちたもので、女としての悦びを知ることもなかった。男の言いなりになる毎日なんて、もう二度とごめんだ。イザベルはラモンとの床入りには興味がないと宣言し、頑なに拒否するが、浴場で彼の逞しい裸体をまのあたりにすると思わず息をのんでしまい…
高矢は姉の部屋に忍び込み下着をあさることで性欲を解消していた。それが見つかり、姉から性に関するいろいろを教わる。しかし根付いた下着への執着は治まらず、近所の美人若妻・瞳の洗濯物を盗み、また返しておいたのだ。瞳に部屋に呼ばれ、下着泥棒のことで相談されるうちに怪しい雰囲気に…。青い欲望を描く官能エンターテインメント!!
時吉とおちよの旅篭付き小料理のどか屋に、結城の紬問屋の主従と称する二人連れが泊まった。なにやら商人らしからぬ二人は、のどか屋名物の豆腐飯の朝膳に「大旦那さまも、さぞやお気に召すだろう」といって、身支度をして帰っていった。桜の季節、時吉は野田の醤油醸造元から招かれ、息子千吉を連れて出張料理に出かけた。その折、足を延ばした結城で…。