出版社 : 光文社
一人暮らしの女性ばかりを狙う連続殺人事件が発生!四人の被害者は、いずれもバスローブやパジャマ姿といった格好で殺されていた。さらに死亡推定時刻は、すべて午後二時から三時の間。白昼堂々の犯行だった。なぜ犯人は、女性一人が軽装でくつろぐ部屋に入れたのか?なぜ犯行が、いつも午後の同じ時刻なのか?事件を担当した十津川警部や亀井刑事は、宅配業者や郵便配達員などを虱つぶしにあたるが、「午後の悪魔」と呼ばれる犯人は、ある意外なところに潜入して…!?大都会・東京に潜む孤独を活写した力作推理四編を収録。好評、十津川警部シリーズ第六弾。
名探偵・浅見光彦が、兵庫県の城崎温泉を訪れたのは、母親雪江のお伴でだった。だが、浅見の行くところ、必ず事件あり。城崎の通称「幽霊ビル」で奇怪な事件が起こっていたのだ。以前、首吊り、服毒死と変死事件が続き、今度で三回目。興味をもった浅見は、『旅と歴史』の取材、母親のお守りをこなしながら、城崎、出石、豊岡…と事件の謎に挑んでいくのだった。
吉田松陰門下である高杉晋作は、諸外国からの圧迫を目のあたりにして、日本の危機を痛感する。そこで彼は、長州藩の海軍力増大を目指し、身分にかかわらない「有志」による奇兵隊を結成した。討幕派の中心となって奮闘する晋作だが、肺結核を患い、志半ばにして斃れる…。激動期、明治維新に尽くした救世主・高杉晋作の、波瀾の生涯を描く、傑作伝記小説。
ノースカロライナ州の厩舎で肢を折られた名馬「ラスキー」が瀕死の状態で発見される。傍らには調教師の惨殺死体が…。「アピール」紙の記者で、アマチュア騎手でもあるナタリーが、同僚のヘンリーとともに、事件の特集記事を担当することに。ホースショーの裏側を調査するうち、過去にも名馬が不審死を遂げていたことが判明する。事件の裏に恐るべき陰謀が…。“華々しいデビュー作!”と米マスコミ各誌絶賛の「美人騎手探偵」シリーズ第一弾。
同じマンションに住む長谷川真佐子の依頼で、久しぶりに郷里を訪れた村田和子は、真佐子との不思議な縁の糸の存在を知る。だが、その真佐子が密室で殺害され、さらに第二の殺人が同じ縁の線上で起こった。戦後二十数年後の安定した日本の社会情勢を巧みに取り入れ、周到な構成で描く墨野隴人シリーズ第五作完結編。そして、墨野隴人の意外な素顔が。
名前も素性もわからぬ2人の女性とバーで意気投合したリンズィは、“トリプル交換殺人”計画に参加することを約束させられてしまった。酒に酔い理性を半分なくしていた彼女は、上司のウエイン・タナカを殺害対象に指名。その翌日、タナカ邸で他殺体発見の報せが…!!しかも死体は、犯人による外部工作や内部からの脱出が不可能な“鍵のかかっていない密室”に置かれていた!交換殺人計画が実行されたのか!?取り乱すリンズィを後目に第二の殺人事件が…。読者を斯く奇抜な舞台設定と、驚く仕掛け満載の西沢流“新本格”ミステリー、カッパ・ノベルス初登場。
名古屋市栄にある三洋銀行名古屋支店に銃弾が撃ち込まれた!郵便受けには支店長宛の脅迫状が。バブル経済崩壊後の銀行に対する不信感は大きく、大蔵省や同業者の評価を気にした頭取の成瀬は警察に届けず、信頼を寄せる新任の取締役総合企画部長・長谷部を含む小委員会に調査を命じた。が、その直後、今度は横浜支店長が銃撃されて…。合併を巡る頭取の策略!失地回復を狙う前頭取一派の暗躍!横浜支店の不正融資疑惑!ビッグバン前夜の大不況のさなか、混乱する銀行組織の中で、格闘する男たちを描いた経済小説の白眉。
