小説むすび | 出版社 : 作品社

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張赫宙日本語文学選集張赫宙日本語文学選集

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発売日

2022年1月31日 発売

“忘れられた”世界的作家の珠玉文学選 張赫宙は、かつては、魯迅と相並ぶ、アジアを代表する作家と称された。しかし、植民地期朝鮮の作家として日本語で活躍したため、張の文学は戦後社会に帰属先を失い、長い間、漂流してきた。現在、多文化、多言語における「近代」の急速な見直しが進められるなか、「世界文学」としてその作品は再び注目されはじめている。本書は、代表作「仁王洞時代」をはじめ、文学的な価値が高いものを中心に珠玉の短編を編む。 本書の特徴 1:張赫宙の主要作や代表作のうち、前著の『張赫宙日本語作品選』(勉誠出版)に漏れ、戦後において再刊・再録されることがなかった作品を取り上げ、張赫宙文学をより幅広く紹介することを意図した。 2:商業的目的や政治的意図からの選別ではなく、文学的に完成度の高い作品を取り上げ、全体が俯瞰できるように意図した。 3:張赫宙文学には植民地期の実態や実生活を知る資料的な性質の作品が多い。この点も編集の上で考慮した。 4:本書で紹介する作品は1934年から1941年の夏に至るまでのものである。張赫宙が朝鮮大邱で旺盛な作家活動をし、日本に移住して懊悩し、太平洋戦争の渦に巻き込まれる直前までの作品である。

小説集 北条義時小説集 北条義時

承久の乱に勝利し、治天の君と称された後鳥羽院らを流罪とした「逆臣」でありながら、たった一枚の肖像画さえ存在しない鎌倉幕府二代執権・北条義時。謎に包まれたその姿を、小説・戯曲・論考から明らかにする。 2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」視聴者必読!  彼は筋を通した。歴史の動きを見誤まらず、一つの、しかし多分に危機を伴うかもしれぬ決定を敢えてした。政治とはそういうものではないだろうか。東国内の主導権争いは政治以前の問題である。が、日本の政治家たちは、いつの時代にも主導権争いに明けくれて、そのことが政治だとさえ思ってしまう。(…)義時がここで西国のトップと取引きせず、御家人の利益をまず前提に考えたところに、私は東国そのものとぴったり密着した彼の姿勢を感じる。ふつう権力を握れば、たちまちそれを支える階層からは遊離してしまうものだが、義時が東国武士団の利害を直接吸いあげることができたところに、彼のすぐれた政治的資質がある。もちろんこれは個人の資質だけの問題ではない。旗揚げから三十年、内部に諸問題を抱えてはいるものの、東国はまだ若い。生命力も溢れているし、自壊作用も起してはいない。その若さが、組織のトップに健康な判断を下させた、ということであろう。(永井路子「承久の嵐 北条義時の場合」より) 海音寺潮五郎「梶原景時」 高橋直樹「悲命に斃る」 岡本綺堂「修禅寺物語」 近松秋江「北条泰時」 永井路子「執念の家譜」 永井路子「承久の嵐 北条義時の場合」 三田誠広「解説 北条義時とは何ものか」

うつせみうつせみ

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2020年11月30日 発売

洒脱にして剣呑、静謐にして囂囂たる、“僕”と“おじさん”と“おじいさん”の夢幻の如き日々は、どこに辿り着くのか。 ランボー、アルトー、ジュネ、ヴィアンの翻訳者が満を持して放つ、破格の書き下ろし長編小説!  僕の家にはおじいさんとおじさんがいて、僕がお世話になっているところや知り合いのお店なんかにとつぜん出没しては、わざと迷惑をかけたりして僕に恥をかかせるのだが、どこかに忠実な間諜がいて、そいつが連絡でもしているみたいに絶妙のタイミングで現れるので、よけいに腹が立って仕方がない。あっちは二人だから、いつもこちらは多勢に無勢みたいな気がするし、彼らはむやみに嵩高いのだ。いつか手押しリヤカーに二人を乗せて夜のメリケン波止場から暗い海に突き落としてやろうと思っている。(…)確かなことは、僕がいつまでたっても三人のなかで一番年下だということだし、何を隠そう、この劣等感をぬぐうことができず、自分でも情けなくなることがある。子供の頃から、僕はできるだけ早く歳をとりたかった。さすがにいきなり皺だらけのじじいになるのは嫌だったけれど、いつまでたっても子供モドキでいることに耐えられなかった。(本書より) 第一章 日誌 第二章 廃址

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