銀座のクラブに勤める萩原涼子は、行きつけのバー「ソルティ」のマスター・塩川から奇妙な誘いをうけた。ある金持ちの夫人のレズプレイの相手になってくれというのだ。謝礼につられ話に乗った涼子は、後日、偶然見た週刊誌から、相手が「伊東の妖怪」と呼ばれる政界の黒幕・土井壮司の妻・朋子だとわかった。土井は、異常な性的嗜好の持ち主で、朋子は夫に密かな殺意を。涼子が朋子と組んで土井の莫大な財産を手にしようと謀ったその時、何者からか一千万円を要求する脅迫電話が…。息をもつかせぬ緊迫感と意表をつく結末!ひさびさに官能味横溢するサスペンス珠玉作。
大晦日、夜半近く、警視庁捜査一課ただ一人の女性キャリア・大江沙織警部は部下の吉村とともに惨殺現場に到着した。血まみれの凄惨な女性の死体、その右腕に抱かれるように置かれた黒塗りの西洋人形-それは、十一月末より都内で起きている四件目の連続殺人と思われた。さらに第一発見者は、完璧にアリバイのある十代の少年少女だった。心に傷を持つ刑事・大江が暴き出す現代日本の家庭の崩壊と狂気の温床とは?高価なビスクドールがなぜすべての現場に?その持ち主は誰か?人間の心の暗部を鋭く抉る著者会心の書下ろし、サイコ・ミステリー渾身作。
次世代電子機器を飛躍的に小型軽量化するプロジェクトのデモ(評価会)当日、ロボットが暴走、死者が…究明調査を行なう若手技術者の堀川俊介は、衆人環視のなかでの密室殺人の疑いを抱く。彼の心には、昔、大地震に襲われたさい、少女を見捨てて逃げたトラウマがあった。一方、幼いころの記憶を失っている葛城翔子は、同棲相手の柳瀬昇の行動に不安と不審を感じていた。柳瀬は、堀河らが進める開発にスタッフとして参加していた…。禍々しく錯綜した人間関係を背景に、最先端技術の開発を巡り、技術者同士のプライドを賭けた凄まじい角逐が織りなす、著者渾身の書下ろし企業ミステリー。
元処刑捜査官の北条貴は、国際警察刑事機構の助っ人としてバンコクへ飛んだ。そこのチャイナタウンで、かつては権力者の圧政から中国の民衆を守る互助組織であった三合会が、犯罪組織へと変貌し世界に進出していた。北条に組織から、彼の仲間の耳が送られてきた。明らかな宣戦布告に、貴はすべてを覚悟して、単身、今もっとも不気味な中国マフィアの本部へ乗り込んだ。
ベルリン国境で命を落とした妻への復讐を誓う義弟ジョージがワルシャワで失踪。彼のものと記されたホルマリン漬けの手首が、SIS(イギリス秘密情報局)局員バーナード・サムソンの元に送られてきた。さらに東に置かれた秘密組織「デリウス」が連絡を絶ち、調査に赴いたサムソンの眼前で、リーダーの牧師が爆死する。-冷戦終結に「希望」はあるのか…?最後の本格スパイ・ストーリー「新々三部作」迫真の第二部登場。
『ただ目撃しただけなのに!?』秋の京都を観光中、殺人現場に遭遇した藤原浜江。法廷で証言する直前、彼女はなぜか脅迫や解雇通告を受け、さらに一人息子を誘拐される!-総会屋に対する多額不正供与の隠蔽工作ー彼女が見た殺人は、あまりにも大きすぎたのだ。腐敗した大企業、悪徳弁護士が暗躍する法廷…赤かぶ検事が悪を討つ書下ろし会心作。